ヒットコンテンツはtwitterが加速させている。そして再現性はある。

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今に始まった話ではないのですが、ユーザーとして最近何度か体感した話。

若者のテレビ離れが一般化しつつある流れにおいて、2年前に半沢直樹がヒットしたりしましたが、回を追うごとに視聴率を伸ばした要因の一つに、ソーシャルで話題になっていたことが挙げられます。Facebookやtwitterで「倍返しだ!」とか見かけているうちに、なんかよく見かけるし今週日曜は家にいるから見てみるか。あれ?面白いじゃん!となるという。現に僕も半沢直樹は初回とか見てないですが、いつからか見はじめて、結果的に原作もkindleで全部読みましたよ。

前回の記事に引き続きテラスハウスネタで恐縮ですが、今放送している「TERRACE HOUSE BOYS & GIRLS IN THE CITY」はNetflixで先行放送しているのですが、少し遅れて地上波でも放送しており、昨夜12.7月曜の放送時間に「テラスハウス ツイートナイト」と称したプチイベントを実施。テラハメンバーがOAを見ながらツイートしており、OAなど彼らからすると数週間前の話であり「あの時はああだったな」とかそういう裏話をtwitterでしていました。

今まではTV番組を見ながら「下町ロケット」で検索したら、関連ツイートがたくさんでてきて、それを軽く楽しむという手法はあったと思います。テラハのツイートナイトは以前あったのか知りませんが、実際の登場人物たちが裏話を交えながらOA中にツイートしていくという手法は面白く、そして一般ユーザーのmentionに普通にレスしてるんですよね。

これは握手理論で、レスしてもらったユーザーはしばらくテラハを見続けますし、「うっちーがレスしてくれたの!」と周囲で話題にするでしょう。芸能人のtwitterでのコミュニケーションは選挙活動に似ていて、地道なことでもやればやっただけ返ってくるはずです。twitterは基本スルーなネット芸人の僕と違って、テラハの人たちは真摯で素晴らしいですね。

ヒットこのプロモーション設計を考えた方はセンスがあると思いますね。実際に昨夜「テラハ」はtwitterのトレンドワードになっていました。

これはTVに限らずWEBコンテンツにも応用できる話です。実際に東カレで連載している「女子図鑑」や「人生ゲーム」を読む体験として、記事を読んで完結するだけではなく、ユーザーによってはtwitterやNewsPicksのコメントを見て、それらを言わば副音声として楽しむこともあるでしょう。実際僕も担当編集の立場として、ソーシャルの声というのは参考にしますし、前回の人生ゲームでは「コンゴへの赴任」がバズっていて、「反応するのそこかよ!」と思って見ていました。

そしていうまでもないですが、ソーシャルのバズが新たなユーザーを呼ぶ入り口として機能します。「なんかバズってるから読んでみるか」と。その中の一部でも固定読者へ転換できれば全然OK。

結論として何を言いたいかというと、プチヒットしたコンテンツはソーシャルで増幅されてブロックバスター級の大ヒットコンテンツに育つことがあること(それは誰しもが知っていることではありますが)。コンテンツが面白いことは前提にありつつも、ハッシュタグや登場人物に語らせる「ツイートナイト」を仕掛けることで、神頼みではなく、仕掛けとして仕込むことで、再現確率を上げられるのではないか。ということ。

コンテンツパブリッシャーはコンテンツを作って「あとはどうか何卒!南無南無!」とかお祈りベンチャーキャピタルみたいではダメで、「どうすればそのコンテンツが爆発的に流通するのか」というプロモーション戦略もしっかり考えるべきでしょう。

その一つとして、TV番組のtwitterでの盛り上がり方を見て、「同時間性」が重要な要素だと感じました。すでに東カレでは曜日固定連載という形にはしているのですが「日曜21時掲載」みたいな告知をした上で、一気にリアルタイムアクセスを集めて、twitterで言及する人も増え、トレンドワード行きへ。というシナリオはあり得るなと思いました。「時間をコントロールするプロモーション」はクラウドファンディングとかに学ぶことがありそう。

雑誌から転換するWEBメディアの作り方としては、月刊誌のコンテンツポートフォリオの組み方よりTV局の組み方を参考にしています。Antennaも似たようなことを言っていました。

コンテンツ流通はスマニュー・ハックであるとか、ヤフー頼みとかプラットフォームに依存せざるを得ない側面もありますが、どこにも依存せず自力でバイラルさせるのもグロースハッカーの仕事です。その引き出しをいくつ持てるか。その辺をもっと突き詰めていきたいと思います。

twitterとTVの相性なんて話は目新しくはありません。しかし、仕掛ける側の視点に立つといろいろと見えてくるものがありました。



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