B Dash Camp2019Springのセッションです。
ネット企業の成長はどこに向かうのか?という、かなりざっくりしたお題のセッションですねw
スピーカー:敬称略
佐藤光紀(セプテーニ・ホールディングス)
真田哲弥(KLab)
堀江裕介(dely)
國光宏尚(gumi)
舛田淳(LINE)モデレーター:
渡辺洋行(B Dash Ventures)
セッション内容の一部をご紹介。
プラットフォームはどうなる?
Q:GAFAとどう向き合う?
真田:海外の企業は日本法の規制から外れていたり納税の問題などがあり、同じ条件で戦えるように新経済連盟がロビー活動をしている。プラットフォーマーと審査と課金が一体化していて、独禁法の問題がある。
渡辺:簡単にいうと、Apple税の問題。
真田:考え方によっては30%は高くはない。中国だと50%という場合もある。決済手数料だけなら数%であるべきだが、マーケティング手数料で10%とかなら高くないと感じる。App Storeでのフィーチャーなど。
国光:マーケティング費は広告費として取れば良いのではないか。
真田:僕はGoogleさんとAppleさん大好きですよ!(笑)
国光:もしLINEがプラットフォーム手数料取るならいくら?
舛田:我々はimodeで育っているので…15%とか?
真田:垂直統合にとって変わるのは水平統合になるので、誰かがそれを仕掛けるしかない。あるとしたら、HTML5のクラウドゲーミングが横切りのものとしてあり得るのではないか。
中国プラットフォームの可能性
Q:プラットフォームってなんなの?日本から生み出せるの?
堀江:日本から新しいプラットフォーム出るのはなかなか難しいのではないか。国産SNSが出ると、国から出会い系の温床になるとか言われたりする。LINEは韓国資本だったのでやりやすかったのではないか?
舛田:結構言われましたよ。丁寧にやっただけです。2010年頃はプラットフォームになろうという議論がたくさんあったが、最近はどう使うかという議論が多い。日本からもっとプラットフォームは生まれてきて良いと思う。
佐藤:ハードウェアやOSが変わるタイミングじゃないと、プラットフォームが変わるのは難しいのではないか。変化のタイミングはどこかで来る。中国企業は米国のエコシステムがなくても、中国エコシステムで完結するかを米中貿易摩擦の中で試している。
(中国関連の話は国光さんのために掲載を自粛しました)
舛田:中国のOSができると、米国と中国の二つのインターネットができるので、二重コストになる可能性がある。
梅木追記:言い換えると、米中貿易摩擦によりGoogleApple以外の中国のOS(プラットフォーム)が生まれて来る可能性がある。中国企業はGAFA以上に手数料が高く、80-90%の手数料率の場合もある。
(LINEの国別の伸び率の理由の話は念のため掲載を自粛しました)
耳のデバイス、音声プラットフォームが熱い?
Q:プラットフォームどう変わるか
堀江:VRやARより音声デバイス、BlueTooth系が伸びていて、ここのアプリができてくるのではないか。画面見てるよりも、耳で通信接触の時間の方が多いのではないか。耳のデバイスや、音声サービスが伸びるのではないか。
国光:AirPodはVRなどのシンプルな入り口という理解。将来のARグラスに向けた一歩だと思う。
渡辺:ARは時間の置き換えだが、耳は隙間時間になる。
舛田:2018年後半くらいから、音楽以外の音のニーズが世界中で出てきている。
堀江:スマートスピーカーもpodcastも日本は普及率が低い。
舛田:スマートスピーカーで使われているのは、家電操作系と音楽。2018年から音楽サブスクは日本でも伸びてる。この二つが伸びてこないと、スマートスピーカーの価値が出てこない。スマートスピーカーの普及は、米中と比べると日本は1.5年くらい遅れている気はする。
佐藤:YouTubeのバックグラウンド再生で、仕事中に音声のみでYouTuberを聞いたりする。YouTuberに聞いたら、勤務中のYouTubeの再生時間が多いらしい。Airpodsで付けっぱなしで良いかなと感じている。常時外さなくて良いかなというくらい、デバイスとソフトウェアが一定の水準を超えていると感じる。
梅木見解:Airpodsのユーザーは街で見ても増えてると感じるし、たまに付けているのを忘れてしまうほどシームレス。たしかに、音声関連でスマートスピーカーではないAirpods最適のアプリとかが出てくると流行りそうである。
今後はネット企業もオフラインに進出していく
Q:オンラインの成長は限界か?広告だけでは食べていくのは難しい?D2Cとか。
堀江:孫正義が「GAFAは可愛いと思っとけ」と言っている。GDP比で見ると広告はカスだ。GDPの80%がオフラインで、そこに手をつけない奴は馬鹿だ。ニュースは国内だと1,500万MAUが限界。そこはスマニューとグノシーがやりきった。5年後のメディアは、広告費とサブスクが同じくらいの比率にならないと厳しい。
佐藤:米国ではデジタル広告の転換率が20%で米国は50%でまだ差分はある。まだ数兆円のアップサイドはある。オフラインの消費体験を、オンラインとどう混ぜていくのか。顧客層がインターネット村ではない広告主へと変わってくる。インターネットの会社も、店舗を持ったりなど、オフラインに染み出していく。
堀江:AmazonGOが参考になる。オンラインの情報をオフラインに持って行って、ダイナミックプライシングにするとか出てくるのではないか。
国光:ネットで完結する方が利益率高い。絶対儲からないよ!
舛田:世界は変わっている。社内では、オンラインを(オフラインが)超えろという話をしている。
真田:オンラインはwinner takes allしやすいが、オフラインはそうではない。AIやIoTによって、リアルの世界をオンラインに取り込める機会が増えている。
渡辺:今から勝負するスタートアップは、オンラインよりオフラインの方が多い。
国光:俺はジャーナリストとしてこれだけは聞いておきたい!決済の戦いはどう見ているか?儲からなくないか?
舛田:明日のセッションをお楽しみください。
梅木感想:いろんな話を聞けましたが、個人的には音声プラットフォームがVRより先に来るという点が一番印象に残りました。シリアルアントレプレナーのあ◯たん氏がこの領域でサービスを仕込んでいる(すでに出している)そうですね。
あと国光さんは経営者よりジャーナリストの方が向いてそうですね。VRは一体いつくるのでしょうか…w