noteのウメキワークスにほとんど移行してしまい、ほとんどTheStartupで書くことがなくなってしまったのですが、イベント記事はこちらで書いていきます。またもB Dash Campの季節がやってきましたので、恒例の?ピッチアリーナの予想記事です。
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前回の2019年春のピッチアリーナでは、本戦出場7社のうちTS予想は5社的中でした。1社は北海道枠で忖度して選出されてる感が正直あったため、実質6社中5社の的中です。よって、的中率は悪くありませんw
☆TheStartup予想()内はサービス名
優勝
Boulder(well):エンプロイーサクセス本戦進出
Anyflow:SaaS型iPaaS
Antway(つくりおき.jp):DINKS向けフードデリバリー
estie:オフィス賃貸探し
スペースエンジン:マケプレ(メーカーと小売)
tsunagu AI( FRONT-END.AI):開発(AIでフロントエンド)
(一応、招待制ページのようなので、リンクは控えました)
予選出場は16社あり、骨が折れますが、サクッとご紹介します。
TheStartupが本戦進出すると予想する6社
☆Anyflow
https://anyflow.jp/
領域:SaaS型iPaaS
投資家:Coral Capital
調達額:2,000万円
UW評価:A
参考記事:リンク
梅木:プログラミングなしで、複数のSaaSをつなぎ込めるサービス。iPaaSという言葉に慣れない方向けに単語の定義を紹介すると
iPaaS(integration Platform-as-a-Service)は、クラウドデータとアプリケーションのホスティング、開発、統合のための管理ソリューション
とのことです。SaaSが普及しすぎて、社内でSaaS使うのが面倒になっているはずで、SaaSの使い勝手を良くしてくれるSaaSという感じ。
需要バッチリということでウメキワークス(以下UWと表記)でも余裕でA判定でしたが、インキュベイトキャンプでも優勝しています。にも関わらず、調達がCoralから2,000万円だけという点は気になりますが、Coralが割と緩めな条件にして、選ばれた可能性があるかもしれないなと感じました。
☆Antway / つくりおき.jp
https://www.tsukurioki.jp/
領域:共働き世帯向けフードデリバリー
投資家:ニッセイ
調達額:5,000万円
UW:B
梅木:各4名分ずつで、週3食で7,200円、週5食で12,000円。
フードデリバリー自体は国内の少なくとも私の周りではUberEatsは定着していますし、実際に毎食作るって時間対コストが見合わない。都心のDINKSにとっては、需要があるサービスと見ています。
サブスク要素もあるため、広告効果が普通のECより高めで、エコノミクス的には下記のような感じを想定します。
平均ライフタイム:3ヶ月、週3食
LTV:7,200円×12回=8.64万円
初回購入CPA:感覚値だけど2万円は切りそう
きちんと広告費を投下し続けられる体力があれば、十分リクープする構造に見えました。
☆Boulder / well
https://well.b-boulder.com/
領域:HR(エンプロイーサクセス)
投資家:ジェネシア・ベンチャーズ、佐久間衡氏、佐藤裕介氏
調達額:6,000万円
UW評価:A
参考記事:リンク
梅木: エンプロイーサクセスプラットフォームと聞いただけで、イケる!と感じました。文脈的にはモチベーションクラウドとかの延長にある領域な気がします。
アンケート不要でslackのデータをもとに従業員や組織の状況を可視化。個人的にはウイニングイレブンなどで選手の調子が5段階表示でわかるのですが、ああいう感じで従業員の調子が可視化されるとか、面白いよなあと。
従業員の状態を把握して、最適化したマネジメントをした方が成果が出るのは当然なので、このwellを使わない理由がないように感じました。
☆estlie
https://www.estie.co.jp/
領域:不動産(オフィス探し)
投資家:UTEC
調達額:1.5億
UW評価:なし
参考記事:リンク
梅木:完全に見落としていた案件。オフィス探し版SUUMOを謳っていたそうで。オフィスに関してはよくスタートアップが引っ越す際に「居抜きで借りませんか」的なFacebook投稿を見かけますね。敷金も6ヶ月とか1年分の場合もありますし、動く金が巨額の割には、適切なサービスがなかった印象。
記事によると「大手オフィス仲介会社の過半数がestieに参画」とありますし、類似サービスをあまり思いつかない。動く金額が大きいので、それなりのGMVにもなる気がします。UW的にはB判定ですね。
☆スペースエンジン
https://spaceengine.io/
領域:マーケットプレイス(メーカーと流通)
投資家:個人
調達額:4,200万円
UW評価:なし
参考記事:リンク
梅木:店頭で商品を販売したいメーカー・ブランドと新しい商品の販売を希望する店舗をつなぐ卸・仕入れのマーケットプレイス、とのこと。
メーカーと流通のマッチングサービス。
記事内に記載があるが、サプライヤー50%、スペースエンジン15%、小売店舗35%のレベシェア率。
サプライヤーは販路を広げる、小売は商品のソーシングになる。ということで、単独で販路広げたりバイイングするより、こういうマケプレがある方が効率が良いと思います。
トラクションがスペースエンジン経由の販売が1,000個程度というのが気になりましたが、ポテンシャルはある領域に思えたので、本戦進出と予想。
☆tsunagu AI / FRONT-END.AI
https://front-end.ai/
領域:開発(AIでフロントエンド)
投資家:NOW、ディップなど
調達額:数千万円
UW評価:なし
参考記事:リンク
梅木:こちらも見落としてました。私、非エンジニアなので、このサービスがどれくらいの精度でAIで開発できるか、全然わからないんです。。ですが、AIで開発の一部ができるなら、コストダウンになって良いのでは…?と思います。
詳細がわからないのですが、ぶっちゃけ消去法的に「ここが良ければ価値がある」と判断し、本戦進出予想。明らかに本戦は難しいだろうなという案件も多い中で、この企業は不確定要素が多くて、アップサイドに賭けました。
本戦進出しないと予想する10社
☆ビスポ
https://bespo.tech/
領域:飲食店予約
投資家:LINE Ventures、KSK Angel Fund
調達額:1億前後
UW評価:C
参考記事:リンク
梅木:食べログのネット予約を使わないとスコアが3.0になった!と騒いでいる方のサービスですね。私は食べロググルメ著名人というのをやっていますが、この辺のことはよくわからず、代理店営業がかなり粗相をしている印象はありますが。
LINE内でAIで質問に色々答えて予約できるお店を提案する予約サービスですが、私はターゲット外だと思うので判断しづらいです。omakaseで行きたいところだけ取って、レストランの予約に自分の予定を合わせるユーザー行動なので、ビスポのUXとは真逆なのです。
しかし、私のような人がマイノリティであることは知っているので、自分のユーザー行動と合っていないから微妙。という気はありません。ただ、一休や食べログでも予約できる中で、LINEのAIチャットでの提案がそこまで優位性があるように思えません。
実際にLINEフレンドに追加して使ってみましたが、普通に食べログで検索条件入れて探すのと、多少クリック数が少なくて済むかもな。程度の価値に思えます。よって、さほどイノベーティブなサービスではないですし、LINEプラットフォームに依存しているため、グロースしづらい気がしています。
☆bunch
https://bunch.live/
領域:ゲーム
調達:不明
梅木:ソシャゲです。プレイしてみました。プロフィール設定から先になぜか進めないwww UX以前の問題ですね。真面目にやってくれ。論外。
☆LEAPBRAIN / cookpy
https://cook-happy.com/
領域:クラウドキッチンプラットフォーム
調達:不明
梅木:初見案件。ククピーと読むらしい。レストランを1日から開始できるという、クラウドキッチンプラットフォームですね。
実態としては不動産の場所貸しでの手数料収入が主力と思われるので、GMVがグロースしないと利益が出ません。数日だけレストランをやりたいという需要はさほど多くはないと思います。実験的にやりたいというユーザー(スペースの借り手)いそうですが。
UberEatsなどのグロースでクラウドキッチンが熱いというのはわかりますが、クラウドキッチン的なレストランを複数持ってUberなどでマーケしてグロースすると、従来の席数固定の構造よりも利益率が高まりそうだねという話であって、ロングテールでワンショットのこの手のマッチング(レストラン開いてみたい人とクラウドキッチン)を積み上げるのは筋が良くないかなと。
何かしらで調達記事を見かけた場合、D判定にすると思います。
☆トークンポケット
https://tokenpocket.jp/ja/
領域:Dapps
調達:不明
参考記事:リンク
梅木:正直情報が少なすぎてよくわからない。プレゼンを聞けば本戦進出予想に入るかもしれませんが、イーサリアムの価格も低迷していますし、Dappsは当初の盛り上がりほど、現状は盛り上がっていないと感じます。Dappsやトークンのウォレットという理解。で合ってますかね。
将来的にはどうなるか予想しづらいですが、今現在の風潮でいうと、審査員のウケは悪いんじゃないかなと。
☆airRoom
https://air-room.jp/
領域:家具(シェアリング)
投資家:オークファン、F Ventures、名古屋テレビ・ベンチャーズ、コロプラネクスト、Japan Angel Fund
調達額:1億円
UW評価:C
参考記事:リンク
梅木:家具のシェアリングで、サイトを見ると月5,000円でソファ借りれますとか、そういうのがあります。家具のシェアリングはC向けよりB向けの方が立ち上がりが早いらしく、バチェラーのCLASとかはBに力を入れています。
Cの家具シェアリングは文化がないので、啓蒙フェーズということもあり、広告効率がかなり悪そう。おそらくD2Cではなく、家具をどこかから仕入れてレンタル販売のため、原価率も低くない。
エコノミクス合わなそうなので、UWでC判定としていました。その判定は継続中で、本戦進出はしないかなと。
☆ロジレス
https://www.logiless.co.jp/
投資家:500 Startups Japan
調達額:5,000万円
UW評価:D
参考記事:リンク
梅木:調達時は「HPが謎」とUWでボロクソに書いていたのを確認したので、HPは見やすくなった模様。UWでも当時書いたのですが「オープンロジと何が違うのか」がよくわかりません。資料までDLして読んだんですが。読解力不足かな。。
ライザップとかが導入していますが、想像するにスモールECよりもミドル以上のECが複数の倉庫拠点を自前で持つのが大変なのでロジレスに委託して、ロジ周りの生産性を上げましょう的なイメージに思えました。
オープンロジがどれくらい倉庫拠点を持っているかHPから不明ですが、倉庫拠点数が価値になるのであれば、ロジレスもワンチャンあるかもと思うようになりました。
☆ラックベア /タテカン
https://tatekan.work/
領域:不動産スキルマッチング
投資家:不明(VCではない)
調達額:5,000万円
UW評価:なし
参考記事:リンク
梅木:不動産オーナーと、清掃や草刈りをやってくれるCをマッチングするサービス。うーん、オーナーからするといちいち個人に発注するより、管理会社に一括で任せたいと思うのですが、そうでもないのでしょうか。。
GMV手数料型のサービスかと思いますが、不動産オーナーの多くは高齢者でネットに弱そうですし、面倒くさがりでしょうから、やはり個人にイチイチ発注することは考えにくい。。需要が弱そうに思えます。
☆oshidori
https://www.osidori.co/
領域:夫婦向け家計簿アプリ
投資家:ワールド・モード・ホールディングス、京銀輝く未来応援ファンド2号インフキュリオン・グループ、グロービス・ベンチャー・チャレンジ2号
調達額:5,500万
UW評価:D
参考記事:リンク
梅木:家計簿アプリですが、マネーフォワードがグロースしている中で、私はマネーツリーユーザーです。
UWでも同じことを言っていますが、家計簿アプリまで夫婦で共有したいと思うだろうか?家計簿アプリというさほど大きくはない市場において、夫婦というセグメントを切って、さらに「家計簿を共有したい夫婦」とまで絞られると、市場規模がかなりしょんぼりな感じではないでしょうか。市場狭っ!という印象です。
夫婦間でお金のやり取りをしやすいとか、目標貯金という機能は良いと思います。ですが、そもそも離婚率も高まっている中で、牧歌的に家計簿をクリーンに共有したがる夫婦というのは、地方のお気楽な人たちだけな気もします。市場規模狭すぎますよねということで、本戦進出はないという予想。
☆tippsy
https://www.tippsysake.com/
領域:EC(日本酒)
調達:不明
梅木:海外向けなのか、英語サイトしかありません。US向けのようですね。サブスクもありますが、普通の日本酒ECです。
日本酒はグローバルで見てアップサイドのポテンシャルがあることは理解できるのですが、グローバルでの日本酒の検索クエリのボリュームと、単価の割にCPA低くなさそうなので、単純にエコノミクス合わない印象です。
しかも米国拠点となると、送料も高いでしょうから、日本酒の平均販売単価が50ドル程度で、それの送料に20ドルとか払いますかね?この辺の感覚はわからない。ただの日本酒のECで、それ以上でもそれ以下でもない印象。
☆ウェルネス
https://wellness.jp/
領域:ヘルスケア(パーソナルドクター)
投資家:インキュベイトファンド、佐竹義智氏、中島聡氏、藤岡大祐氏、複数の医師
調達額:3,500万円
UW評価:C
参考記事:リンク
梅木:パーソナルドクターという概念ですが、私はパーソナルトレーニングを今年から始めて週1,2回で10ヶ月ほどで10kgと体脂肪率10%落とし、80万円近くトレーニングに支払いました。これから「パーソナルコーチング」もコトリーから習い、それも50万円ほど。
パーソナルなんとか、の方が明確な成果が出るため、多少コストが高くても構わないという感覚はあるのですが、ウェルネスのサービスは予防医療的なサービスで60分4回16.8万円からというものですが、いくら健康オタクが多い富裕層でも、この概念を理解するのはまだ少し時代が追いついてこない気がしました。
あとビジネスとしてみた時に、4,8,12回のプランがありますが、それ以降は継続するものなのかどうかという継続率が非常に気になります。
パーソナルトレーニング市場はそのジムにもよると思いますが、ライザップのような急激に落としてリバウンドするという強引な手法ではない場合、頻度を下げて継続する(例:週2から週1に)場合もあるので、案外LTVは高まりやすいと感じます。私も目標体重や体脂肪率はクリアしていますが、維持やもう少し方向性を変えようかな、などもあるため週1で継続中。
パーソナルトレーニングの梅木実績を試算すると
単価:1回1.2万円
月2回の時期:7ヶ月
月1回の時期:8ヶ月目以降
通う期間:2年と仮定
LTV:(1.2×8×7=67.2万円)+(1.2×4×17=81.6万円)=158.8万円
ジムによってCPAは違うでしょうが、仮にもう少し平均ライフタイムを短く想定しても、LTVで70-80万円は取れると思うんですよね。
予防医療は富裕層や高齢者の方が興味を持ちやすいので、本戦の審査員ウケは良さそうですが、予選の審査員受けが良いかは怪しいところです。パーソナルトレーニングほどのライフタイムにもならないでしょうしね。本戦進出と悩んだのですが、見送りました。私が50代だったら受講したでしょうね。
以上です。どれくらい的中するか楽しみですね。審査員の方々は、私の評価に流されず、フラットにご判断くださいw
B Dash Campの記事はTheStartupで更新しますが、noteのウメキワークスは頑張って月7-8本出してますので、ご覧になってない方は宜しくお願い致します!