トークライブアプリの7gogo。少しサロンに似てるなと思い、Umeki Salonでネタにしてみました。7gogoはざっくりいうと楽屋を覗いているような感覚で、著名人同士の雑談を閲覧できるようなサービス。サロンとの比較を下記と置いてみます。
サロンやメルマガビジネスは、しょうじき相当しんどい
Umeki Salonも4月18日で3年目に突入しました。しかし、サロンビジネス自体はメルマガほどスケールしているわけではなく、マスの人はほとんど知らないし、たまに記事や本の中で少し取り上げられる程度です。一番会員が多いのがちゅうもえサロンで700名強。Umeki Salonは200人名です。
メルマガビジネスも堀江さんや藤沢所長など一部のスタープレイヤーが1万人や数千人後半の会員規模を抱えていますが、そんなスタープレイヤーはごく一握りで会員数1,000人規模のメルマガはほとんどないでしょう。イケダハヤトさんも苦戦しているようですし、僕も一時期参入しましたが速攻で撤退。
要は定期的に課金できるほどのコンテンツを提供するプレイヤー(以下CPと略)の絶対数が少ないのです。知名度があっても、定期的に配信できるコンテンツ力があるCPが少ない。知名度もあり定期的にコンテンツを配信できるプレイヤーは積み上げで儲かるかもしれませんが、事業者としてこのプラットフォームを運営するのはそんなに収益上がらないはず。メルマガ事業者はどこも手数料4割で、抜き過ぎだと思いますけどね。プラットフォームとして大した力もないと思うし。
ちなみ僕は「知名度はないけど、定期的にコンテンツを(辛うじて)出している」ので丸2年続けてこれて会員数が純減することなく、微増で生き残っている感じです。サロンやメルマガビジネスは「オワコン」とまでは言いませんが、事業者がすごい儲かる構造ではない。CPの構造は下記な感じ。
7gogoはAmeba芸能人ブロガーをどれだけ流し込むかが鍵
本題の7gogoを見てみましょう。冒頭のポジショニングマップにある通り、現状は課金もないからか、よりカジュアルな投稿をしやすい感じ。藤田さんの独り言や、藤田さんと堀江さんのトークを覗き見できますが、他にこれとったキラーコンテンツはあまり存在しません。
強いて言うならば、私のかつての友人である金山亜衣氏のファッションチェックのコメントがなかなか痛快で面白い点でしょうか。金山亜衣のファッションチェックは、ぜひ田端さんあたりも閲覧してお楽しみいただきたいですね。
しかし、社内ノリな感じですね。その社内ノリをユーザーは閲覧して楽しんでいるのかもしれないが。
7gogoについてUmeki Salonでネタにしてみたところ、nanapiのけんすうさんが降臨しまして「芸能人が出現すると強烈に集客できて、どんな広告媒体よりも費用対効果いいんじゃないか」という話が出ました。
サイバーエージェントはAmebaで大量に芸能人ブロガーを保有しているわけですから、それらを流し込めば一気にスケールする可能性がなくはないということです。それにしてもどうやってあんなに芸能人ブロガーを獲得したのでしょうか。そのプロセスは是非お聞きしたいものです。
現状でもAmebaの芸能人ブロガーたちは狂ったようにワンツイート以下の(分量の)記事を1日何本もupしてAmebaのPVに貢献しています。PVの伸びはたしかに広告換算で連動するかもしれませんが、芸能人ブログの「ような」コンテンツを課金に持っていくという視点はありというか金脈になり得ると思うんですよね。
PVで広告追うか、課金追うかのイノベーションのジレンマ
7gogoは現状は有料課金はないと思いますし、身内でできる範囲内で仮説検証しているフェーズかと思います。藤田さんのひとり語りでフォロワー約2,500人。僕もたまに見ていますが、生々しいtwitterという感じでしょうか。わりと面白いです。
7gogoのようなビジネスは最終的に課金に持っていきたいはずだと思うのですが、CPは無料ブログやtwitterなどと別のコンテンツを発信する必要(ないしは無料ブログやtwitterの内容を一部7gogo的なものへ移行していく必要)があります。どんなコンテンツがハマるのか探る必要がある。そこで一番近しいのはサロンのようなコンテンツかなと僕は自身の経験から考えました。
7gogoの立ち位置はちょっと不明だったので「?」としています。もしクローズドで課金に持ち込みたいのであれば、Umeki Salonの象限へ入ります。しかし、課金は時間がかかります。人気ブロガーが有料メルマガを開始するとブログのコンテンツが希薄化してライトな読者は減り、一部のヘビーなファンが有料メルマガに課金する流れになる場合が多い。
上記のサロン&メルマガポジショニングマップの第一象限「有名だが継続的に有料コンテンツ配信できない」層がけっこういて、そんな芸能人を多く抱えているのがアメブロであり、ここをどう換金するかに需要がある。
サイバーエージェントが事業として芸能人のコンテンツをアメブロから7gogoへ流して課金することを仮に考えるのであれば、課金で売上が立つのに結構時間がかかることを想定しながら(そんなことわかってると思いますが)アメブロのPVが下がるのを覚悟でやらなくてはなりません。それはAmebaの広告収入の低下を意味し、これだけの規模になるとそれなりの打撃はあるはずです。
僕のような弱小メディアだと、広告費など微々たるものですから、コンテンツを今までブログに一極集中していたものを、サロンにも投下して分散させることでブログのPVが落ちたとしても、中長期ではサロン課金の方が旨味があるのでワークするんですよね。
①:コンテンツを分散させて
②:ブログのPVが下がり
③:短期的に広告収益が下がり
④:それでも中長期で課金取りに行く
この判断は大手にとっては難しいイノベーションのジレンマだと思う。でも、これをサイバーエージェントが本当にできれば、ゲームに依存しない安定的な金脈を作り出せる可能性はあるんですよね。
現状の7gogoはキラーコンテンツも少なく、全然面白くないですが、事業単体としてみた時はこれだけのポテンシャルがある事業です。既にアメブロで芸能人をたくさん囲っているわけですから、他社よりも事業資産を活かせる優位性はあります。
あとはどんなコンテンツが7gogoやサロン的な箱に合うのかを見極め、それを文化として落とし込むかです。Umeki Salonにはサイバーエージェント社員が少ないので、競合調査がてら課金して研究してみるといいと思います。
とPRで終わっておきますか。
コミュニティ・コンテンツ的な課金といえばNewsPicksでもやりようによってはいけるかもしれません。現状の有料記事をアグリゲーションして月額課金で読めますよというのは僕は刺さりません。ぜひNewsPicksユーザーの皆さんも新たなコンテンツ課金の在り方についてコメントしてみてください。
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