「この会社を買収すべきではない理由」をプレゼンして買収された企業の話

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オリジナリティという言葉や概念が昔から好きではあるのですが、それを形作る要素は何なのか。今後ますますオリジナリティある人とコモディティーな人の格差は拡大していきます。もっとオリジナリティを磨かなければ。。そんな時にこの本に出会い、京都のホテルオークラで読み耽っていました。

マーカーをつけてtwitterでシェアしながら読んでたのですが、その中でも特に気になる箇所をピックアップして掘り下げましょう。

前提の話なのですが「既存のものを疑う」人って実はあまりいません。皆さん日々目の前のものが不変な当たり前のものとして、牧歌的に生きておられます。

目の前のルールやシステムも人によって作られたものであり、いかに可変であるかを意識すべきでしょう。

ルールを強いる側からすると、ルール・クラッシャーほどうざいものはありません。ゆえに、創造性の高い子供は教師に嫌われやすいのでしょう。

いわゆるジョブズの「コネクティングドッツ」です。複数分野について知り得なければその組み合わせを生み出すことができない。「日本3.0」というNewsPicks佐々木編集長の新刊も最近読みましたが、そちらでは教養の重要性を強調されており、幅広い教養を持つことで、組み合わせの引き出しが増え、結果的にオリジナリティに好影響を与えるのではないかと感じました。

これは「ディズニーに買収されたスタートアップの話」なのですが、「この会社を買収すべきでない理由」というプレゼンが誠実な印象を与えて非常に良かったと。詳しくは本書で読んで欲しいですが、人は売り込みを嫌う一方で「〜すべきでない」と言われるとついしたくなってしまうという心理を逆手にとった、オリジナリティ溢れるプレゼンといえます。

これは本書の中でも私が最も気づきだった点。生産性重視派ですので、大抵の仕事をぱっぱと片付けてしまいます。あえて煮込んだ方が時にはより良いものが出てくると。

私が暇であることの正当性が証明されている…!(すいませんギャグです)とはいえ、労働時間の長い人のパフォーマンスが良いとは限りません。往年のブラジルのFWロナウドはほとんど守備をせず前線でだらだらしていましたが、決める時には決めます。90分中、5分くらい仕事をすれば良い。それが決定的な結果となる。

実は「最小限しか仕事をしない」って好きでそうしているわけではないし、結構辛いんですよ。でもとりあえず仕事して時間潰しても何も結果を生み出せなければ、考えることに時間を使い、決定的な結果を生み出す方が全体へのインパクトは強いわけです。

起業家はタイミング大事ってよく言うけど、数字で示されると説得力ありますね。

ビジネスは最速か最高が成功すると、サイバーエージェントの藤田さんが仰っていた気がしますが、成功確率を上げるには市場の過熱ぶりが冷めた頃が良いという指摘も本書ではありました。

全会一致で投資した案件より、議論が割れた案件の方がリターンが良いという説も耳にしたことがあります。誰にでも理解できる代物では、大した差にならず利益になりにくいのかもしれません。

ざっくりピックアップするとそんなところでしょうか。記事タイトルはTheStartupの読者に馴染みがありそうなものを引用しました。普通、こういう記事のタイトルは「書籍ORIZINALSの心に響いた点10選」とかそういうものになりがちだとは思いますが、わざとそうはしませんでした。

オリジナリティに関心のある人には一読を薦めます。コモディティー栽培マンは読んでも憂鬱になるだけだと思いますので、栽培マンにはお勧めしませんが。



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