1ヶ月ぶりにメディア論です。
AneCamが廃刊になたりと、紙メディアの凋落ぶりは歯止めが効きませんね。そんな中、東京カレンダーでは読者を招いたイベントを開催しました。
編集者というのはとてもファジーな存在であるのですが、本来的には黒子であるという点ではVCと似た構造です。輝かせる作家やライターやメディア、投資先のポテンシャルを最大限引き出す。
書籍編集の方でも「コミュニティが大事だ」的な記事を見たことはありますが、サロンのようなコミュニティサービスを運営してきた私からすると、twitterでわいわいやってるだけのものがコミュニティであるとは思えません。
しかし、編集者が編集する対象が記事や書籍といったテキストコンテンツから拡張し、ターゲットユーザーにそのコンテンツ体験を深めるための仕掛けができる人が、今後大きな差別化を生み出せるという点に異論はありません。
よって、今後の編集者はテキストコンテンツのみならずイベントやオンラインオフライン問わずコミュニティを運営できるスキルが求められる(厳密には大抵のメディア関係者はそんなことに気づいていないため、潜在ニーズである)と思います。
特にイベントをオーガナイズできる人材は、幹事力が高いとも言い換えられるでしょう。オンラインサロンの運営など、巨大イベントのオーガナイズに似たところがあります。サロンを一人で回せるようなキャラの人は、次世代編集者に向いています。
その点では、はあちゅうにしろイケダさんにしろ、プレイヤーとしてだけではなく、明らかに編集者的能力も高い人々ですね。強力なプレイヤーが編集者もできれば、それに越したことはなく、その分利益率が上がる(編集者不要なので)のは言うまでもありません。
オフラインは一見非効率だがエンゲージメントは上がる
メディア、パブリッシャーとしての従来のようにテキストや動画以外のコンテンツを作り続けるだけでは立ち行かなくなる。
一方でイベントなどでユーザーとコミュニケーションをとるのは、負荷も高く一見非効率に見える。しかし、ユーザーの立場に立つと、いつも接しているメディアの中の人と会えるのはなかなか楽しい機会である。私かてユーザー視点では、「あのメディアの編集者と会えるなら、ちょっとイベント行ってみようかな」と思うこともある。
編集したコンテンツではなく、ユーザーにとっては編集者自体がコンテンツになる。それを自覚している編集者は実はかなり少ない。会える編集部であるとか、メディアという虚像を、どれだけリアルに落とし込んで実像に繋ぎ込めるか。そこまでやるとユーザーにインパクトがあるので、そのメディアへのロイヤリティは確実に上がる。ユーザーのLTVが最大化する。
思考としては確信が持てたのですが、言うは易し行うは難しです。私もサロンのイベントは気まぐれでやっているくらいなので、ちゃんとやらなくては…w
面倒ではありますが、ユーザー接点を増やし、オンラインでもオフラインでもコミュニケーションする。それがユーザーのエンゲージメントを上げ、強いてはLTVを上げる。この考え方こそ、本質論ではないかと。
ネットワーク広告で1PV0.3円で稼ぐとか、クソです。そんなメディアは生き残りません。