今日はスタートアップのマーケティングについて考えてみたい。
まずはユーザー数10万人までの推移を3段階に分けて
10のチャネルの有効性を想定した下記の表をご覧頂きたい。
スタートアップといってもユーザー数別に細かいステージがあり
細かいステージごとのマーケティングを設計する必要があり
各ステージごとに最適な施策を打つことが最短でユーザー数を伸ばすことに
繋がるのではないかと思います。
3つのステージごとに各ステージでの有効チャネルを紹介しつつ
スタートアップのマーケティング戦略を考えてみたいと思います。
スタートアップのサービスはCPもしくはCGMのコンテンツ起点のものが多いと思いますので
今回は特にそこに絞った戦略であるとご理解頂ければと思います。
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■1. Seedステージ:Web業界イノベーター向け
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最初のステージで一番効くのは
起業家個人のブランドバリューだと思います。
よってスタートアップ業界という狭いコミュニティで顔が効いていることが
サービスの認知に大きく影響してきます。
twitterでいくら一人でつぶやいて頑張って宣伝しても
「誰がフォローしてくれているか」
「誰が応援してくれているか」
というのが重要な点であり
結局は個人のブランドバリューに依存します。
スタートアップ界隈のコミュニティというと
1万人というのは盛り過ぎた数字で
厳密に言えば1,000人、いやコアな人は100人くらいなのかもしれません。
ただそうしたコアな人は影響力&伝播力があるため
その100〜1,000人の人と面識を作り
自分のサービスを応援してもらうことは
後々のサービスの発展に大きく寄与していくだろうと思います。
コミュニティにまだ入り切れていなければ
国内ではSVSやStartup Dating、TCのイベントなどに顔を出し
とにかく業界のキーパーソンに顔を売れば
後々のサービスの発展に損はないはずです。
個人としての認知度を
元々の人脈やイベントを通してあげていくことで
テックメディアに取り上げられたり
一般メディアに取り上げられたりして
より広い層へリーチができます。
まずは顔見知りになれる範囲で顔見知りになり
Web業界のイベントによく顔を出す人にとっては
おなじみのスタートアップになるというくらいが
ユーザー数1,000-1万人を獲得するのに最適なマーケティングかもしれません
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■ 2.Series Bステージ:Web業界アーリーアダプター向け
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このステージがかなり難しいという話はよく聞きます。
ここでいう業界のアーリーアダプターというのは
メガベンチャーの普通のリテラシーくらいの社員が
ああ、聞いたことあるわ。知ってるかも。というくらいのレベルです。
業界イノベーター層のtwitterやblogをメガベンチャーの普通のリテラシー層はチェックしており
それをチェックして知った気になっている。という温度感が適切かもしれません。
せっかく知ってもらえたのですから
認知の機会を増やして認知から理解へ、そして記憶されるというプロセスに進みたいものです。
この辺の層へ有効だと思われるチャネルは
メルマガ、キャンペーン、一般メディア、FBリスティングあたりかと思われます。
メルマガは「いまさらかよ」と思われるかもしれませんが
リムーブ率が高く広告扱いされるtwitterの企業アカウントより
「情報がまとまっている」という点で優位性がある場合もあるかと思います。
twitterの視聴率とメルマガのCTRは比較すると感覚値的には同じくらいかなと。
しかし継続することでメルマガとtwitter企業アカウントは
ファンを獲得していけるかもしれません。
キャンペーンはユーザーを飽きさせないための仕組みというか
たまには思い出してね!的な要素が結構強いのではないかなと思います。
また、キャンペーン自体が面白ければ話題にもなります。
一般メディアは出続けることは難しいですが
雑誌やテレビなどネタはなんでもいいので
出続けることで1ヶ月に1度くらいはそのサービスを思い出すという効果や
フリークエンシーの向上により「そのサービス聞いたことある」という人が増えてくるかと思います。
スタートアップ界隈で一般メディアマーケティングが巧い。
というかそういうチャネルを持っていると思うのは
家入さんとか、リブリスの川崎さんあたりかなと思います。
個人ブランドが弱い起業家が持てるチャネルではないので
一般メディアというチャネルを持てるか否かは個人の実力次第といえそうです。
そしてFBリスティングですが
広告業界ではG/Yリスティングと比べてCPCが5-10倍くらいであり
費用対効果悪すぎでしょ。無理無理。的な発想の人もいるかと思いますが
(僕も一番最初はそうでした。)
考えてみりゃ普通のことなのですが
G/Yリスティングと比べ、FBリスティングはlikeへのCVRにもよるのですが
likeしてもらえれば従来のGのリターゲなどよりも
しっかりFBページを運用していればウォールで目につく可能性があるため
likeしてくれたユーザーの生活に自然にとけ込める可能性が高いかと思います。
成果地点を何とするかにもよるのですが
1likeとG/Yの1clickの価値が自社サービスにおいてどれくらい違うのかを
見極めた運用が鍵であると思います。
そしてFBの場合とGYの場合で大きく異なるのは
FBはサービスのブランドが最初のLPであり
GYの場合は1つ1つのコンテンツが最初のLPであるということ。
FBはブランドから流入してコンテンツはブレイクダウン。
GYはコンテンツから流入してブランドへボトムアップ。
イメージ感的にはそんなところかもしれません。
定量的に表しにくいFBリスティングの定性的な服次効果を見極めた上で
適切なCPC/CPAが実現されるかがKPIとなるでしょう。
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■ 3.Series Bステージ:一般アーリーアダプター向け
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ユーザー数5万を越えてきたあたりだと
さすがにWeb業界に何も関係ない人も取り込んでいかないといけません。
ここでネット広告の基本であるGYリスティングやSEOが効いてくるフェーズとなり
ロングテールで一般層のトラフィックを獲得してくる施策が効くフェーズとなります。
GYリスティング、SEOともにお金がそれなりにかかるため
このフェーズでは最低3,000万円前後以上のSeries Bが完了している必要があるかと思います。
Series Aでは毎月20万円程度の広告費でも結構しんどいはずです。
今までやってきた施策を併行して縮小&強化しつつ
GYリスティングとSEOで地道にロングテールを稼ぎ
一般メディアなどに2ヶ月に1度くらいずつ登場し
話題は提供し続ける。
テックメディアに同じスタートアップのサービスが4、5回も取り上げられることは稀で
大幅な機能リリースや増資の時くらいしかネタにしずらいので
一般メディアのチャネルを拡大できるよう努めることが推奨されます。
このステージではソーシャルでちまちまとマーケティングするのではなく
GYリスティングやSEOに予算を投下して
2次関数的にユーザー数を伸ばしにいく戦略がベストと考えられ
それに耐えうる広告予算の確保を
資金調達額や人件費との兼ね合いで計算しておくといいかと思います。
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以上です。
純広やアフィリは現代スタートアップでこの辺のフェーズでは
まだあまり必要ないかとと思い割愛しましたが
「他にこんなチャネルあるだろ!」と思った方は
是非ご意見頂ければ幸いです。