「革命のファンファーレ」をスタートアップの人こそ読むべき理由

Pocket


以前からインタビュー記事を読んだり、身近な人たちとよく一緒にいるのをソーシャルなどで見かけていた西野さんの新作「革命のファンファーレ」が発売されたので、読んでみました。

私の勝手な肌感覚だと、各インフルエンサーに紐づくフォロワー層って案外重複が少なくて、TheStartupの読者が必ずしも堀江さんや西野さんをウォッチしているわけではないかと思います。ちなみに堀江サロンに一度参加してみたのですが、参加者層はほぼUmeki Salonとはかぶっていません。

よって、西野さんに関しても同様で、スタートアップ界隈でも名前は認知しているが、案外本は読んでいないという人が少なくない気がしました。

読んでみて感じたのは、「革命のファンファーレ」は秀逸なグロースハック本になっているということです。

内容は「えんとつと町のプペル」の販売過程やその思考プロセスの紹介にかなりボリュームを割いていますが、そのディティールにこそ、スタートアップがマーケティングで参考にすべきグロースハックのノウハウが詰まっている。

または、「革命のファンファーレ」の販売の様子をリアルタイムでtwitterなどで眺めることで、この書籍のプロモーション手法も学べる。

59ccd615-60c4-4bbf-8fff-21b70aba95d9

ちょうど良いアイキャッチ画像がなく、Canmpfireから拝借しました。1万人で飲み会をやりたい?というクラウドファンディグも実施中。

フリーミアムで一部を無料公開などもしていますが、様々なプロモーション上の「仕掛け」の巧さもさることながら、西野さんはかなり深い洞察力を有していて、その洞察力を実際の施策へと鮮やかに昇華させています。

ビジネスマン向けの講演会のオファーが殺到しているそうですが、西野さんの洞察力と施策は、スタートアップ経営者やマーケターならば、自らの事業に応用できそうな話がかなり盛り込まれていて、私自身も非常に参考になりました。

いくつか本書から刺さった点をご紹介。

人が時間やお金を割いて、その場所に足を運ぶ動機は、いつだって「確認作業」で、つまりネタバレしているモノにしか反応していない。

これは自らの行動を省みても同じで、友人から「あの店が美味いよ」とか食べログで評価の高そうな店に足を運んでみる。「うむ。たしかに美味いね!」という確認作業である。

しかし、ネタバレしてるモノや、確認作業に価値がないということはなくて、確認作業の結果として「俺、この店(とか作品)好きだわ!嫌いだわ!」という判断ができる。その結果、好きな店や作品はいくらでもリピートする。要は、好きなことを見つけるためには確認作業というプロセスは不可避なわけです。

言い換えると一見さんユーザーとリピートユーザーに分解できる中で、一見ユーザーへの敷居をフリーミアムモデルでめちゃくちゃ下げることで、リピートユーザーの母数を確保するという戦略といえます。

広告を作るときは、自分の手から離れても尚、こういった「広告の連鎖」が自然発生する基盤を作ることが大切だ。

自分一人で広告をしてはいけない。「広告させる」ことが大切だ。

この辺の思考はまさにグロースハック的で、言い換えると「他人に広告させる仕組み」を作ることを考えようという話。

この具体例として、他人の時間を使った宣伝をしたり、その作品の作り手(携わる人)を増やして「自分ごと化」させる。など、スタートアップサービスにも応用できそうなネタがたくさん盛り込まれている。

なのでこれはさらっと読むのではなく、マーカーを引いて、気になった箇所について思考しながら、自分の実務にどうにか応用できないか?という視点で読み進めると良いだろう。読み進める、というかメモ帳にいくつかメモしておいて定期的に見返すのが良いと思う。

とてもたくさんの思考のヒントがあり、かつ実用的であるという良い本だと思いました。

kindle本もありますのでぜひ。西野さんとコラボする機会とか、そのうちないだろうか。



Pocket

コメントを投稿する

「「革命のファンファーレ」をスタートアップの人こそ読むべき理由」に対してのコメントをどうぞ!