愛しさと切なさと心強さと。というノリのつもりでした。今年は寄稿媒体を増やす戦略です。インキュベイトキャンプ5th優勝のサムライトを勝手にThe Startupインキュベーション採択した記事を昔書きましたが、そのサムライトがオウンドメディアアグリゲーションサイトとしてローンチし、オリジナルコンテンツを寄稿することになりました。秀逸なオウンドメディア事例やメディアのキーマンを取材して寄稿していく予定です。1本目は「素敵ビッチ」で有名な女性メディア、AMに取材しています。記事はこちら。
注:キャプチャ画像がAM編集部 featuring Umeki状態ですね。
サムライトの柴田さんは、月刊事業構想の「新規事業請負人」という連載でも取り上げさせていただいたり、彼のブログであるCyberTimesを相互リンクで本誌の右カラムに貼っているなど、仲良くやっている。つもりです。
そんな中、オウンドメディアのアグリゲーションサイトということで、柴田さんと「オウンドメディアとは?」みたいな話をFB上でしていて、お互いに若干解釈が異なったので、これは面白いねとなり、記事上で僕なりの見解を表明してきます。
オウンドメディアと企業ブログの違い
「オウンドメディアと企業ブログって何が違うんですか?」という質問をたまに受けることがあります。これ、すごく良い質問。
企業ブログは昔からあって、ここ最近になってオウンドメディアという言葉を聞くようになった。しかし、オウンドメディアの多くは記事コンテンツであり、形式上は企業ブログと大差ない。僕の解釈はこれ。
■企業ブログ
自社に関する情報のみ発信する
例:食べログ掲載店舗数、100万件突破■オウンドメディア
自社に関連する「ユーザーに役立つ情報」を発信し、見込みユーザーやクライアントを獲得する
例:東京ベストレストラン2013
食べログで適当に例を置いてみましたが、発想としてはこんな感じです。(注:ベストレストランはキャンーペーン的位置付けでしょうが)
通常の企業ブログはニュースリリースやプレスリリースをそのまま発信しているのに過ぎないことが多い。それらのリリースがダイレクトに顧客見込みに刺さり、顧客を連れてくることもある。一方で、オウンドメディアで発信するコンテンツは、そのサービス領域おいて、一見自社と関係性が薄くても、顧客見込みに役立つ情報を発信し、顧客見込みへの露出を高めていく。
一定のフリークエンシーを獲得した先のコンバージョンを狙う。
オウンドメディアはインバウンドマーケティングの下位概念と僕は解釈していて、インバウンドマーケティングのエバンジェリストである高広さんによると、BtoBサービスの方がインバウンドマーケティングに向く。これはオウンドメディアでその業界の最新の知見を発信したり、サービスを利用したクライアント事例をコンテンツとして載せることで、そのサービスへの理解が深まり、CVRが上がるという流れになるからだと思う。
企業ブログだと「提携しました!」「ユーザー100万人突破しました!」「キャンペーンやってます!」と押し付けがましいコンテンツで埋め尽くされ、どうでもいいよと読者に思われ、固定読者が付かないという流れになることが多いのではないか。「ブログ」として高い更新頻度で機能している事例はあまり多くないと思われる。
量は多くなくてもいいから、本当に見込み顧客(あるいはターゲット)に役立つコンテンツを丁寧に編んで発信するのがオウンドメディアの役割ではないかと思う。と、STO(Search Takahiro Optimization)を掛けてみましたが、降臨してくださるでしょうか?
採用目的のブログはオウンドメディアなのか?
柴田さんとの議論の中で「採用目的(と思われる)ブログはオウンドメディアなのか」という論点がありました。
Gunosyのデザインで知られるGood Patchが運営するMEMOPATCHではデザイン情報を発信し、デザイナーの採用に上手く結びつけているのではないかという説があります。同社の場合はUI専門集団で現状はサービスを持たず(開発中のようですね)サービスのPRにはなっていません。
僕が考えるオウンドメディアは自社サービスを持っていて、それを普及する手段として、SEOやリスティング、ソーシャルメディアに注ぐプロモーションツールとして捉えるという感覚です。採用に効くブログを作って、実際に採用に繋げるのは、採用コストを下げるという観点では素晴らしいのですが、サービスの見込み客を掴まえ、コンバージョンさせているわけではないので、オウンドメディアとは言い難いかなと思いました。
一方で、ショッカーが登場する謎のWantedlyブログですが、これはブログっぽい運用なのですが、バズらせることで閲覧者にwantedlyの利用を検討している企業の人事担当者や、求人探しにwantedly覗いて見るかという顧客行動を誘発させやすいため、秀逸なバランスのオウンドメディアといえると思います。うっかりショッカーの記事、全部読んじゃいましたからね。
今後オウンドメディアが増えていくことが予想されますが、単に記事を適当に作って乱発するのではなく、「誰に」「何を」伝えたいのかを考え抜いた上でコンセプト設計をし、コンテンツを考える必要があります。そのサービスを利用したり、サービスにまつわる分野の情報を発信して、「このメディアを運営している会社のサービスなら、使ってみてもいいかな」と思わせることができ、コンバージョンまで至れば勝ちです。
オウンドメディア設計と運用にはライティング力よりコンセプト設計や企画を考える編集者的能力の方が重要だと実務を通して感じています。
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