モメンタム投資で覚えておくべきこと:鍋の中のカエルに注意し、宝くじは買うな!

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ここ半年ほど、投資関連の本を読む機会が多いです。暗号通貨投資のみならず、株式投資も最近しているので、普通に勉強ということで読んでいます。

投資本はかなりボリューミーなものが多いので、睡眠薬となることも多々あるのですが、せっかくなので学びをまとめていきたいなと。本日は、ウォール街のモメンタムウォーカーをご紹介。

前提として、この手のボリューミーな投資本は古い書籍であることが多いのですが、本書は「2017年10月」発売で、比較的最新のデータを元にした話であります。

4,000円台の本ってそんなにないですよね。かなりのボリュームでしたが、いくつかの学びをご紹介。

まず「モメンタム」の定義ですが、本書の序文ではこう記載があります。

実際には、過去の価格変動に基づいて将来の期待パフォーマンスを予測することはできる。これを称して「モメンタム」という。(中略)「強いものを買え」ということだ。

ちなみに「モメンタム投資」でググると、皮肉にも最近うざいな(笑)と思い、ミュートした広瀬さんの記事が出てきました。一部抜粋。広瀬さんのこの記事は、モメンタム投資を把握する上で、一読に値しそうな内容でした。

モメンタム投資とは、現在の株価のトレンドが継続することを想定した投資ストラテジーです。ここで大事な単語はトレンドです。トレンドとは傾向という意味です。

参考記事:15分でわかるモメンタム投資

本書はモメンタム株について主に書かれたものだが、比較に際してバリュー株企業と成長株企業という概念も登場する。

成長株企業:ファンダメンタルズに対して株価が高い会社は良いニュースをそのまま将来に当てはめ、株価を本質的価値以上に釣り上げる傾向がある。

バリュー企業:ファンダメンタルズに対して株価の安い企業。成長株の逆で、本質的価値以下に釣り下がる傾向がある。

この前提の元、本書の中で、これだけは押さえておくべきだ!という理論を下記にご紹介。

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鍋の中のカエル理論と注意力の限界

激しい上昇:株価がいきなり100%上昇すると、この急上昇した銘柄は投資家の注目を集め、ほぼ適正価格に戻るのが普通

徐々な上昇:株価が徐々に上昇して、最終的に100%上昇すると(水温が沸点まで徐々に上昇する)と、投資家はあまりこういった株価の動きに注目しないため、株価はファンダメンタルバリュー以下の価格になる。

これを「注意力の限界」と言う。

これが過去データを元にした傾向らしく、恥ずかしながら、知りませんでしたw

「注意力の限界」仮説から、徐々な上昇に対する反応を言い換えると、投資家は継続情報に過小反応する傾向がある。

また、小型株はアナリストがカバーし切れず、機関投資家が入りにくいことからも、注意力の限界から、ミスプライシングが生じやすく、結果的にモメンタム利益が最大化されることもあるそうです。

「激しい上昇」の銘柄を、日本のネット株を例にすると、イグニスあたりまさにそれを体現したチャートになっていますね。

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「徐々に上昇」の銘柄だと、イトクロあたり。

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宝くじ銘柄のミスプライシング(過大評価)を避けよ

モメンタムには2種類あり、スムーズな経路のモメンタムと、でこぼこな経路(ボラが高い)モメンタムがあります。

本書では、スムーズな経路のモメンタム株を高クオリティとして、でこぼこな経路のモメンタム株を低クオリティとしています。

高クオリティは非常に高い相対パフォーマンスを示す一方、低クオリティは株価指数をアウトパフォームはするものの、パフォーマンスは低いとのこと。

このロジックい当てはめて上述の例でいうと、将来においてイトクロは高いパフォーマンスが期待できそうだが、イグニスは低いパフォーマンスかもしれないということです。

実は私も宝くじ銘柄を高値掴みしてしまったことがあり(仮説を持って投資したんですが、仮説の時間軸がズレてしまい、塩漬けなうです)、「宝くじ銘柄を避けるべき」という話は納得感が高いです。

本書では、一般的な投資家の振る舞いとして、こう記載があります。

①宝くじ的アセットを好む、②注意力の限界。短期的な大きなパフォーマンス「スパイク」を持つ株式の保有は、一般的にパフォーマンス低下につながる。

このアンダーパフォームは、宝くじ的な特徴を持つ株式に過大な価格を払うバイアスを持った投資家によるミスプライシングである。

草コインに群がる人々を見ても、宝くじ的アセットが人気になる心理は理解できますよねw ええ、私も買いましたよw

なんかこの銘柄、すごい最近上がってるな。連日ストップ高だぞ?まだ上がるんじゃないか?という心理で買ってしまう。しかし、既にミスプライシングになっており、その後暴落していくだけという。

こういう時は、ファンダメンタルをガン無視してしまっていたりします。

モメンタム株と成長株のパターン

本書から抜粋すると

☆モメンタム株投資のパターン

決算が黒字だったり赤字だったりする。投資家は決算発表を疑いの目で見て、強気になかなかなれない。一時的なことであると、良い決算発表を過小評価し、直近の決算は無視される。投資家は過度に悲観的で、株価が上昇して、新たなファンダメンタルズを反映するにはかなりの時間がかかる。

☆成長株投資のパターン

長期に渡って黒字決算発表を行ってきた会社が、次も黒字であることを投資家が知れば、投資家はこのトレンドは続くと予想する。過剰反応し、楽観的で強気になる。株価が高い水準にまで釣り上がり、ファンダメンタルズから乖離する。

赤字決算が発表されると、投資家の楽観主義と一致しないので、株は売られて暴落する。

厳密にいうと、モメンタム株の仕込み時の話で、良い決算が過小評価されている時がチャンスと言える。決算が安定しないので、投資家がなかなか強気になれないがゆえに、株価にファンダメンタルズが反映されるのに時間がかかってしまう。

成長株はいつも黒字決算だと、この傾向は将来もずっと続くだろうと投資家が楽観視してしまい、ファンダメンタルズより割高になってしまうことがある。投資機会でいうと、赤字決算が発表され、暴落した時がチャンスである。

最後に非常に覚えやすい一文を抜粋して終わりにしましょう。

バリューは悪いニュースに対する過剰反応。
モメンタムは良いニュースに対する過小反応。

なかなか読み終えるのに苦労しますが、原書に当たりたい方は是非。こういうボリューミーな本は、書評を読んだ上で、読み始めるか意思決定したいものですね。



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