C Channel編集長が語る、「なんか見ちゃう」動画5つの法則

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先日のUMEKIカレッジvol.3のC Channelに学ぶバズる動画のレポート。

C Channelは2016年3月に月間動画再生回数が1億回を超えるなど、ブイブイ言わせてますね。下記のような記事も出ていたのですが、下記の記事から気になった点がありまして、それをイベント中に掘り下げていきました。公開取材のようなスタイルですね。

人気になったコンテンツは、いろんな要素の掛け合わせで生まれているので何とも言えないのですが……。先ほど挙げた例もそうですが、テーマにしている題材だけでなく、動画にしたときに、過程に「?!」という驚きがあることはひとつ大切な要素だと考えています。

引用元:編集長就任後3ヶ月で月間再生1億回を突破!C Channel編集長に聞く動画メディアの育て方

いろんな要素の掛け合わせで生まれているので、何とも言えない……だと?

何とも言えないわけはないだろう。こうしたファジーな点にこそ金脈が眠いっているのです。その「いろんな要素」をヒアリングしていった結果、5つに集約できた。

この5つを抑えれば、君も動画編集者としての一歩を踏み出せるかもしれない……!

1:明日真似できる手軽さや実用性があるか

あ、これなら私もできるかも!という手軽さがあるか。

この動画は、アイスクリームをチンして溶かすという「Wow」(次に出てくる要素)もありつつ、これなら自分も家でやれるじゃん!というレベルのもの。ヘアメイクやクッキングの動画が現時点でC Channelで人気のジャンルということだが、明日にでも真似できる手軽なものが特に人気とのこと。

手軽に悩みを解決できる動画は需要があり、一方でダイエットなどの手軽とは言えない動画は、明日にでも真似はしにくく、かつムービージェニック(後述の要素にある)でもないため、動画とはさほど相性は良くないのではないかとのこと。

2:動画の過程に「Wow」があるか

これが一番目から鱗な話であった。再生回数が伸びた動画の中に、もちろん「Wow」がないものもあるのだが、「ん?これ、なんだろう?」と思わずにはいられないようなものが、再生回数が伸びる傾向にあるとのこと。その「Wow」を意図的に動画の中に組み込むことも大事なのであろう。

これはネイルの中に水が入っているもの。日本のネイル技術の高さもあり、海外でも再生回数が伸びて、現時点での再生回数は1,400万回を超える。現時点でのC Channelの歴代トップの再生回数がこの動画だそうだ。

3:その動画のテーマがコピー化されているか

これも「!」と思ったのですが、世の中の動画って「ただ動画にしました」というような無目的であり、動画になったことで満足しているパブリッシャーが多いと感じています。日頃youtubeやInstagramで動画を見ているとCGMがほとんどなので、特にそういう動画が多いのでしょう。

この動画はヘアメイクで「ギブソンタック」というヘアアレンジが自分で簡単にできるというもの。それを「セルフギブソンタック」と呼ぶことで、やや強いコピーとなり、なんか見ちゃう動画を仕上げるための隠し味のようなものかもしれない。この動画は、再配信と合わせて100万再生強とのこと。

動画の冒頭でテキストが入り、「これは何の動画だろう」とユーザーにしっかり認知させる。テキスト記事のタイトルほどCTRを左右するわけではないようだが、印象的なコピーがある動画とない動画では、引きが全く異なるであろう。

他のコピー事例としては「サイド片寄せヘアー」とかもあったようだが、山崎編集長といえばby.S時代の「セルフプレジャー」があまりにもインパクトが強すぎて、つい思い出してしまった。2014年10月の記事のようだ。

「セルフなんちゃら」は山崎編集長の専売特許なのかもしれない。ちなみに東カレWEBでも連載名をつけるときに「東京◯◯」「◯◯カレンダー」「◯◯ラバー」とかをつけておけば、それっぽくなるだろうという安易な法則がある。

4:ムービージェニックか否か

フォトジェニックという言葉があるように、ムービージェニックという言葉もあるようです(造語かは知らない)

静止画が最適な女性、動画が最適な女性、生(リアル)が最適な女性は異なるそうです。確かに美人なのに写真映り悪い人いますよね。

ここで面白かったのが、山崎編集長曰く「動くと性格が出る」ということで、静止画でごまかせたものでも、動画だとその性格の良さや悪さが滲み出てしまうんだとか。

C Channelの場合はあくまで女性向けメディアであり、おっさんはターゲットではないことから、セクシー系よりも元気に!明るく!的な雰囲気を動画で伝えられる子を重宝しているようです。

5:無目的に動画にするのではなく要点を絞れ!

よく早送りしている動画を見かけると思う。あれはスマホユーザーがせっかちなので、2-3倍速にしないとすぐ離脱されるからかなと思っていたのだが、そうではなく、その動画の中で伝えたい箇所にフォーカスし、それ以外の場面は極力省略し、濃淡を付けるためであるとのことだ。

クッキング動画によくあるが、クッキング中は早送りし、完成品を食べるときは通常の速度に戻すとか。伝えるために、何を強調すべきか。それが動画においては、早送りと通常速度という、スピード感で演出できるという点は、私にとっては盲点だった。

C Channelはハウツー動画がメインであり、ハウツーの構成、起承転結は大体同じ。「テーマがあり、こうやって作ります、こんなWowもあるよ!、ドヤ!(完成!)」てな感じではないか。

ただの女子会のような、しかしそれが重要な、企画会議

ここからは5つの要素から離れて、動画の企画をどのように考えているのかを聞いた。山崎編集長曰く、「材料を持ち寄って、わーきゃーいえる環境を用意するのが大事」とのことで、女性の思いつきを引き出すべく、意図的にそういった会議体の設計にしているという。ガチガチに事前に企画を出させるのではなく、その場のノリや盛り上がりで決めるという。

Umekingさんのような人は、うちの企画会議には出席できないですね。(山崎編集長)

なんと酷いことを!(涙)ここでいう「Umekingさんのような人」とは、ノリが悪く、ガチガチにデータドリブン型であり、やや否定的な人間である。という意味だと思われる。

ただたしかに面白い、跳ねそうな企画というのは私の実感値からも女性のアイディアであることは多く、そういったアイディアを引き出すための環境づくりはもっと考えたほうが良いのであろうと、反省しました(笑)

2016年5月時点のC Channelでは感覚的には1,000万再生はホームラン、100万再生の動画はまあまあヒット、くらいの水準のようです。

すでに様々なメディアで語られている事業数値は本稿では記載しませんが、C Channelグロースの背景には、ヒットした動画の要素を抑えて、再現を狙うというコンテンツのPDCAサイクルが機能していることと、Facebook運用の強さがあり、それは山崎編集長がby.S時代に培ったノウハウが活かされていると推測します。

ぶっちゃけ、2015年秋くらいまでのC Channelはさほど伸びているイメージがなかったので、プロデューサー1人入れるとここまでサービスってグロースするんだなと再認識しました。C Channelのグロースには2月くらいにはFacebookでよく見かけるようになったので、気付いていましたが、C向けサービスのグロースの確度は跳ねる時は半端ないですよね。

私の印象としては、山崎編集長は上手く仕組みを作るタイプというよりも、感性で当てるタイプに思えました。とはいえ、本人は施策の中でホームランを打つというよりは、ヒットを積み重ねる、打率を上げることを意識していると言っていましたが。by.S時代に「Facebook運用を死ぬほどやった」という話もあり、案外閃きだけで突破するより、努力もできる方なのかもしれません。

編集長・プロデューサー職はアート的な側面があり、ルーティンに陥ってはいけないと、私も大いに刺激を受けました。

山崎編集長のプロデューサー論として、この記事は読んでおいたほうが良いと思います。マス向けのヒットを飛ばせる人は、マスに何がウケるのかを考える習慣を持っているようです。

女性系メディアが担うべき、本来の役割 
引用元:山崎ひとみブログ

筆者の耳にはTBSにとどまらずC Channelは大型調達しているという話も聞こえており、IPO路線なのだと思います。CGM要素もありますし、結構スケールすると投資判断noteとかでも以前から書いています。おそらく、スマホ動画C向けメディアの覇者となれると思うのですが、ジャンルは違えど、スマホ最適C向け動画アプリとしては、Abema TVと市場を競っていく感じになるのかもしれませんね。



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