ポスト・オウンドメディア時代の広告主の最適解

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師走はIPO発表もないのでファイナンス記事はお休みしてメディア論に寄せます。

広告主の観点から見たメディア論を。

私は広告クラスタの人間ではないので門外漢であることは前提の上ですが、スマホを中心にネット広告への投下比率が増えているのは明らかで、広告主がネットで広告を打つ手段としては、従来のようなリスティングやアドネットワーク、(広告とは言わないが)SEOが主戦場でしたが、スマホ比率が高いメディアを中心とした動画広告や記事広告、果ては自らがメディア化してオウンドメディアを有するなど、打ち手が多様化してきました。

本誌ではオウンドメディアの可能性を多々論じてきましたが、幾つかの観点でオウンドメディアという存在は岐路に立たされているなと感じます。

1:やはり広告主の制約が厳しく面白い記事が書けない
2:Facebookアルゴリズム変更でオウンドメディアへの集客難易度上がった
3:単発的な認知であれば記事広告を出稿した方が数字が合う

1の話は当初からありますが、2に関してはコカコーラージャーニーのFacebookオーガニックリーチの減少やアクセス自体の減少という記事が出ていました。

上記では単に「Facebookアルゴリズム変更」としましたが、要はコカコーラージャーニーのようなメディアは広告でファン数を買ってきていたが、コンテンツがつまらないので反応率が下がり、結果的にオーガニックリーチが下がっただけだと思います。この問題は結局1に起因するのです。オウンドメディアで爆発的に面白いメディアは存在しません。

参考記事:コカ・コーラのオウンドメディア「ジャーニー」の試練 〜悩みの種はFacebook流入の減少

ただでさえ、スマホ上で様々なアプリの誘惑がある中でコンテンツの競争難易度は上がっているのに、制約があってつまらないコンテンツに見向きする暇人はいません。めちゃくちゃ面白いコンテンツがないメディアは勝てないのです。SEOで集客できることもあり、CPAベースでみる商材の広告主なら数字が合うこともあるでしょう。

しかし、多くの場合広告主の制約下にあるオウンドメディアは十分なトラフィックを確保できておらず、いくら広告主の思い通りのコンテンツになっているとはいえ、読まれていないのでは意味がないのではないか。よって、広告主にとって読まれないオウンドメディアに予算を使うのであれば、すでにトラフィック持ってるメディアに出稿した方が早いのではないかと。

ポストオウンドメディア

広告主にとって一番良い解決策は、自社商品と相性が良くそれなりのトラフィックを持つメディアと組み、そこに単発ではなく継続的に出稿し続けること。むしろ、そのメディアの中にコーナーを設ける。くらいにガッツリとした座組みで取り組むのが、一番効果が高いのではないか。と思うようになりました。

具体事例としてはレクサスとAntennaの座組みとか。メディア側としては大口クライアントは制約はあるものの、広告費をそれなり落としてくれるありがたい存在。一方の広告主はオウンドメディアで自力で集客・認知させるハードルが相当上がってきている中で、比較的大きなメディアとガッツリ組んだ方が、予算の使い方としては合理的に思えます。

広告主にとって、その商品の潜在顧客がいて大きなトラフィックを持っているメディアはどこなのか。Antennaのような二次キュレーションの場合もあるし、MERYのような一次キュレーションメディアの場合もある。広告主の観点から見ると、出稿先として魅力的なメディアはまだまだ少なく、ゆえにエッジが立っていてトラフィックを稼げるメディアの潜在的なチャンスはかなり大きいのではないかと思います。

広告主の視点では、そうしたメディアを発掘して組んで、どういうコンテンツを投下すると自社サービスの認知が上がるかという、枠買ったりオウンドメディア外注しとけばいいというのではなく、総合的なプランニングができる人材が必要。そういったマーケターはまだまだ少ないでしょうね。

オウンドメディアは万能薬ではなさそうだなと感じています。



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