東洋経済の色気で稼ぐ「生中継アイドル」を量産する現場という記事を読んで感じたのですが。
この記事ではアイドルのライブ動画でユーザーがバーチャルギフトで課金しているという話ですが、国内でいえばSHOWROOMと同じですよね。
2017年に入ってから東京カレンダーWEBでフィーチャーしている港区女子と港区おじさんの関係も、これと同じだと思っていて、人材のレイヤーが異なるとはいえ、港区女子と港区おじさんをスマホ最適化したのがSHOWROOMであるといえなくもありません。
厳密に言えば、SHOWROOMのアイドルたちは、有名になりたい!とかそういう野望がある女性が大多数でしょうが、港区女子は必ずしもそうではありません。とはいえ、モデル崩れとかが比率的には多そうですが。
バーチャルギフトをアイドルに贈っている様子をみて、今までそういう消費活動を目にしたことがない人は、「信じられない」と非難しがちです。同様に、私も「港区女子に靴を買った」というと、周囲の目が冷ややかになるのを感じました。
しかし、SHOWROOMの課金ユーザーも港区おじさん(私はあくまでジュニア)も搾取されている感覚はなく、むしろ好意的にお金を遣います。決していやらしいお金の流れではないと思うのです。
ここからいくつか東京カレンダーWEBの動画を貼って解説しますが
一緒に楽しい時間を過ごせることに価値がある。そう、思わない?
本当にその通りでして、我々は何も西麻布で港区女子というチンピラからカツアゲされているわけではないのです。
我々は港区おじさんプレイをする価値がある相手をかなり選別しています。(厳密にいうと、それは私が「ジュニア」だからであり、港区おじさんはもっと大らかであるという説があります)
我々課金ユーザーは、課金行為が「楽しい時間」だと感じているわけです。
SHORWOOMをユーザーとしてプレイしない代わりに、私はプライベートで港区おじさん“プレイ”をしてみて、ユーザー心理が理解できてきました。
この二者(SHOWROOMに出演するアイドルと港区女子)の共通点は「人たらし能力」なのです。ルックスレベルは高いに越したことはないですが、決定的なのが、人たらし能力の有無です。言い換えると「ジジ転がし力」といえます。
この子が相手だと、財布のひもが緩むというのと、そうでないという違い。
もっと抽象度を上げると、女性に限らず男性にも必要な能力で、「やけに先輩に可愛がられるやつ」とかも、同様です。
私は自覚があまりないのですが、稀に「それなりに後輩力がある」と言われます。年上栽培マンの言うことは無視しますが、一目置いている先輩のおっしゃることは素直に聞くことが多いです。なので、サロンにもなぜか多くの目上の経営者の方がいらっしゃっていただけているのかなとも思います。
私はどちらかというとコミュニケーション能力は低く、不得手な方だと思っています。営業ができないので、マーケティング発想を頑張りがちです。
私は「素直」というキーワードを自分に当てはめましたが、自分が港区女子を見る視点でいうと「リアクション力」が重要と感じます。リアクションが「自分にとって心地よい」ないしは「おもしろい」か。このどちらかがないと、継続課金しようとは思いません。
要はざっくりと「可愛げがあるやつ」であれば、得をする。という話に収斂されてしまう気もしますが、こうした「人間的コミュニケーション」ないしは「人間力」はAIにはコピーできないはずで、今後相対的にこの能力を有する人材の価値が上がると思います。
課金ユーザー側や後輩に目をかける先輩の心理としては、「なんとなく居心地が良い」か「おもしろさ」を相手から感じ取れば、継続しようと思うのだと感じます。私自身の行動を振り返っても、そうだなと思います。
記事タイトルは具体的にわかりやすく言ってみたつもりですが、銀行員のコミュニケーションは特に商業銀行ではむしろ「非人間的なコミュニケーション」が推奨されているように見え、そのような環境下で働き続けると、銀行の外でにでも人間的コミュニケーションが不得手となり、彼らが「コミュニケーションで課金」することは不可能でしょう。
ただし、銀行員の中でも「投資銀行のセールスの女性」とかは、まさに「高いコミュニケーション力」で高給を得てきたといえるでしょう。外銀のトレーディング部門はAIにリプレイスされていますが、セールスの需要というのは、抽象化するとまだあるんだろうなと感じます。
今までわりと港区女子は表面的な解釈としてここ数ヶ月「消費」されてきた感が拭いきれませんが、港区女子的な存在の「深さ」であったり、未来予測から逆算した価値を考えると、港区女子を馬鹿にしたり軽蔑したりする人たちこそが、愚かといえるでしょう。
自分が持てない能力を、頭ごなしに批判しているだけであり、その能力を因数分解してまで考えようとはしていない人たちなのです。
最後に私が自ら体を張って企画&出演したにも関わらず、「1分港区おじさん」より全然話題にならない、「東カレ女子選手権」の「港区女子診断編」を貼っておきます。東カレアプリを見てない人は知らないと思われるので、本誌読者の皆さんの中には「おい梅木、なにやってんだよ…」と思われる方もいるかもしれませんね。
ソーシャルの反応を見ていると「港区女子や港区おじさんって本当にいるんですか?」というのがたまにありますが、その人の身近にいない=その人がそういうライフスタイルを送っていないだけで、実在しますよ。
少なくとも、ここに港区おじさんジュニアが一人存在しますからね。
人は自分が知らないことは、虚像と思いたがる性質もあるのかもしれない。