年収約1,000万円プレイヤーも誕生!Voicyでどのようなチャンネルがウケるのか?

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2ヶ月ぶりの投稿です。数年ぶり?に取材してきました。Voicyの緒方CEOに、Voicyについて色々とお話を伺いました。

Voicyといえば「声のブログ」とも呼ばれており、次のnote的なプラットフォームになる可能性を秘めていると個人的には思います。

個人的見解では、ワイヤレスイヤホンの接続時間が伸びていることで、音声コンテンツの需要が伸びていて、供給は音楽とradikoとYouTube程度しかなく、需給ギャップが大きいことから、音声コンテンツ市場が伸びると思っています。

私も2018年1月にアカウントを開設し、今まで75回ほど配信しました。最初は2018年1月〜5月に配信。正直、当時は訳も分からず、とりあえずやってみよう!というノリで、スタートアップネタと全く関係ない「全く役に立たないラジオ」という雑談をお届けしていました。noteやサロンと内容が被ると微妙だなと思ったためです。

実は直近の9回は1年ぶりに更新を再開し、SNSに全くシェアせず、7月にテスト配信していました。2019年9月10日時点のフォロワー数は約3,800名。

Voicy関連のTheStartupの記事は下記に貼っておきますので、ご参考までに。

・Voicyなど音声コンテンツの今後の可能性:リンク
・次のプラットフォームデバイスはVRではなくAirPods!?:リンク

Voicyに関して、その実情と、配信者側としてどう活用すれば良いか?という点が気になったので、その二つを中心にお届けします。音声コンテンツ市場と、配信者にとって少しでも役に立つ内容をお届けできれば幸いです。

目次
1.Voicyの現状:実は配信者は200名ほどしかいない
2.Voicyでウケるチャンネル3つのパターン
3.リスナーのVoicyの聴き方:実はアーカイブが強い
4.Voicyの3つのマネタイズ
5.仮説:Netflixの「シーズン◯◯」的なフォーマットで3ヶ月くらいでテーマを変えると良いかも

Voicy文字ロゴ

1.Voicyの現状:実は配信者は200名ほどしかいない

まずはVoicyの現状を整理しましょう。

サービスイン:2016年9月
MAU:数十万人
DAU:非公開
配信者数:200名(審査制で月間100人程度の申込みで2-3名程度新規開設)
トップ配信者のフォロワー数:約2.5〜3万

一番驚いたことは、配信者が200名程度しかいないことです。目視で数えてみたら、10日以内の更新が約130チャンネル。8月が最終更新のチャンネルが34チャンネルで、7月が最終更新の私のようなご無沙汰チャンネルは相当少ないことに、今更気づきました。

私は2018年1月に、Voicyが流行り出した際にたしか「やってみたい!」とツイートしたら開設してくれたとラッキーな感じでした。

流行した後は、開設申し込みが殺到したようです。

サービス自体は2016年9月にローンチし(TCの記事を読み返すと、興味深い)、私は2017年の夏には人気チャンネルの「ベンチャー支援家Kさんのベンチャーニュースで言いたい放題」を聴きながらランニングしていました。

最初はニュース系のコンテンツ中心で行こうとしていたようですが、必ずしもそこだけが正解でもなさそうだということで、柔らかいコンテンツの配信者を増やしていったとのことです。

配信者の審査には独自の基準があるそうで、単にインフルエンサーだからOKというわけではなさそうです。

一方で、チャンネルを開設したものの、あまり熱意が継続しなそうな配信者に関しては、双方合意のもとで途中でチャンネルを閉鎖してしまうこともあるそうです。配信者を闇雲に増やさない、という思想が垣間見えます。

2.Voicyでウケるチャンネル3つのパターン

ここは配信者視点でとても勉強になりました。パターン分けすると

1.習慣化
2.ファン化
3.必要性・便利性・ここだけの話

この3つのいずれか、ないしは2つを兼ね備えた配信者の番組が人気化しやすいそうです。

「習慣化」でいうと、毎日とか週数回コツコツ配信すること。

「ファン化」でいうと、単純ですがその人の声が好きだとか、普通にファンビジネス的な感じです。

最後の「必要性・便利性・ここだけの話」は、端的にいうと利益になるコンテンツかどうか。例えば、健康や美容コンテンツ。自己啓発もリスナーが利益と感じやすいようです。

一方の私がかつて配信していた「全く役に立たないラジオ」は幅広く雑談を話しているだけなので、「必要性・便利性」は正直あまりなかったと思います。ここだけの話感は少しありましたが。

例えば、経沢さんの仮想銀座高級クラブ「かほこ」とかは、270夜くらい放送してますから、かなりの回数で、習慣化されたリスナーもいるはずです。しかもファンも多そうですし、回によっては役にも立つということで、3つの条件に当てはまっており、ゆえに人気チャンネルになったのではないか。と思います。

あとは何かしらのコンセプトやテーマがはっきりしていたものが好まれやすいようです。自己啓発や健康、ナンパなど。

3パターンの中で言い換えると、「好き」は「ながら聴き」的な、なんとなくテレビつけとく的な聴き方ができる。「必要・便利」は「しっかり」聴く。リスナーによっては、繰り返し聴く価値がある場合もある。

なので配信者は、自分のコンテンツが「ながら」系なのか「しっかり」系なのかは明確に意識した方が良いかもしれません。

タイトルで釣りながら、具体的に「Aというチャンネルがウケているらしい」的なランキングは今回記事では紹介しません。

しかし、緒方さん曰く、Voicyのフォロワー数や視聴時間数のランキングは、Voicy外でのインフルエンサーの影響力順にはなっていないとのことです。

私が最初に取り組んだ2018年1-5月は、極力毎日配信しないとランキングから落ちそうな気がして、それが癪にさわるので意地で更新していた感が否めません。

そういうランキング至上主義の配信者は「プラットフォームサーファー」的な要素があり、Voicyとしてはそういう配信者よりも、地に足を着けてVoicyを愛してくれる配信者の方を大事にしたいだろうなあと感じました。

3.リスナーのVoicyの聴き方:実はアーカイブが強い

続いて、リスナーが「どのように」番組を聴いているか。

時間帯は朝よりも23時くらいから寝る前に聴くリスナーが多いようです。スマホを寝る前に見たくないとか、ドライヤーで髪を乾かすとか、そういう時間の方が、同じコンテンツでも朝の通勤時よりも長く聞かれやすいようです。

ちなみに私は、移動時間中か、集中する必要がない雑務中に聴いていました。ちなみに今は、集中する必要があるのですが、久々に経沢さんのVoicyを聴きながら執筆しています。

リスナーの回遊性ですが、最初にその配信者の何かの番組を聴いて、興味を持つと過去放送も回遊する傾向が強いそうです。しかも、最初の配信に遡って聴く人が多いというデータがあるようです。

個人的には、Netflixでテラハを見たらハマってしまい一気見するとか、漫画にハマり、一巻から全部読んでしまう。とかそういう感覚に近いのかなと思いました。

なので配信者からすると、過去アーカイブを綺麗にしておくことで、今後の新規リスナーを獲得しやすくなるとか、特に最初の方の配信を整備しておいた方が良さそうです。

新規配信とアーカイブ配信を比べると、アーカイブ配信もかなり聴かれているようです。

一方で、お気に入りのチャンネルの更新が止まってしまったとか、新規で聴きたいチャンネルを見つけられなかったという理由で、離脱してしまったユーザーもいたそうです。

4.Voicyの3つのマネタイズ

ビジネスとしてのVoicyを見ると、緒方さんにヒアリングした結果、下記のようなマネタイズパターンが判明しました。

1.配信者のタイアップ広告(レベニューシェア率は配信者取分50-80%)
2.法人チャンネル(野村証券・PRtimes・日経とか)
3.社内報チャンネル(社内マネジメント用SaaS)

現状のマネタイズパターンは3つ。まず配信者タイアップ広告は月額10〜80万円での受注実績があるそうです。月額80万円を年間取れば、1,000万円近くになりますね。レベシェ率は、広告主が配信者バイネームで依頼してきたか否かで異なるそうです。

法人チャンネルは200人の配信者に紛れて、日経とかマネックスとかそういう法人がチャンネルがあります。これが月額数十万円のようで、配信代行、コンサルなどいろいろなパターンがあるようです。

社内報チャンネルは初耳でしたが、一般ユーザーには見えない機能で、導入社の社員にのみ開放され、社内報的なチャンネルを月額数十万円で提供。大企業が導入し、社長や幹部の話を社員が聞けるようにしようという、社内マネジメント用に使われているそうです。手堅く儲かりそうですね。

この3つに加えて、緒方さんからは明らかにされませんでしたが、アーカイブ配信課金もあり得るなと感じました。

大抵、広告は番組開始時にスポンサー名を読み上げる形式をとるので、アーカイブ配信においてもスポンサーチャプターは無料で、コンテンツ部分は有料にすることで、スポンサーチャプターの再生回数は担保する。的なことができそうです。

5.仮説:Netflixの「シーズン◯◯」的なフォーマットで3ヶ月くらいでテーマを変えると良いかも

「芸能人はYouTuberに勝てない」と言っていた芸能関係者がいた。という話を緒方さんが最後にされました。

YouTuberは企画・出演・編集をすべて一人でこなせる場合が多い。たまに何かを外注することはあっても、基本的には演者がプロデューサーで意思決定権があります。一方で芸能人は「演者のみ」であり、企画も編集もできない。プロデューサーやディレクターの指示に従う場合が多い。

一人で完結するマルチタスカー(これは私の造語です)であることが、YouTuber最大の強みなのでしょう。

私はVoicyを再開すべきだと思っていても、なかなか良いフォーマットを編み出せず、「放送作家とかつけたほうがいいかな」とか外部リソースを借りる方向性も考えてみようかと思ったのですが、それは諦めて全てを自分で内製するしかないな。とこの話を聞いて思いました。

言い換えると、放送作家的スキルを演者である自分自身が持てないとダメということです。

そう、インフルエンサー事業とは総合格闘技で、マルチタスカーであることが要求され、ゆえにその市場で勝てた時は高い利益率を享受できるのです。

なので、基本的には一人で企画・配信をする。

Voicyにおける企画とは、例えば、3ヶ月間で1つのテーマの番組を作り、30回分配信するとか。その企画フォーマットを上手く作り込んで、その企画に合った広告主を連れてきてマネタイズする。

radikoのように配信開始から1週間は無料配信とし、過去アーカイブは課金で1配信100円とかにする。

私が仮に企画を作るなら「梅木雄平のリアル婚活(仮)」とし、出会いチャネルごとの実際の戦績や偏った?(と言われたw)恋愛観や、リスナーをゲストに迎えてデート中の様子を配信する。とかざっくり婚活や恋愛ネタに特化した番組にする。そしてPairsとかに広告主になってもらう。

Netflix的にいうと「梅木雄平」という番組の「シーズン1」が「リアル婚活」で、「シーズン2」が「港区女子と港区おじさん」とかそんな感じです。

後者だと例えば私がホストで、港区女子や港区おじさんをゲストに迎えてその価値観を聞いていく。とかだと、番組として成立しそうです。

ダラダラと同じテーマで続けても飽きてしまうので、スパッと20話限定!その代わり、自分である程度の企画の骨子を作って、極力クオリティを高めよう!とかの方が良いのではないかと。

理想をいえば、シーズンごとに配信チャンネルを変えて、カテゴリーごとに設置したいですね。コンテンツの引き出しの多さと、音声との相性が大事。

ビジュアルが強いもの。インスタ映え的な写真が強いものは、音声コンテンツとの相性が悪いです。一方で、自己啓発や恋愛結婚ネタはビジュアルイメージがなくても成り立ちますので、成立しそうです。

以上です。Voicyで年収1,000万円プレイヤーも既にいることがわかりましたし、どういった特性やジャンルの切り口がウケやすいかという特徴も少し把握することができました。

私も新チャンネルというか、シーズン3的な企画を作って(一応、シーズン1とシーズン2は過去ログで終わったつもり)またVoicyを早めに再開したいと思います!

梅木のVoicyチャンネルはこちら



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