インスタグラマーのPR投稿は「信用の切り売り」なのか問題

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こちらの記事を見て、いちインスタROMユーザーとして感じたことを書いておきたいなと思いました。

インフルエンサーマーケティングを成功させるには、「断れる人」に頼むべき

一応某ライフスタイルメディアをプロデュースしていた際に、「インスタグラマーに発注する」という機会はありましたので、多少は発注サイドの話も理解できます。

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発注側から見て:インスタグラマーって、少なくね?

発注サイドとして一番思ったこととしては

日本のインスタグラマーって、少なくね?

ということです。

上記の記事には1フォロワー0.7-1.2円が相場とあり、その相場観は特段違和感はありません。しかし、最低でも1万フォロワーはいないと発注する側からするとボリュームも取れないので、フォロワー1万未満の人に発注することはごく稀。

なんか10人くらい寄せ集めて、10万フォロワーいればいいよ!みたいなノリでうっかりフォロワー数5,000人程度の人も混ざってしまうことがあるでしょうが、こういったバルク発注は雑だと思う。

現実的には3万フォロワー以上はいるインスタグラマーのみに出稿したいものですが、ガチな芸能人はよほどのことがない限りはPR投稿を受け付けていないと思われます。よって、非芸能人であり一般人である「インスタグラマー」に白羽の矢が立つわけです。

この非芸能人なのにそれなりのフォロワー数を有しているというバランスが絶妙で、かつて「読者モデル」としてもてはやされたポジションの方々が、そのままインスタグラマーとしてスライドします。男性インスタグラマーで広告取れるほどの人は相当少なく、メインは女性です。

3万フォロワー以上で、かつ仕事も柔軟にこなしてくれるインスタグラマーって、相当数が少ないと思われます。狙う層が20代か30代かでも少し母数が異なってくるのでしょうが。

ということでインスタグラマー・バブル説がありますが、発注側から見るとインスタグラマーって本当に少なくて選択肢なさすぎやん!と思った記憶があります。

特にメディアの立場でみると、メディアのトンマナに合ったルックスとかも必須条件になるわけで、フォロワー数が多ければ良いわけでもない。純粋な広告主の場合は、リーチ取れればOKという場合もあるでしょうが。

ユーザー視点で見て:PR投稿=信用の切り売り、なのか?

私もこっそりとROM専でインスタを日々パトロールし、美食と時計と靴とハムスターと美女が私のインスタの検索画面には並べられています。

個人的な好きなアカウントももちろんいくつかあり、日々暇な時間に楽しんでおります。

そんな中でも、特に読者モデル系の方々は「PR投稿」がやけに多いんですよね。私は男性なので、女性化粧品とかその類の投稿を見ても何の参考にもならないのですが、「ここまでPR投稿が多いと、見ているフォロワーって何を信じていいのかわからなくなるのではないか?」と思いました。

そういえば、とあるインスタグラマーに「この前あの肉屋の写真upしてたよね。俺はあそこ不味くて好きじゃないんだけど、美味しかった?」と聞いて「うーん…(美味しくないね)」というような反応でした。

おい!君が「おいしい♡」とか言って投稿してるの信じたら、うっかりリベンジするとこだったじゃないか!

最近、とある方のインフルエンサーマーケの愚痴っぽいツイートで見かけたのがざっくりこんな話。

1.インフルエンサーマーケは「蓄積した信用を切り売りしてる」
2.発注主がインスタグラマーをコントロールしようとしすぎてうざい

この2つ両方に対して違和感がありまして。

まず1の「信用を切り売り」というのは、本人がPR投稿によってフォロワーと自分との間に築いた「信用」を毀損していると自覚があるということではないでしょうか。「切り売り」という言葉の解釈の違いもあると思いますが。

信用なくすような投稿なら、金貰えてもダメじゃないでしょうかw しかしここに「インスタグラマーの罠(というか闇)」が潜んでおり、「インスタグラマーはお金が欲しい人が多い」という実情があるようなのです。特にファッション系は日頃からお金もかかるでしょうし、多少意にそぐわない投稿が入っても、目先の金に弱いのでしょう。

敏感な私は、(一貫性のない)PR投稿が多いインスタグラマー = 信念がない金の亡者。とも感じます。

自分の意にそぐわない広告を受け入れる代わりに、金を受け取るかといった話は、本誌かて他人事ではありません。現在はGREEN様が長期出稿いただいていますが、GREEN様はTheStarutpがご紹介していてしっくりくると思うので掲載させていただいているわけです。

時折広告出稿依頼をいただきますが、実は広告主ごとに価格を変えておりまして、載せたくない広告主はそもそも断りますし、際どいな〜と感じる広告主は通常より価格を上げて提案します。こちらは目先の広告費は別に欲しくないわけです。

信用はプライスレスなので、目先の金が喉から手が出るほど欲しい心理も理解はできますが、PR投稿の受けすぎはよろしくないかと思います。

ちなみにインスタグラマーではなく我らが田端さんのVALU優待「PR投稿」にも同じことが言えます。田端さんがそのPR投稿の内容を本当に良いと思っているか否かは田端さんのコメントを見れば理解できるのですが、フォロワーからするとかなりのノイズです。これも信用を毀損しかねないでしょう。

2ですが、言わんとすることはもちろん理解できるのですが、だったら受注するなよ!と言いたい。うざいクライアントが山ほどいるのは広告事業を経験したことがあるものなら誰しもが理解していると思うが、意にそぐわないPR投稿って、なんかそれっぽい香りを発しているものですよ。三方良しならぬ、三方悪しなので、やめたほうがいい。

理想としては「信用の切り売り」にならない広告ですよね。インフルエンサーマーケとしては、たとえば超高級時計リシャール・ミルのナダルとか、お互いの価値を上げ合う組み合わせなら良いわけです。

田端さんにHUBLOTがスポンサーするとか、あっても良いわけじゃないですか。そこで、HUBLOTは良いけど、パネライなら受けない。とか、インフルエンサーもそういった矜持が求められますよね。

PR投稿に関しては古くはステルスマーケティング問題などもありましたが、2017年現代においてはソーシャルキャピタルの価値が相対的に上昇している中で、金に振り回されると、インフルエンサーは信用をなくし、インフルエンサーの地位を失うことになりかねません。

フォロワーは「嘘と本音」に驚くほど敏感なのです。

言いたいこととしては、インスタグラマーはいくら金が欲しくても、信用を毀損する=自分で本当に良いとは思っていない≒嘘、となるようなPR投稿は受けてはいけない。受けない方がいいというか、そういうことを繰り返していくと、自らのインフルエンサー生命を自分の手で短命にしているだけである。

ちなみにPR投稿とは無縁そうなインスタグラマーたちのインスタは見ていてとても楽しめますね。レストランのレーティングとかも、その人たちの投稿を最近は結構参考にしています。

平たく言うと、「金で買われない人」の価値が、今まで以上に今後上昇していくでしょうね。インスタグラマーは、その人の思想をあぶり出すという意味で、良いリトマス試験紙になっているのかもしれません。



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