Facebook LIVEは来るのか?

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最近、メディア周りで一番気になっているのが「Facebook Live」です。

アプリのFacebookのUIで投稿ボタンの一番左上にあるし、比較的エンゲージているユーザーがLIVE配信を開始すると通知が行くという点からも、FacebookがLIVE動画をユーザーに投稿させたい。LIVE動画を見ろ!という狙いは、明らかです。LIVE動画を新たな広告商品として売り出したいという需要も、あるのでしょうが。

しかし、日本では個人でもビジネスFacebookページでも、まだほとんど使われていないのではないでしょうか。

「Facebook LIVE」「Facebookライブ」で検索しても、ほとんど記事は見つかりません。

LIVE配信を開始すると、通知が来る。というのが、結構うざいですよね。私のデートLIVE(「私は梅木さんの彼女ではありません」など)の通知が来てうざいと思われた方、申し訳ありません。ぜひアンフレンドいただけますと幸いです。

東京カレンダーWEBでも実験しているのと、私が見かけたのは、tastmadeやC Channelくらいですかね。特にメディア事業者はFacebook LIVEの活用余地は大いにあると思います。米国ではTIMEがFacebook LIVEでオバマ大統領の演説?を流していました。

日本の事業者がFacebook LIVEにまだ着手できていない理由は3点かなと。

1:KPIと配信効果を測定しかねている。定量的な効果を図りにくく、定性的な効果をどう見込むかの判断が難しい
2:Facebook LIVEに適切な動画コンテンツが何なのかわかりかねている
3:通知のウザさが、特に日本人にとってはハードルが高く、及び腰になりがち

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1ですが難しいです。LIVE動画で視聴回数を稼ぐのは、並大抵ではありません。Facebookページや、個人でもリーチ数の3-5%程度がLIVEを見てくれればかなりエンゲージメントが高いといえるでしょう。規模が大きければ、1%でもエンゲージメント高い。

LIVE動画見る人はその時暇な人なわけですが、面白いLIVE動画を見たことがあればわかりますが、記事や普通の動画を見るよりも「生放送のライブ感」あって、面白いなと感じることがあります。

スタートアップ業界の皆さんに馴染みのあるところでいうと、schooの生放送見るの、面白いよねという感じです。知り合いが「着席!」とかしてると、なんか面白いです。twitterで会話してるのがライブ感あって面白いなと思う感覚に近い。

動画サービスの再生回数1億突破とか、1秒再生もカウントされているのではないでしょうか。そう考えると、あれはメディアの本質的な価値につながっている指標とは言えず、「滞在時間」が大切なはずです。LIVE動画も1秒見たら1カウントになるんでしょうが、LIVE見た時の没入感が、ブランドリフトにつながっているはずとか、そういった定性指標を持たないとキツイ。

「なんか最近、東カレがLIVEでラーメン食ってましたよね?」とか何人かから言われましたが、2017年2月の日本において、Facebook LIVEはそういうインパクトに残るフェーズです。そう、ブルーオーシャン。

2の悩みが一番重たい悩みです。LIVEなので、編集は加えられない。20分とかダラダラやるものでもない(離脱が多くなりそう。一回試してみたいが…)一体、何がウケるのか??

ウケるフォーマットを日本国内の事業者はまだ見つけられておらず、どこかの事業者がLIVE動画でウケるコンテンツの方程式を作れれば、一気に真似してLIVEが普及するという可能性が高いと感じます。今は皆、模索段階。ここはコンテンツ事業者としては、ファーストムーバーとなり、一気に勝ち抜けたいところ。

3はしょうがないです。仕様変更を待つか、うざいと思われても構わんという鋼のメンタルを持つか。案外、この鋼のメンタルが、Facebook Liveの勝者へと近づくための、大きな条件なのかもしれません。

他のLIVEサービスと言えは、ツイキャスやLINE LIVE、ニコニコ生放送などがありますが、特に前者2つは若者向けということもあり、私も含めてビジネスマンは日常的に触れてきたサービスではないので「LIVE動画の勘所」がわかるビジネス事業者は2017年2月現在ではとても少ないのだと思います。

twitter関連のperiscopeやvineをビジネス事業者が上手く活用できていたとも思いません。InstagramもLIVE機能を実装してきましたが、様子見なのかなと思います。

一時期「分散型メディア」という言葉が流行り、最近あまり聞かなくなったのですが、起点となる本体ページやアプリがないと、ブランド価値が高まらず、アドネットワーク以外の広告収入を得にくいため、Facebookとかにだけ存在させているメディアは、中長期では価値にならないと思います。

2017年2月は、メディアはアプリでどれだけユーザー持てているかの勝負で、SEO勝負はWELQ時代で終わったと見ていいと思います。SEOでかき集めたPVは広告価値としては低いというのが私の仮説です。本体ページやアプリを持った上で、Facebookページの運用を工夫するとか、Instagramが強いとか。あくまで分散型メディアは、本体メディアのグロースを補完し加速させる位置づけかなと思います。

分散型メディアの最有力プラットフォームであるFacebookで、メディアパブリッシャーのリーチが減少しているニュースはよく耳にします。しかし、Facebook LIVEで上手くやれば、Facebook上でのプレゼンスを高めることはできます。

2017年中には、Facebook LIVEで勝ち上がる新たなプレイヤーが出てくるのではないでしょうか。既存のメディア・パブリッシャーはFacebook LIVEに対応できるのか、はたまたキュレーションメディア時代のように、新たなプレイヤーが登場し、市場を席巻するのか。個人的にFacevook LIVEは1つの注目領域であり、プレイヤーとしても強化していきたいと考えています。



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