旧クロスカンパニーのストライプが子供服ECのスマービーをM&A(買収)

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ここ1,2ヶ月、スタートアップM&Aの動きが活発だ。

私も愛用するトムブラウンや、スタートアップでいうとバスケットを買収し傘下に持つクロスカンパニーが2016年3月に「ストライプ」へと社名変更。今後、上場を目指すという。

同社は子供服フラッシュセールのスタートアップであるスマービーを買収したと2016年10月31日に発表。買収金額は非公開だが、本誌では10億前後と予想する。

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尚、TheStartupでは投資仲介事業としてスマービー社の直近の2015年7月の資金調達ラウンドの一部を仲介している。その関係もあり、スマービーについては一切過去記事でも触れたことがない。(ポジショントークと思われるリスクを避けるため)。スマービー代表取締役遠藤崇史氏とは、遠藤氏のUmeki Salon入会時に接点を持った。

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こちらが遠藤氏。本人Facebookプロフ画像より。

遠藤氏はTech Babiesというブログを2014年頃に運営していた。本誌のコアな読者なら、ご存知の方もいるかもしれない。その記事を多少読んでいた筆者はその文章から「賢い人であろう」と予測し、実際にお会いした際にはDBJ出身であることからファイナンスの感度が高く、筆者の直感で「この人はM&Aまでは最低いくだろう」と踏み、投資仲介を実行。

直近ラウンドの株主にリターンは出ているとのことで、Umeki Salonからソーシングし投資実行した結果、クライアント企業およびTheStartupに利益をもたらしたという、筆者としては理想的な案件となったことを予め記載しておく。

遠藤氏は売却後も引き続き社長を担う。今回のM&Aの狙いについてスマービー遠藤CEOに話を伺った。

Q:売却先にストライプを選んだ理由や見込めるシナジーは?

1:明確な事業シナジー
・ECで最も重要なMDの強化が見込める。もともと、ストライプもスマービーの仕入先である
・物流・決済手数料等のコスト削減(グループとしてのボリュームディスカウントが効く)
・チームのカルチャーフィット
・ストライプクラブからの送客 

2:ストライプの役員陣の魅力
・レポートラインが石川社長はじめとした役員
・石川社長に毎月相談できるなら経営者として大きく成長できると思った
・結果として経営者としての自分が成長することで、ユーザーや社員も幸せにすることができると思った

ストライプはアパレルコングロマリットであり、ECスタートアップのEXITの受け皿として今後機能していく可能性がありそうだと感じた。クロスカンパニー時代の2015年1月決算では売上1,110億で営業利益80億。上場すれば確実に時価総額1,000億は付くであろう。

スマービー自体は子供服という買い替えサイクルの早い市場のため、ヘビーユーザーの購入回数が増え、結果的にARPUが高まると本誌では推測。米国ではZulilyというECがスマービーの類似市場にあたるが、テレビショッピングネットワークのQVCを所有するLiberty Interactive Corporationが2015年8月に同社を24億ドルで買収している。買収後も、事業はまだ伸びているようだ。

ちなみにTheStartup調べによると2016年国内スタートアップ企業M&Aは本件で20件となり、Umeki Salon所属のCEOとしては、AppBroadCast、サムライト、ゴロー(ハゲラボ)、に次ぐ4件目のM&Aとなった。Umeki Salon所属で20%のM&Aシェアとなっている。

Umeki Salonでの日々のディスカッションが、スタートアップのM&A実現へと微力ながら役立っていれば幸いである。

尚、TheStartupがアレンジした投資仲介案件は5件あり、ロケットベンチャーに次ぎ2件目のEXITとなった。



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