イート系テイストグラフ「Retty」が満たすアンメットニーズと今後のポジショニング

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最近スタートアップ界隈では
アメリカのGrub with  usに近い「ソーシャルランチ」であったり
自分の行った店や行きたい店を気軽に共有できる「Retty」など
にわかに「ソーシャルイート系ベンチャー」が盛り上がっている。

インフラの中でも「衣食住」に関しては人間が根本的に必要とするものであり
衣服はzozotown、住はHomesなど
コマースや情報提供ではそれぞれの分野で足場を築いているサービスがある。

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■イート系webサービスの発展経緯
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古くはホットペッパーやぐるなびなど情報提供型モデルから
最近ではユーザーによるレーティングやレビューが行われるCGM型の食べログがブレイクし
外食ではなく家庭での食のレシピという分野でCGM型のクックパッドがブレイクし
外食クーポン購入では情報提供型+共同購買のGropon系サービスがブレイクした。
というのが〜2010までの経緯であろう。

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■外食系webサービスが提供してきた価値と食におけるアンメットニーズ
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情報提供型サービスがなかった時代
人々はおそらく飲食店を知る手段というのは
街を歩いていて見つけたりとか口コミとかでしかありませんでした。

情報提供型サービスができてからは、場所やジャンルで検索をかけて
なにかいいお店はないかね〜と探してみるようになりました。

ただ情報の洪水ではどこがいいお店なのかよくわからなくなり
他の人が「いいよ!」といっているお店だと信用できるんじゃ?と
食べログのようなCGMが流行ってきました。

ポータルサイトで「評判のいいお店」がわかるようになりましたが
その「評判」とはあくまで世論的なもので
自分とはテイストが合わなかったりとか
自分の知らない誰かのオススメがそこまで信用できるか?と疑問を持つ人も増え
投稿数の肥大化と共に食べログのレーティングは
自分にとってのレーティングと大きく乖離があるのでは?
と疑問に思う人も増えてきました。

時は2011年。
blog時代と比較して投稿のハードルがかなり下がり情報の回遊性がかなり上がったことにより
twitterやFBを通しての「個人の発信力」が強い力を持つ時代 になりました。

ポスト食べログ時代において
「自分と趣向性の合う顔が見える人のオススメの店を気軽に知りたい」
「自分が好きな店を顔が見える人たちと気軽に共有したい。食べログでレビュー書くのだるい」
このニーズを満たすサービスが「Retty」であり、大きなインフラとなる可能性があると感じます。

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■イート系テイストグラフ「Retty」
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2011年のキーワードの一つに「テイストグラフ」が挙げられていますが
このテイストグラフの肝と私が考えているのが
「シンプルさ」と「テイストの軸となる情報とその収集の仕方」
多くのテイストグラフ系サービスがtwitter/FBのテイストを引っ張って
そこからテイストグラフを算出しようとしているのに対し
Rettyは独自のプラットフォーム路線です。
一見、非効率に見えなくもないのですが
外食好きな人が気軽に投稿してくる質が高いRettyならではのテイストグラフが実現でき
中長期的に見れば正しいテイストグラフの作り方だといえると思います。

テイストグラフ系サービスを考えている人には
twitter/FBからAPIで引っ張ってくるのではなく
強烈なサイトコンセプトを元に独自のプラットフォームでテイストグラフを実現する路線を再考してほしい。
そっちの方がのちのち成功するんじゃないかな。。。
Get Gleeとかもそうじゃなかったけ?

またRettyの機能としては
「顔が見える相手とのテイストマッチ(食情報のgive & take)」のみならず
「行きたい店をログ化できる」ことはユーザーのアンメットニーズを突いており
かなりのニーズがあることが予想されます。
僕なんてumekismに「行ったことある店」のレーティングとか一覧で発表してますし
「行きたい店」に関してはEvernoteでまとめていますからね。。。

テイストマッチして「情報を認知する」そこで認知してすぐアクションに至る場合もありますが
それよりも覚えておいて利用機会にすぐに情報を思い出せる方が重要度が高くアンメットニーズでもある。
既存のぐるなびや食べログにお気に入り機能があったとしても
それはそのサイトにとってのメインの機能ではなくおまけにすぎず
サイト自体情報量が多すぎてとても見づらい。

Rettyが実現する「外食情報ループ構造」はこんな感じかな。
1.個人のテイストマッチによる外食情報のトラッフィク増
2.「行きたい」によるログ化による飲食店に行く機会があるのに情報忘れによる機会損失の低減
この構造の実現により良い外食店に人が多く集まり
「あ〜、あの店なんだっけな。うーん。」という不毛な機会損失を低減して
「気になる店にちゃんと行ける」というアンメットニーズを満たすサービスになると思います。

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■最後に・・・
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umeki界隈でも評判の良いサービスですが
「外食情報に対するフリークエンシー」や「情報提供数」を考慮すると
twitterのように日々TLが流れて行くイメージが持てず
「毎日見るサイト」になるかと思うと微妙かもしれませんが
ECのように「外食」にニーズがある時(週に一度くらい)は覗いててみようと思うサイトになるかもしれませんね。



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