ライブコマースのLive Shop!は1配信150万円ほどの売上も #bdash2017夏

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サロンやtwitterでは言及しているライブコマースですが、本誌ではまだ一度も触れていなかったようです。B Dash Camp2017夏のセッションである「今年はライブコマース元年、 先駆者の戦略に迫る」のレポート+αをお届けします。

スピーカー(敬称略)
伊豫健夫 メルカリ
金靖征 Candle
國光チェアマン Candee
モデレーター
渡辺洋行B Dash Ventures

伊豫さん以外は安定のUmeki Salonメンバーの皆さんです。実は先日、サロンで少人数でライブコマースのランチ会したんですが、金さんと國光チェアマンとご一緒しました。

Live Shop!は人気配信者で1配信150万円の売上も

Live Shop!は「ソーシャル」ライブコマースを志向していますね。インタラクティブ性が大事ということを國光チェアマンは強調されていました。

また「國光の法則」というのがありまして、コンテンツ市場は素人→セミプロ→プロという制作者の進化過程があり、市場が成熟すればするほどプロが強くなるという見立てを、ゲームでの知見から動画にもチェアマンは当てはめています。

國光チェアマンの動画構想は実はgumi上場前の2014年9月(今から約3年前)にんこんな記事を出しており、そこにも「國光の法則」が掲載されています。

本邦初公開!gumi、ゲームの次の柱となる動画事業の構想(TheStartup 2014.9.5)

gumiではなく、Candeeeでの実施となりましたがw

Live Shop!は平均客単価4,000円で、売れる時は1配信で150万円くらいの売上に既になっているようです。下記が会場で紹介されたスライド。

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メルカリチャンネルはフリマの次の形を狙っている

続いてはメルカリチャンネル。テレビの次の形ではなく、フリマの次の形をライブで実現したい狙い。たしかに、実際のフリマは代々木公園とかで人が売ってる感じですよね。

最初の1ヶ月はプロモーション的な位置づけとして芸能人が21時から1時間ほど毎日配信しているとのこと。3,000-5,000視聴/1配信とのこと。

本丸は芸能人による販売ではなく、CGM。現在は一部ユーザーのみ限定解放しており、1日30人程度の素人配信者がライブを配信をしているとのこと。「配信したい」という申請は1日1万人ほどあるようだ。

一般ユーザーの視聴数は1配信数百が多い。1番個数が売れている人で75売却/84出品で文房具系。販売率高い人で45売却で51出品でコスメ系。

会場で発表されたスライドの一部は下記。

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Mini TVはF1特化メディアでShop Listとの連携も見据える

Mini TVはCandleの一事業として立ち上げたものを、最近スピンアウトしてBDVが1億円出資している。

板野友美などをインフルエンサーとして起用しているようだ。コスメ系が中心で女性向けに女性の発信者が発信しているF1メディアだが、既に1動画100万円以上の流通や、1再生あたり40円の流通が生まれているとのこと。ナショクラからも既に年間契約での広告出稿を得ている。

超美容特化のアクティブなファンがいるという話もあり、ライブコマースはニッチであればあるほど、CVRとか配信中のリアクション率(アクティブ率ともいうのか)はすごく上がるのかもしれませんね。

親会社のクルーズが運営する若者向けECのShop Listと連動して、アパレルも売っていくことが想定されます。会場で発表された資料の一部が下記。

スクリーンショット 2017-08-03 14.22.03

メディアとインフルエンサーのパワーバランスをどう見る?

ここからは会場の話を元に、私の見解を中心に。

容姿端麗なだけのインフルエンサーより、トークが上手い人の方が売れるんじゃないかなどの意見もありましたが、それは私も同感です。

國光チェアマンは「ただのセルフィーではない面白いコンテンツ」を作ることができれば勝てるが、中国研究の結果、中国のライブコンテンツフォーマットをそのまま持ってきても、日本では流行らないと感じたそうだ。

日本はインフルエンサーの層が中国と比較してかなり市場が小さいので、まずはそこに課題がある。ライブコマースは日本の場合はメディアとして成立させつつ、プライベートブランドでマネタイズする(のが王道な気がする)というのがチェアマンの意見のように感じた。

ここから逆算すると、ライブコマース関連銘柄が未上場ながらにスケールすると、インフルエンサーを抱えるスタートアップや、インフルエンサー育成に定評がある企業をM&Aしていく可能性もあると感じる。

☆経験を元にしたインフルエンサー市場の肌感覚

先日、東洋経済でもインフルエンサーのゆうこす氏のライブコマースに関する考察記事もあったが、メディア側がどれだけインフルエンサーを握っておけるかが鍵で、メディアとしての魅力が相当高くないと、インフルエンサーがリテンションし続けない気がします。

先述の通り、日本はインフルエンサー市場が未成熟なので、メディアとインフルエンサーのパワーバランス的に、2017年8月現在はインフルエンサーの方が強いようにも思えます。

メディアよりも、インフルエンサーについているフォロワーの方が資産価値が高く、ライブコマースでなくとも、インフルエンサー市場という意味で、オンラインサロンの運営やnoteを販売している私自身感じるのは、メディア(シナプス)経由でのコンバージョンではなく、インフルエンサー本人(本誌TheStartupやtwitter)経由でのコンバージョンが圧倒的に多い。

よって、インフルエンサーにとって、どのメディアを選択するかは、決済や手数料率の問題で、メディア自体に魅力を感じることは少ないと感じるんですよね。メディア経由のコンバージョンは1割満たない感覚値です。

インフルエンサー中心にライブコマースを考えるより、メルカリチャンネルのようなCGMの方が、事業としての勝算は高いかなと感じました。人気インフルエンサーの取り合いが起きていく中で、好条件で独占契約していくのかどうするのか。タレントの奪い合いがメディアの成功を左右しうるのかどうか。ここの戦略は鍵を握る気がします。

Live Shop!のような、プロコンテンツでインフルエンサーをがっつり握って?配信していくというメディアがどこまでワークするのかは、チェアマンの力量を楽しみにしたいと思います。

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そして実は私もこの領域はプレイヤーとして参入するかもしれません。



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