最近、企業が「ブログメディアを立ち上げる」的な話を耳にすることが多い。それで話を聞いてみたり、構想を見てみたりすると、上手くいかなそうだなと直感的に感じることが多い。
ブログメディアにおいて現在は2つのタイプが主流であると思われる。
1:アグリゲーション型(寄稿&転載、例:BLOGOS、アゴラ)
2:ライター内製型(例:Tech Crunch、The Startup)
企業が立ち上げるメディアとして、1のアグリゲーション的な発想が多いが、極めて安直だと感じている。コンテンツ作成を外部に頼っており、コンテンツプロバイダーがそのメディアにコンテンツを提供してもいいと判断するケースは下記の3つである。
1:原稿料がもらえる
2:著名媒体であればブランディング的に良いと考える
3:露出が増えれば何でもいい
私もいちコンテンツプロバイダーとして考えると1と2が満たされることがベストケースであり、私とこういう関係にあるメディアはエンジニアtypeなどである。この関係には全く文句の付けようはなく、win-winといえよう。
私とBLOGOSの関係は2である。転載ゆえに原稿料ももらえず、時にSEOで自社メディアの資産を毀損させられるというデメリットもありつつ、それでも転載を許すのはブランディング的な観点からだ。著名ブロガーたちと並列で戦い、PVを争う感覚は楽しくもある。
問題なのが、全く知名度がないこれから立ち上げるメディアが、原稿料ゼロで寄稿してくれというケースである。これを受けるのは3の「とにかく露出が増えればいい」と思っているケースである。そういうささやかなメリットでも受けてくれる心優しいライターも中にはいるであろうが、メディア側がこのスタンスでは質が高いライターを確保するのは至難の業であろう。
例えば、私にそのような依頼が来たとしても、知名度のないメディアに対して無料で寄稿するリソースがあれば、自社メディアでの記事数を増やした方が中長期のブランディングとして賢明な判断となる。
自分で運営したり、他の運営者を見ていて感じるのは、ブログメディアは気合いがないと継続できないということだ。2の編集者&ライター内製型メディアに携わる人々は、金銭だけじゃないモチベーションで続けているとしか思えない。むしろ金銭的なモチベーションでは継続できないだろう。純粋に書くことが好きだったり、読まれたとフィードバックをもらえることが好きなのであろう。
よって企業がPRのためにメディアをやらなければならない!お前、担当な!ライターとか適当に集めてきてとりあえず立ち上げろよ!的な発想のメディアは続かないと思います。編集長や書き手の想いとかがないと続かず、「やらされている」感じではダメでしょう。書くことに対して想いを持って継続できる人はさほど多くないと思うので、それだけで差別化できるのかもしれません。
なので中途半端にナメた発想でメディアを立ち上げると、中途半端な結果に終わって撤退することになると予測します。なのでこれから新規でメディアを立ち上げてライターをリクルーティングしたい方は、無料で寄稿してくれとか言わない方が賢明です。その時点でこのメディアは本気じゃない。伸びないなと感じますね。書ける人は最低限内製した方が良い。
結局は編集長やコラムニスト(ライター)の力量に依存するのがブログメディアの構造だと思います。最悪なのは刺さらない記事を生産し続けることで、その企業のブランディングを毀損させていくことだと思います。
市場の概況としては、中途半端なブログメディアがここ半年で現れては消えていくと予想しています。
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