今週は旧知のGood FIndの伊藤さんの呼びかけで
「スタートアップの真実 」というセミナーでパネラーを務めてきたのですが
学生相手でクローズドな場ということもあり
パネラーたちのペナルティエリア内での暴走っぷりは内輪ネタながら面白かった一方
いくつかの重要な示唆もあったのでご紹介します。
セミナーでこんな質問がありました。
スタートアップに向いている人、向いていない人ってどんな人ですか?
僕自身はスタートアップに向いているかはわからない。
大企業に向いていないことはたしかだが
そもそも企業勤めが向いていない可能性が高い。
僕のことは置いておいて
スタートアップへの不向きを測る材料として
伊藤さんが後世のスタートアップ界のスタンダードになる
「ピザ面接理論」をセミナー中に世界へ初公開した。
*さすがスタートアップへ多数の人材を送り込んでいるだけありますね。
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■1. ピザ面接の正体
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面接官「この後、ピザを食べたいんですが、発注してもらえますか?」
こう質問を投げかけた後、どういう行動をとるか。
ピザ屋にすぐ電話して相談しながらピザの発注をするやつ
⇒スタートアップに向いている奴
カカクコムとかでピザ屋を比較して、メリットデメリットを比較して判断を仰ぐやつ
⇒スタートアップに向いていない奴
おそらく伊藤さんのメッセージはこうだ。
スピードがあって手足が動く奴:向いている
頭でっかちでスピードが遅く自分で判断できない奴:向いていない
これは一理あるなと思った。
*ただし番外編としてIBDの世界ではこういう雑用がよくありそうなので
ピザ面接は「ソルジャー力の判定」としても使えるかもしれない。
だがスピードがあって手足が早くても頭がない奴や
頭でっかちだったけど徐々に手足が動いていく
ということもあるだろう。
結論としてはスピードがあって手足が動く奴の方が
下記にも書くが判断と実行の累積経験により判断や実行の精度も上がっていくので
「ある程度の地頭」があれば
「ピザ屋にすぐ電話して発注する奴」>越えられない壁>頭でっかちでスピード遅い奴
となり、スタートアップへの適正の優劣ははっきりすると思う。
昔の僕は明らかに後者であり言い訳が多い人間であったように思える。
今でも後者の部分がないとは言い切れないのであるが
できるだけ前者になれるよう心掛けている。
鍵は「言われる前に先手を打つ」ことだ。
よくよく考えるとこのピザ面接はすごく単純なのだが
スタートアップへの適正の真理を見事についており
まさにコンサルでいうフェルミ推定的なものが
スタートアップでは「ピザ面接」になるであろう。
おそらく今後多くのスタートアップで「ピザ面接」が導入されていくであろう。
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■2. 僕が思うスタートアップに向いている人
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①事業への想いがある人
ファウンダーは勿論そうなのですが
事業に想いがある人は向いています。
事業への想いの総量がそのスタートアップの絶対値を決めるといっても
過言ではないかもしれません。
事業は人が創るものです。
事業は最初全然イケてなくても
「この人が言ってるんだからなんか手伝ってあげるか」
とか思わせられるかどうかって大事だと思います。
逆に想いがない人は想いがある人のマイナスになることも
時にはあるかもしれませんので
向いていないどころか、控えていただいた方が世のためでしょう。
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②スピードがある人
今回のメインの内容である「ピザ面接」でもわかることから
とりわけスタートアップではスピードが重要である。
僕が今まで見てきたベンチャー界隈で飛び抜けている人は
例外がなくスピードが早いと思う。
特にメールとか早いと思うんですよね。
何のスピードがというとトークは早口か普通かはそんなに関係ないんですが
判断と実行のスピードが早い。
事業というのは結局判断と実行の積み重ね。
多くの判断と実行を積み重ねていけば
勘所がわかって判断の確実性も上がっていくし
実行の際に気をつけるべきところもわかってきます。
ちんたらやってると判断と実行のPDCAの回数が減り
良い勘所をにたどり着くまでに時間がかかってしまう。
よってスピードがある人の方が成功確率が上がるのでしょう。
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③健全なマーケット感覚がある人
これは元VCをやっていたからかもしれませんが
非常識な発想は全然良いのですが
ん?それどうやって伸びるんだ?マネタイズは?的な
ロジックが悪い意味でanother worldへ飛ぶ人が少なくない。
スタートアップが成功するには
多くのユーザーを継続的に確保する必要があります。
僕が散々うるさくインフラと連呼するのはここに意味があって
いわゆるJust SAPのようなところは2~3年しかマーケットが持たず
当っても事業継続可能性が低いのではないでしょうか。
なので多くの人に必要とされるサービス。
そのマーケットがあるところで勝負しようという
健全なマーケット感覚を持っているかどうかというのは
重要なことだと想います。
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以上。
今日は一度記事がほとんど消えてしまっただいぶ萎えましたが
なんとか再起してもう一度書きましたとさ。
振り返ると今日の内容はかなり自戒が込められていました。