本誌では社会現象としてのCA女子に関して、今まで数回に渡り記事内で取り上げてきた。本日から放送開始のサイバーエージェントのTVCMではタレントではなく、なんとCA女子を起用してきている。新規事業のサービスのPRに30億を投じるとのこと。同時期にスタートするDeNAのcommが吉高由里子を起用してきたり、昨年のLINEのベッキーを起用したCMはサービス展開スピードに火を付けているなど、TVCMはネットサービスにおいて重要な施策の一つである。
本誌では記事内で「CA女子のアドネットワーク化」こそ推奨したが、TVCMに起用するまでは正直頭が回らなかった。自社の資産を有効活用した良い施策であると思う。本稿では「CA女子のタレント化」に際し、なぜこれほどまでに本誌がCA女子を押すのかをご説明しよう。
ちなみにCMでは本誌も驚愕のペナルティエリア内に踏み込んだ内容も見受けられる。このラインはセーフという認識で良いであろう。
CA女子はAKB48よりもさらに「手が届く身近感」がある
本誌ではCA女子とAKB48にいくつかのアナロジーがあると考えている。
1:ズバ抜けたトップアイドルがいるわけではないが「集団」として強い
2:少し手を伸ばせば届きそうな「身近な感覚」を覚える
3:ゆえに視聴者(ユーザー)は共感を覚える可能性が高まる
特にAKB48があれほど盛り上がった理由は、「身近にいそうな女の子」の「成長ストーリー」にオタクな男性だけでなく、女性も共感を覚えてファンが増殖していった。ファンと共にブランド(アーティスト)が育つという「withC感」があった点が大きいと私は思う(このような意見をどこかで見たこともある)
今回のCA女子のTVCMは「身近にいそうな可愛い女性」の訴求により、ユーザーが共感を覚え、サービスを使い始める。というシナリオはAKBとアナロジーのあるシナリオである。しかし、TVCMのワンショットで終わるのであれば「withC感」の演出は難しいであろう。
TVCMで終わるのか終わらないのか、CA女子のタレント化戦略の今後に注目したい。私がプロデューサーであれば、AKB48でいう「総選挙」のような数字で争そうような、DL数やDAUの推移で競うイベントを企画するだろう。その際にプロデューサーを全面に押し出し、プロデューサーを応援したいからサービスを使い始める。使い始めたら意外にハマる。というサイクルを作り出しても良いのではないか。
ちなみに、なぜ「CA女子」だけが人気を博しているのか。これは純粋にルックスレベルが高い母集団をCAが形成しているという事実に他ならないであろう。私がCA女子に注目しているのは、AKB48のようなモデルを一企業の一般社員が展開できるか否かに興味があり、それができるポテンシャルが十二分にあると踏んでいるからである。今回のTVCMはその試金石となるであろう。2013年はAKBからCA女子が人気タレントの座を奪う可能性も、今後の戦略次第ではなきにしもあらずであろう。
デカグラフ構想とCA女子タレント化戦略の整合性
2012年9月決算のスライド資料から上記をキャプチャしたが、今回のプロモーションはスマホの新規事業に関するものであり、コミュニティサービスとソーシャルゲームの二軸を取り、Amebaの利用ユーザーを増やす構想を「デカグラフ構想」といい、業界でも注目されていた。
スタートアップ界隈とカニバるようなサービスも多く、スタートアップ界隈からも若干注目されていたが、大きく異なるのはコミュニティサービスはサービス単独での収益目標をあまり追わず、主にDAUを最重要KPIとしている点である。言葉は悪いが、コミュニティサービスを客寄せパンダとして、ソーシャルゲームをキャッシュポイントにしたモデルである。
このデカグラフ構想の肝は「ブラウザベースでのプラットフォーム」という点にある。MobageやGREEのようなゲームプラットフォームや、iOSやAndroidというマーケットに依存しないプラットフォームの確立を目指しているようだ。他社のプラットフォームに依存することは危険であり、これは中長期的に見れば理に敵った戦略であるといえる。アップデートを必要とするアプリと異なり、ブラウザベースであれば運用でのPDCAが効く点がユーザーメリットがあるという意見もあるがこれも頷ける。
CA女子のタレント化はサービス活性に有効な施策であると本誌は考えている。もういっそ、AKBのカードゲームならぬ、CA女子のカードゲームとかがあっても面白いかもしれない。ガールフレンド(仮)という声優を起用したカードゲームが今回の新サービスに入っているが、たしかにちょっと萌える。しかし、身近な美女の声を使ったゲームの方がリアリティがあってむしろ人気が出る可能性もある。
CMだけでなくWoman typeにてCA女子の連載も開始?
今回のCMと連動してなのか、良いタイミングでwoman typeにてサイバーエージェント女子の連載が始まっているようだ。この企画と執筆者が誰であるのかは、ぜひ記事をご覧頂きたい。
【参考記事】
・2013年には若い女性のFacebook離れが深刻化する?:4つのコミュニケーションツールの今後の使われ方
・佐々木俊尚氏よりCA女子がWebサービスのプロモーション起点に最適な3つの理由
・なぜBBQを好む女性は多いのか?:CA女子曲線と共に考察する
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