キュレーションメディアは「コンテンツ起点」のマーケティングを意識せよ。

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「キュレーション」という言葉がスタートアップ界隈でにわかにヒートアップしてきている気がする。

2011年下半期は国内でキュレーションメディアが乱立してくることが予想されるが
既に若干乱立気味で、見せ方が違うだけで認識されていないキュレーションメディアも多数ある。
ブクペとかも僕からしてみるとキュレーションメディアだ。

今一度、なぜ「今」キュレーションといわれているのか、という背景と。
「キュレーションメディア」とは何か?
成功するキュレーションメディアの共通項となるであろうものは何か?
についてまとめておきたい。

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■なぜ「今」キュレーションなのか
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本ブログの読者であれば当然気づいているものだと思うが
この「ソーシャルの時代」により人が一日に触れる情報量が飛躍的に増大した。
私が理解できない「フォロー数1,000の人」とかは
全ての情報を追うのではなく雑多な感じを楽しんでいるとかいっていますが
プレ・ソーシャルメディア時代のゴミ情報の代表格であった「広告」に加え
ソーシャルメディア上に「ゴミ」がとてつもなく増えてきており
本当に自分が欲しい情報は何か?
偶発的にでも欲しい情報は入るが、もっと確実に自分が欲しい情報が手に入らないか?
と(心の中では)思っている。

莫大な情報を整理して再編集したり
切り口を変えて提供するなどということがこうした背景のものに求められている。
togetterの 1コンテンツ当たりのPVが高い要因はそうした背景がある。と思う。

そうした流れの元、日本では地震の時のソーシャルメディア上の
わけわからん情報に疲弊したユーザーたちが
「ソース元のしっかりした確かな情報を」と欲した出来事もあり
人々の中により「キュレーション的概念」を欲する流れが現状のトレンドである。と思う。

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■「キュレーションメディア」とは
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この定義、案外難しい。
旧来のオールドメディアで良い「キュレーションメディア」だなと私が思うのはブルータス。
今回の号は「朝食」を切り口に著名人の朝食紹介、朝食が食べられるカフェの紹介などをしている。
この切り口は面白く、「ブルータスらしい」なと思う。
ブルータスは毎号全くテーマが違い、テーマの切り口が 「ブルータスらしいか否か」で決まっているように見え
「ブルータスらしさとは何か」を常に追求している雑誌だと思う。

普通のファッション誌とかでも「〜系」でテーマは持って追求してはいるものの
何となく概念やコンテンツが「浅く」特に面白みを感じないのである。

この「浅い」と感じている所以は
「カバレッジ範囲が広すぎて深く掘り下げられていないこと」
「仮にニッチな領域だとしても切り口のパターンが読めていて新鮮味を感じないこと」
この辺にあるかと思います。

要はキュレーターのキュレーション力によるわけですが
一般化すると「ニッチ領域を深く多様な確度で掘り下げて様々なパターンで展開すること」
がキュレーションメディアの最低条件となるのではないでしょうか。

よってキュレーターは「何らかの分野」に強みを持たないとキュレーター足り得ないことに加え
その周辺分野においてであったり
その分野とその分野の組み合わせだったらあの人しか語れないね。的なところへ発展していきそうです。
*例:石原良純は一応芸能人だが天気予報士でもあり天気予報に詳しい芸能人NO.1である。

総合的な「just newsメディア」にはない
キュレーターの色が強く出るメディアや
特定のジャンルに特化してバリューを出しているもの
そういったものが「キュレーションメディア」になると思う。
「The Startup」は紛れもなくキュレーションメディアである。

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■成功するキュレーションメディアの共通項と流れ
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1.ターゲットがはっきりしていること
2.ターゲットに刺さるコンテンツ内容になっていること
3.メディアのコンテンツプライオリティが量<質となっていること
4.コンテンツがバズる仕組みができており、コンテンツ起点での導線を引いていること

TSに置き換えて考えてみましょう。

1.スタートアップに興味がある人
2.ターゲットが興味を持ちそうなネタをタイムリーにリリース
*リリースが出た即日か翌日に考察記事をupもしくは時代的なネタをたまにup
3.量が少なく質を重視
4.ターゲットが最もバズリやすい性質なため、何もせずにバズる場合が多々ある。

自分自身、TSを書いていて投下した労力の割にROIが非常に高いと思っています。
ROIが高いと思った根底の結果としては
転職の実現・スタートアップの経営者との個人的コネクション・スタートアップ界隈での認知度の向上
記事数は30記事、投下した時間は60時間には満たないでしょう。

この結果は当初の想定とは大きな乖離があり
はじめた当初は「ニーズがありそうだからとりあえずやってみっか。読者増えるといいな♪」
的なものでした。

実際のPV数、読者数は数字としては普通のブログと対して変わらないと思うのですが
(PVベースではほんと普通のブログ)
ターゲット層での認知度や上記の結果に至るCVRはわりと高いのではないかと思います。
4のバズマーケティングにおいて「たまたまターゲットが最もソーシャルバズマーケに適したターゲットだった」
とラッキーな側面もありました。

TSにおいてはたまたま続きでラッキーな結果が出たと私は思っていますが
1-4のいずれが欠けていても上記の結果は得られなかったと考えます。

よってこれからキュレーションメディアを立ち上げる方に関しては
上記の1-4、とりわけ1と4を強烈に意識して意図的な設計を
1〜4を上手く連動させることを意識して欲しいなと思います。
TSの場合はたまたま連動していましたが、とりわけ4はかなり難しいと思います。

リスティングやSEOの旧来的な外からサイトに誘引するマーケではなく
内部コンテンツを起点としてtwitterやFBで外に拡散していくマーケを
意図的に設計する必要があります。

ターゲット層がソーシャルメディアに強ければ
ある程度の導線があれば勝手に拡散されると思うのですが
そうでないものも結構あるかと思いますので。

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■キュレーションメディアこそコンテンツ起点のマーケに重きを置け。
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キュレーションメディアのマーケにおいてこそ
ソーシャルメディアプラットフォーマーの出番がありそうだな。
上記4において、そのキュレーションメディアに共感してくれる
ソーシャルメディアプラットフォーマーとアライアンスを組み
自社コンテンツを拡散して行った方が、下手にリスティングやSEOで金を使うよりも
PVが伸びてエンゲージメントも上がり結果的には良いかもしれない。

リスティングやSEOも軽視してはいけないと思うのですが
旧来のウェブマーケとソーシャルメディアマーケは
プロダクトの性質によってどちらに力点を置くのかは変わってくるでしょう。
キュレーションメディアはソーシャルに力点を置いた方が
結果的にはいいんじゃないかなーと思う。
幅広いユーザをロングテールで集めるよりは
少数の情熱的なファンを集めユーザーあたりのアクティブ率を高める
という観点がキュレーションメディアでは現実的だと思うから。
ECとも結びつけるならARPUがめっちゃ高いサイトを目指す、みたいな。

 


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著者(Yuhei Umeki)について

株式会社The Startup代表取締役。テック系ブログメディアThe Startup運営の他、複数のスタートアップ企業の企画面やライティング面の支援を行う。