「10万人に愛されるブランドを作る!」ライフネット生命保険のマーケティング手法図解

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3月にIPOを果たしたライフネット生命保険はマーケティングエクセレントな会社としても知られています。ライフネットといえば社長の出口さん、副社長の岩瀬さんの露出が多く、保険に興味のない人でも若いビジネスパーソンには広く認知されていると思います。

先日、ライフネットのマーケティングを手掛けられている中田さんが同社のマーケティング手法の概要を明らかにした「10万人に愛されるブランドを作る!」という本を出版されました。中田さんは英会話のGABA、スターバックスコーヒージャパンでマーケティングのキャリアを積まれた敏腕マーケターです。良書でしたのでそのレビューがてらライフネットのマーケティング手法に関してまとめました。

共感を生むライフネットのマーケティング施策

まずは本書から主なマーケティング施策をいつもの私の独自のマッピングでまとめまてみました。

かなり色々な、そして特色のある施策に取り組まれています。ライフネット生命の「生命保険は難しいという時代は終わりにしたい」という「プロダクトのコアバリュー」を元に、営業マンを持たないコスト構造による相対的な保険料の低減や原価開示などを行っています。

そして生命保険業界に革命を起こすような挑戦であることや、創業や創業者自身の経歴や起業経緯が「ユニークなストーリー」という付加価値を付け、ライフネットという商品をどう伝えるかという意識を社員に対して「インターナルマーケティング」でベースとなる解釈を図り、ブランディングの統一感を追求しています。

このようなベースに沿ってプロモーションコンセプトを「 顔の見える保険会社」として多様な施策を実施しています。このような「共感される要素(プロダクトバリュー)×顔が見えるプロモーション手法」により、共感を最大化していると思われます。施策の詳細は本書でご覧下さい。

秀逸なコンテンツを生む「借景マーケティング」

各施策の中で1つだけ触れましょう。耳慣れない「借景マーケティング」は言い換えると、「他社(メディア)とのアライアンスによるバズりやすいコンテンツの生成」といえるのではないかと思います。ライフネットの事例では「ハトが選んだ生命保険に入る」という記事がバズりました。生命保険のプロモーションというと、芸能人がCMで保険を勧めるなどの定型的なパターンが多かったのに対し、同じ保険でも切り口を変えて認知度を上げるという取り組みの代表事例といえるのがこの企画でしょう。

最近だと、ライフネット生命上場記念!出口社長におもしろいセリフを言わせてお祝いしよう!という企画もかなりバズって記憶に新しいです。
企画自体ははてなとのアライアンスのようですが、ネット上で話題の「私の年収、低すぎ…」のバナー活用など、時流に乗ったコンテンツ展開で注目を集めました。

普通の会社だとアウトになりそうな、ペナルティエリア内な企画だと思いますが、これが通って結果的にはライフネットの知名度は上がったでしょう。ネット上でも概ね好評なようでしたが、こうしたチャレンジングな施策に取り組める柔軟性は素敵だと思います。

ミクロな施策がロングテールのように効いてくる

上記のようなバズるオンラインでの借景マーケティングから、社長副社長が10名以上集まるのであれば行脚に赴くというゲリラ戦なオフラインマーケティングまで、実に多様な施策を仕掛けています。施策がミクロであればあるほど、ユーザーとの距離が近いため、共感を得られやすく、共感したユーザーがエバンジェリストのような存在になってくれることも多いようです。今はTVCMやマスメディアでの紹介もあるため、今後は下記のようなループで共感と認知を上げ、申込者数を増やしていくでしょう。

私がライフネットのマーケターなら…

ライフネットの様々なマーケ施策をみて「切り口の豊富さの重要性」を改めて感じました。私がライフネットのマーケターなら、バークハンバーグバーグによるオフィス訪問を提案したいですね。これもけっこう悪ふざけな感じで。すぐに思いつきそうなネタではありますがね。。。
今後もライフネットのマーケティング施策には目が話せませんね。



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