私自身もまだまだできていないことを前提として話すのですが。
様々なビジネスマンと話していると、「ビジネス力」を構成する要素がいくつか見えてきます。
その中でもPDCAを回すというのは非常に基礎的な概念として知らない人はいないと思うのですが、このPDCA力に個々のビジネスマンでもかなりの差があるなと感じています。
PDCA力を分解して考えると
1.各々のP、D、C、Aの精度の高さ
2.PDCAの1週をどれくらいの速度で回すのか
3.PDCA1週の回数を何回回すのか
の3つに分けられます。
各3つの変数が人によって差がついているのと、2が早いと3の回数が増えるため、各3つの変数で2倍の差がついていると、単純計算で掛け算で8倍の差が付きます。
PDCAを早く回そうぜ!というのは偏差値58以上のビジネスマンであれば身に染み付いていることだと思うのですが(そして結果的にPDCA1週の回数が増えるため、適切な仮説や解決策に早く行き着きやすい)案外差がつくのって1の各々のP、D、C、Aの精度の高さだと思います。
これも2と3の結果として高まっていくものでもあるのですが、私はCの精度に着目すると良いのではないかと思います。
Planは気合が入っているので頑張りがちですし、Doもオペレーション頑張るぞと気合が入っています。しかしCheckはDoのしょぼい結果を受け止めて、悪い点を洗い出して分析し、次のActionに繋げるわけですが、Doのしょぼい結果に目を背けずに向き合うことって、実はかなり大変なことだと思います。
Doのしょぼい結果に向き合わないで逃げてしまう人って少なくないというか、辛すぎてCheckが甘くなっている人も少なくない気がします。
Mな人の方がビジネスの成長が早いという声を耳にしますが、Mな人はこのCheckに対してハアハアして自分に厳しく取り組んでいる気がします。Doの結果がしょぼい時は言うまでもないものの、結果が良い時でもどこか改善点はなかったのか。それを探し続けること。粗探しが得意な人がCheckの力が高いです。
私は特性的にMですし、分析好きですし、粗にも気づくのでCheckは得意な方ではありますが、それでも自分の至らなさを検証していくのは、結構辛いものがあります。(自己否定は感情的になりやすいですし、死にたくもなります)
検証力には、自己否定力が必須であり、自分大好きマンセーなナルシスト人間は検証力が弱い傾向にあると仮説を持っています。そして世の中、ナルシストは意外にも多い。
しかしこの検証力がないと、改善の打ち手を導き出せないので、検証力が弱い人はPDCAの精度が弱まってしまい、結果的にいくら早く回数多く回したとしても、Checkの精度が低いと、意味が相当薄れてしまいます。
Checkの精度を上げる項目を自分なりに整備してみると
・Doの結果と人間性は切り離して考える。Doの結果の否定=人格否定と捉えない
・細部に目を行き渡らせるよう心がける
・Planの時点で明確に仮説を持ち、Checkの際に仮説検証しっかりやる(案外Planが弱いことも多い)
・何を言われても反論せずにとにかく耐える。修行だと思い込む
自分でCheckをやる分には良いのですが、Check力が弱い部下にCheckをきちんとさせるには、特に「人格否定ではない」というこをあらかじめ強調して伝えてあげた方が良いでしょう。戦力であり改善するとより良くなるので苦言を呈しているのであり、人格否定したいだけであれば、何も言わずにクビにすれば良いだけです。
しかし栽培マンたるもの、ストレスも溜まっているでしょうから、この詰めが人格否定にもつながるニュアンスになることは少なくありません。私も栽培マン時代に栽培マンの女上司(人造人間18号的な冷酷さ。戦闘力は栽培マン並)から人格否定の詰めを何度も受けました。おいそこまでみんなの前で怒鳴り続けるかよw と思いましたね。
基本的にDoに結果の悪い点を認識して改善してもらうという「事象」にフォーカスすべきであり、その批判は人間関係にまで引きづってしまってはいけません。Doの結果をCheckで詰めた後は、良いところも褒めてあげるくらいの塩梅が良いのだと思います。
検証力を自分でももっと上げたいなと思っています。検証力を上げるためのチェック項目が他にもあれば、ぜひ教えていただきたいです。
同じ事業領域を手がけていても結果が異なるのは、突き詰めると「検証力の差」にある気がしています。