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TechCrunchがいい企画をやっていますね。前身はCNETの企画であり、2015年予測を見つけられなかったので、2013年2014年のVCの予測を検証したいと思います。VCを敵に回しそうな企画ですが、彼らかて百発百中予想が的中するわけではなく、10発中1発当たれば成り立つこともある商売です。誰の予測がたしからしいかは、検証すれば見えてくると思います。

参考記事：日本のVCが予想する2016年のスタートアップ・トレンド

2013年の検証：残念M&AのFabがくる！と思われていた

参考記事：2013年に注目すべきサービスはこれだ–ベンチャーキャピタル編

各々の方々があげた注目サービス（上場企業は除く）を検証します

◼︎ITV小川氏
・スマポ：2013年10月に楽天がM&A
・Adafruit Industries：？
・Square：2015年10月にIPO

◼︎IVP小林氏
・スマートエデュケーション：きつそう？
・Daguu Technology：？

◼︎NTT米倉氏
・Cyta.jp：2013年9月にクックパッドがM&A
・Twilio：2015年7月にシリーズEで130M米ドル調達

◼︎GREE堤氏
・サービスEC（スタフェス、Retty）：共に2015年10億以上調達

◼︎サンブリッジ平石氏
・Language cloud：その後聞かない
・Babelverse：2013年5月のシード調達が最後

◼︎GCP高宮氏
・Cyta.jp：2013年9月にクックパッドがM&A

◼︎CAV田島氏
・Backplane：2015年5月にコンバーチブルで5M米ドル調達だがきつそう
・Fancy：2015年2月シリーズDで20M米ドル調達だがきつそう
・Fab：残念M&A

◼︎ユナイテッド丸山氏
・Whytelist：終了
・nakamap：まだある？
・The Daily Beast：生きてはいる

◼︎YJ小澤氏
・Fab：残念M&A

ちなみにFabに関してはTheStartupも2013年初頭に記事を出しておきながら、華麗に外しています。お恥ずかしい限りです。恥を忍んで晒しておきます。

汚点：次代の時価総額10億ドルサービス：Fab.comは衝動買いを誘発するコマースサイト

2014年の検証：案外皆メインのトレンドに触れなかった

参考記事：2014年に注目すべきサービスはこれだ–ベンチャーキャピタル編

2014年の日本国内のトレンドは「キュレーションメディア」「クラウドソーシング」「C2C」あたりだったと思うのですが、フリルとスマニューを挙げた方が一人ずついたくらいで、グノシーやメルカリ、クラウドワークスやランサーズに言及したVCは一人もいませんでした。

とはいえ、2013年にこの3つのトレンドの動きはアーリーステージであり、2014年を占う際に「来年くる！」という予測もできたはずですが。既に市場コンセンサスとなっていて無視した。とは思えない時代感なんですがね。

◼︎ITV河野氏
・XICA：2015年5月に2億調達
・TransferWise：2015年1月にシリーズCで58M米ドル調達

◼︎IVP小林氏
・freee：2015年に45億調達
・Mixeerbox：？

◼︎NTT安元氏
・フリル：2014年10月に10億調達
・Axeda：2013年８月のシリーズC以降動きなし

◼︎KLab長野氏
・スマートニュース：2014/2015年に約50億調達
・Coin：2014年5月にシリーズAで15.5M米ドル調達
・Ring / PlugAir：パッとしない印象

◼︎GREE堤氏
・KAIZEN PLATFORM：2014/2015年に累計9億前後調達
・Domo：2015年7月にシリーズDで235米ドル調達

◼︎グローバルブレイン中川氏
・ホワイトプラス：2015年2月に4億調達
・ラクスル：2015年2月に40億調達

◼︎GCP高宮氏
・UpWorthy：2013年9月にシリーズAで8M米ドル調達。最近元気ない？
・TubeMogul：2014年7月ナスダックに上場
・Stupeflix：2012年1月のシードラウンド以降動きなし
・Magisto：2014年2月にコンバーチブルで2M米ドル調達
・Viiber：2014/2015年に累計10億調達

◼︎ユナイテッド丸山氏
・Kiddy：生きてる？
・Pairy：きつそう。Couplesに分がある
・TransferGo：2015年12月にシードラウンドで2.5M米ドル調達

◼︎YJ小澤氏
・死に関するサービス：みんレビが2015年8月に2.85億調達

◼︎リード鈴木氏
・Fancy：2015年2月シリーズDで20M米ドル調達だがきつそう
・Pintrest：直近時価総額1.3兆
・Uber：直近時価総額6兆

参考記事：時価総額1兆円以上！超有名未上場企業6社の直近Valuation

以上です。指摘のように、VCはメインとなるトレンドを見過ごすこともあれば、トレンドを勘違いすることもあります。もちろん、予想が当たっていることもあります。

本誌で主張したいのは、バズワードに振り回されないこと。「高宮さんがくるって言ってるから、動画はくるに違いない！」とか思わずに、自分の頭で考えてくださいということです。その結果、予想を外したのであれば、なぜ外したのかをしっかり検証することで、自らの血となり肉となります。自分に言い聞かせている感もあるのですが、よくよく考えたいところです。

関連記事：VCの予想を集計：2016年スタートアップトレンド分野8つの考察