メディア。というと範囲が広範すぎるが、一次コンテンツをキュレーションするグノシーのようなメディアやiemoのような一次コンテンツ自体のキュレーション性が高いメディアが注目を集めている。
今回はNEWZULUという市民が記事を投稿するCGMのニュースメディアを紹介し、その可能性を考察したい。尚、NEWZULUに関する情報提供はThe Startup Spring Jobで採用した方からいただいた。Crunch Baseにある企業を毎日紹介するブログzer0baseを運営している日詰さんからの情報をピックアップしました。
CGMニュースメディアは地方紙と相性がいいかもしれない
NEWZULUのポイントはメディアプラットフォームとしてCGMで寄稿を募集している点。個人の意見は個人のブログで書くか、僕でいえば東洋経済オンラインのように寄稿という形でメディア側と握って書くかの2パターンが主流。
NEWZULUは投稿内容の審査はあるようですが、個人がニュース記事を投稿してそれが掲載される感じ。大袈裟に言えば、市民が皆ジャーナリストになれるプラットフォームです。
BLOGOSとかYahoo!ニュース個人とか日本でも個人ブロガーが寄稿できるプラットフォームはありますが、掲載基準が既に自分の媒体や他の媒体で一定以上の知名度を獲得しているかよほど記事クオリティが高いかのどちらかだと思う。おそらくNEWZULUへの記事投稿の掲載は、そこまでハードルが高くないのではないかと思われる。素人が一気にスタージャーナリストになれる可能性の高いプラットフォームといえる。
しかし、どのようなジャンルのニュース投稿の相性が良いのか。専門的な意見もあるだろうが、現にNEWZULUのカテゴリーに「LOCAL」「CELEBRITY」があり、地元ネタとセレブのゴシップネタ(のパパラッチ)とかに需要があるのかなと思う。
CGMニュースメディアは運営コストを下られる点も魅力
オンラインニュースメディアは紙のメディアと異なり、アドセンスなどの広告が中心の場合はよほどPVを稼がないと儲からず、極力運営コストを下げたいと運営者は考えているはず。質の高い書き手を高単価で雇うか外部から寄稿してもらうか。クラウドソーシングを駆使して安価に廉価な記事を量産するかの二択が現状。
しかし、CGMは投稿者のインセンティブを上手くくすぐれば、コンテンツ獲得コストは無料。コンテンツ審査に少しコストはかかりますが、書き手を内製するよりは安いはずです。
クラウドソーシングを利用して安価に廉価な記事を量産するプレイヤーも増えている気がする(気のせい?)のですが、クラウドソーシングで数百円で集めてくる記事の多くはオリジナリティに乏しく、リンク数稼ぎにしか役立たないのでは。質の高い面白い記事は、クラウドソーシングからは生まれないと思います。CGMの方がよほど可能性があるなと。
NEWZULUのようなCGMニュースメディアは芸能人のスキャンダル投稿が増えそうで、イエロージャーナリズムなメディアになる危険性はある。様々な形のオンラインニュースメディアが勃興している中で、CGMでニュースメディアを作る。という発想はなかった。このアプローチでブレークスルーするメディアが一つくらいあってもいいと思う。
NewsPicksは記事に対するユーザーのコメントが付加価値になり、コメントユーザーの存在感が増し、スターコメンテーターみたいなのが出てきている。そういう人たちがコメントだけではなく記事も投稿していくようになると面白い。アプローチは少し違えど、記事を発信するプレイヤーが増えてほしいと思っている僕としてはNEWZULUのようなアプローチは好きですね。メディア論に敏感なNewsPicksユーザーの皆さんからのコメント、お待ちしてますよ。
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