最近、Umeki Salon限定イベントを開きました。内容はオフレコなのですが、抽象的な話でフリークアウト佐藤裕介氏にお聞きした話で印象的なものがありました。質問はたしか「なんで佐藤さんってそんなに天才なんでしょうか」という私から超絶雑なものでしたが。
インプットにこだわっています。エンジェル投資をしているのも、その経験によって得られるインプットの希少価値が高いから。(多分佐藤裕介氏はこんなことを言ってた)
インプットの質を上げる方法の一つに、このような「世の中にあまり出ていない情報を通して学習する機会を求めること」が挙げられます。
この「インプットに関して」というのは、栽培マンも大きな危機意識を持っていることが、twitterのリアクション数からも明白です。
最近、仕事より勉強が大事だと感じる。勉強はインプットで、仕事はアウトプット。結局いろんな分野を自発的に勉強することが、高いパフォーマンスに繋がる。だから、仕事ししすぎで勉強時間確保できないのはやばいと思う。
— 梅木雄平 (@umekida) 2017年6月19日
実は社会人になってから、「インプットの仕方」について学習する機会はあまりなかったように思えます。クソなマナー研修などどうでもいいことは教えるくせに、こうした勘所を教えてくれる会社や上司はあまりいないのではないでしょうか。
それはおそらく、その会社や上司も「インプットの仕方」をさほど意識していないがゆえに、そういうことを教えようとまでは気が回らないのでは。せいぜい「本を読め!」という雑な教えくらいでしょう。
そこで今回は私なりにインプットの仕方について、整理してみました。インプットの質を上げるには主に4つの方法があるかなと。
1.希少な情報を得る機会を探る
まずは冒頭の佐藤さんの話を深掘りしていきましょう。
情報には「公開情報」と「非公開情報」があり、「公開情報」はインターネット上で拾えたりする情報が多いです。
「非公開情報」は「公開されていない」ので、口頭で聞くしかない場合はほとんど。よって様々な人と繋がり、そのネットワークから情報を引き出してくることで、他人が持たないような情報を得ることができます。
これはお堅いものでいうとビジネス的なものから、遊びでいうと祇園で芸子さんと遊ぶとかでも良いわけです。「希少な情報」というのは、他の人とのコミュニケーションのネタにもなるわけです。「最近はじめて祇園で芸子さんと遊んできたんだけどさ!」というと、遊んだことのない人に興味を持ってもらえる場合があります。
インターネット業界においては、新陳代謝のスピードが速いので、次の潮流を見逃さないために、エンジェル投資やファンドへのLP出資というのは「希少な情報を得る」手段として理に適っています。
雑に語ると「なんか面白そうなこと」≒「希少性あること」だったりすることもあるので、いかに日々ネタを収集する努力をする姿勢があるか、だとも思います。
この方法でインプットの質を上げるには「ネットワーキング力」と「相手にも面白いと思われる人間力」が重要かと思います。応用編としては「発信力」が高いと、「希少な情報を呼び寄せる」ことができたりもします。
言わずもがな、Umeki Salonも希少な情報が得られる場であると感じる方もいらっしゃるでしょう。
2.公開情報を「きちんと」活用する
なんかすごくつまらない話ですが、これができてる人はあまりいない気がします。逆にこれがきちんとできるだけでも大きな差別化になる。
私は各種テックメディアや東証、登記簿謄本(これは有料)などの公開情報を元に「ウメキワークス」を作成して販売しています。たまに非公開情報に基づく私の予測なども入りますが、基本公開情報を見やすいように整理しているだけです。
スタートアップ経営者でもまともな人は各社のIR資料を驚くほど読み込んでいます。公開情報を素材に、自社に応用できることはないかとか、考え抜こうとしています。
若い名もなき人でも、公開情報をしっかり読んでいることで、目上の人と対等に議論できたりすると、一目置かれることもあるでしょう。
この方法でインプットの質を上げるには「マメさ」や「真面目さ」が必要だと思われます。
3.自分の経験を理由付けしてログ化する
小学生の頃、「読書感想文」を書いたことはないでしょうか?
しかし、大人になると「本を読むことはいいことだ」という子供の頃からの刷り込みはあるにも関わらず、読書感想文を書く人はほとんどいません。
やばい、読書って意味あるんだっけ…読書の質を上げないとやばいなと思い、とりあえず上半期に読んだ本のリストを思い出せる範囲で下記に挙げてみました。クリックすると拡大できますので、詳細見たい方はどうぞ。
過去の経験から自分はどのような本が好きとか、どういう本をこれから読むと良いのではないかとか、こういう本は絶対読まないから手を出さないでおこうとか、過去の経験は未来の選択の一つの指標になるはずです。私は2017年上半期はざっくり30冊程度、月に5,6冊程度に手を出している。
私はレストランに関しては上記のようなデータのもっと細かい版をジャンルごとに持っています。自分の体験を元にしたデータベースを構築しておくことによって、会食時にすぐに適切な店が思いつたりとか、他人に尋ねられても有益な情報を提供しやすくなります。
過去の経験に全て理由付きで評価することで、自分の好みの基準が明確になっていきます。大抵の人が雑すぎるんですよ。適当に本を読んで適当に飯を食ってそれだけで満足している。インプットの質を上げたいという意識を持っていれば、この書と食から自分が学んだことは何か?という視点を持つと思うんですよね。
PDCAでいうところの「C」にこのように取り組むのって、人によっては面倒くさいなと感じる人も多いでしょうね。
この方法でインプットの質を上げるのに2と同様に「マメさ」や「真面目さ」が必要だと思われます。
4.微妙なものはとっとやめる
これもインプットの質を上げるのに非常に有効な方法だと思います。
よくありがちなのが「大して面白くもない本を意地になって最後まで読もうとする」こと。インターネットの記事であればつまらなければすぐ読まなくなりますが、本だとお金払ったし、なんか最後まで読まないと損した気分担って、とりあえず読もう。「何かしらの」学びは絶対あるし。と無意識的に言い聞かせている人が多い気がします。
しかし、かなり苦痛な思いをしてまで読み進めなきゃいけないものは、本当にインプットの質として有用なものなのでしょうか。自分自身のコンディション不良で眠くなってしまう場合と、自分との相性が明らかに悪くて眠くなってしまう場合があると思います。
その際、後者の本は「読まない」という勇気が必要です。いや、勇気というか結果的に読まなくなりますけどね。
違う事例としては、私は大学1年生の時に公認会計士の予備校で日吉にあったCPAというところに行こうとして、親に頼んで授業料払ってもらったんですね。しかし、開始1週間で「クソつまんねえな」と思い、予備校に行かなくなりました。
親には悪いなと思ったのですが、こんなクソつまんねえことは続けられないなということで、やめました。この時に耐えて公認会計士の勉強を続けていれば、私は今頃トーマツで会計士でもやっていたのでしょうか。いや、会計士になれさえしなかったと思う。
他の例としては、つまらない合コンは30分で切り上げよう!とかですね。
こうして「微妙なものはとっととやめる」ことで、新しいことをする時間を生み出すことができます。そのインプット時間を確保することが重要で、いつまでも質の低いインプットをダラダラ続けてんじゃねえよ、という話。
この方法でインプットの質を上げるには「適当さ」や「空気を読まない力」「常識を疑う力」「超効率を重視する力」が必要だと思われます。
以上です。皆さんなりのインプットの質の上げ方があれば、ぜひ教えてください。
國光さん、反応が早かったですね!
「インプットの質」を上げるために重要なのは、常に問題解決の仮説を持っていること。仮説があってそれを検証するためのインプットが一番質が高くなる。漠然としたインプットは漠然としてしまうw https://t.co/dkPQQb7RTP
— 国光宏尚 (@hkunimitsu) 2017年6月25日
ちなみにこうやって記事を書くことも、アウトプットなようでインプットにもなっているのです。記事のフィードバックがインプットになったり、自分なりの考えを整理して咀嚼することがインプットの質を上げる効用を果たしています。