社長!ついていきます!がスタートアップ従業員の最大のモチベーションか

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人気の栽培マン論関連ネタを。スタートアップで働くことについてです。

スタートアップなんて労働環境としては最悪に近いかもしれません。退職金が出ることなど稀ですし、給料は役員クラス以外は安い。なぜか土曜に合宿を入れられることもある。スタートアップは一部のエリートと大企業に入れなかったクズの集まりだと某ゲーム会社の社長が名言を説いていたことがありますが、スタートアップで働くなんて雇用条件的には全然おいしくない。

そんな状況の中で、なぜスタートアップで人は働くのか?

それは、そのサービスへの愛着であったり、その社長への想いであることが少なくない。というかほぼそれではないか。稀に、スタートアップ的な環境の方が何でもできて力が付きそうというドM栽培マンもいますが

①:その事業に興味がありやりがいを感じる
②:その事業に興味がないがその社長のために頑張りたい

普通は①だろと思いがちだが、案外②の従業員は少なくない。スタートアップは社員数が少ないため、社長との距離が近い。社長は嫌いだけど事業に興味があるから頑張るというのはあまりないのではないか。想いの強さこそあれども、社長のために頑張るというのはあるだろう。それは単純に雇用主だからとかではなく、感情的なコミットメントである。

CEO

筆者も栽培マンとして4社のCEOに仕えた経験を持つ。そのうち3社は社員数10人以下のスタートアップであった。いずれも転職して入社しており、多かれ少なかれ社長が自分を買ってくれたのだと思い、その期待に応えようと奮闘したことがある。しかし、どの社長とも1度や2度は考え方や方針が合わずに衝突したことはある。どの社長ももちろん人間的に嫌いなわけではないが、ビジネスの考え方が異なると、正直気持ちが離れていくことがあった。

スタートアップで働き続けるには、その社長の役に立ちたいと継続的に思い続けることができるか。辞める時は多かれ少なかれ熱量が下がってきている時であり、それは恋の終わりと少し似ている。社長は社長側で、従業員に辞められるのは恋人に振られるのと同様に悲しい気持ちを感じる人もいるらしいということを耳にしたこともある。

経営者視点に立つと、従業員に愛され続けることが離職率低下に繋がり、組織を維持しやすいといえる。社長に愛されキャラや人間力が高い人が多いのは偶然でもなんでもない。愛されキャラじゃないと社員が継続的に働いてくれない。愛されキャラじゃないと社長は務まらないのだ(ないしは社長の側近に愛されキャラがいる場合もある)。

この論点をサロンに投下したところ、サロンのコメント欄の先発ピッチャーとして名高いティルス大冨氏から秀逸な回答が。

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スクリーンショット 2015-10-24 11.15.22関西人の大冨さんの恐怖政治、わりと安易に想像つきます。「このドアホが!」とか言っちゃいそうですよね。平たく言うと、恐怖政治は良くない、愛された方が経営上手くいくぜ!ということでしょうか。

経営者は従業員が自分の思い通りに動かず葛藤することが多々あると思います。思い通りに動かすために恐怖政治をしてしまうこともある。ちなみにマネジメントが相当に下手な筆者は、恐怖政治派だったりします。最近は少し考え方が変わりましたが。

振り返ると2社目のアパレルEC時代に恐怖政治でマネジメントされたことがありました。ミスすると社内でヒステリックに怒鳴られるんですよ。30歳くらいの女性でした。1社目の時も30歳くらいのヒステリックな女性にチクチク言われました。30歳を超える女性はマネジメントする立場になるとヒステリック担ってしまう人もいるのだなと感じました。こうはなってはいけないと感じたのに、気づけばマネジメントする立場の際には自分も同じことをしていた。

現在は採用の仕事もしているのですが、人を採用出来ればそれでOKということではない。付かず離れずで適切な距離感を測りながら、水をあげて植物を育てるように気長に育成する必要がある。

先日リブセンス村上社長と目黒のスタバで遭遇したので30分ほど座り話してた際に、あのBBQ嫌いだった彼が最近はBBQしたいというようになり、驚きました。社内の達成会でBBQすることがあるようで、BBQしながら社員を労っているようです。社員を労うことは社長が自覚している以上に重要な仕事だと感じます。社員にとってはそれは3万円の一時的なボーナスより、俄然モチベーションが上がる良き水となるでしょう。

傲慢な考えではなく、案外自社の社員は自分(社長)に少しでも力になりたいと思って働いてくれていることを経営者は忘れてはいけません。そうした気持ちがなくなっていった時、社員は社長から離れていきます。

スクリーンショット 2015-10-24 11.23.01スタートアップの従業員に視点から見た、経営者がマネジメントで心がけておいたほうが良いなという点のご紹介でした。経営者と従業員の関係という本論から逸れますが、大冨さんの「市場環境と戦略で勝負すべきで、現場の底力に頼るな」という話はすごく刺さりまして、経営者の最大の仕事はそこだよなと感じます。ここを間違えばどれだけ頑張っても無駄ですからね。



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