なぜ僕たちは淡々とコンテンツを生み出し続けるのか

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こんなツイートを見かけて思ったことを。僕の場合は実はさほど多くの時間をかけていないと自分では思っています。週に5時間から10時間くらいです。TheStartupは実は最初は週1本気晴らしに何か書こうというくらいで始めました。

へこたれない人は書き続けるので。

へこたれるというのは、記事を出してネガティブな反応がたくさん来て嫌気がさすことをいうのだと思います。たしかにそういう嫌な思いをすることは未だに年に数回はありますね。NewsPicksに生息する栽培マンとか、本当に嫌いですし。

しかしそういうネガティブな反応は、僕たちがコンテンツを生み出し続けることを阻害する要因にはならないと思います。ネガティブな反応が数回続いて書くことをやめてしまう人は、書くことの愉しさ。ドストレートにいうと、書くことで得られるリターンを享受できていないんでしょうね。

TheStartupも5年目なのですが、これほどまでに適当で気まぐれな運営方針の個人ブログをメディアと言い張ることで、人によっては未だに個人ブログ扱いされますが、業界では「メディア」として一定の認知をいただいたと実感しております。

僕は基本的には自分が知りたいことを調べて書いたものは公開したほうがより多くのアウトプットを得られるからそのほうがいいだろうと思って書いたり、ネガティブな話でも闇に葬るより公開して議論を巻き起こしたほうがよかろうと思い、そういう話を書いたこともありました。

TheStartupで書き続けていて一番良かったなと感じたことは、このメディアがきっかけで多くの方と関わりが持てたことだと思います。

2011年1月にTheStartupを開設して2012年4月にUmeki Salonを開設したこともあり、他のメディアよりも僕個人と読者が繋がりやすい場を構築してきました。その中には神7的な方々もいらっしゃって、今でも多くを学ばせていただいております。TheStartupを書き続けていなければ、そういう方々と知り合うこともなかったわけで、もうそれだけでかなりお得というか、書き続けるだけの十分なモチベーションであったと思います。

現在、東京カレンダーWEBの編集者ライターの採用をしているのですが、思いの外応募が多くてですね(まだ募集しているので腕に自信がある方はぜひ)。その中で「言葉を通じて、誰かの心を動かしたい」的な動機の方がいらっしゃったんですね。これはすごくよくわかるというか、実際にそういう経験を何度もしていると、それが書き手にとっては最大の報酬なんですよ。原稿料とかよりも何よりも。サロンはともかく、TheStartup単体ではさほど儲からないですしね。このクオリティの記事が無料でいいんですか?というツイートをたまに見かけて、嬉しくなることもありました。

他の書き手の方々の動機はよくわかりませんが、僕は熱心な読者の方にお会いして、読んでますよとか、あの記事が良かったイマイチだったと、フィードバックをいただけることが好きで、それが書き続ける最大のモチベーションになっています。ネットで一方的に言われるのではなく、直接会えて関係を築けた方がもう何百人もいるので。ネット上で一方的に悪口だけ言われるのは好きではありませんね。

cowork書き続けるとコンテンツが面白くなるかというと、それは一概には言えないと思います。僕かて昔書いた自分のコンテンツの方が面白かったなと思うこともあるし、作家の作品は処女作を一番面白く感じることもある。ただ、良い時も悪い時も書き続けることで、ベースとなる力は身につくし、多くのフィードバックをもらっているからこそ、コンテンツの精度が上がっていくというのはあると思います。

僕はインターネットの世界(に限らず雑誌もかな)で継続的にモノを書き続ける人が少ないことを残念に思っています。面白いことを書いているなという人でも、気づけばいなくなっている。なので継続しているだけで相当な参入障壁を築けます。皆さんモノを書くだけで生計を立てることは難しいので、本業が忙しくなって書かなくなるのでしょう。

様々なメディアに寄稿ばかりして、自分のメディアを持っていない人はイケてないなと思います。同じ記事を他人のメディアに寄稿して得られるリターンと、自分のメディアに蓄積し続けることで得られるリターン。短期的には前者に軍配が上がるけど、中長期的には圧倒的に後者のリターンが大きい。というか、前者では人に使われるライターの立ち位置から抜け出すことができません。短期的にはリスクある戦略ではありますが、個人で強いメディアなどほとんどなく、まだまだブルーオーシャンです。

なので自分のメディアを持ち、自分の言葉で語り続ける人がもっと増えてほしいと思いますね。それも自分の日常を綴るブログではなく、人に価値を提供するんだという視点があるコンテンツを生み出し続けるメディアという価値観で。

とりとめもなく書いたけれど、僕が淡々とコンテンツを生み出し続けるのは、読者からのフィードバックという非経済的な報酬があるから。全くなくても書くこと自体は好きだから書くんだろうけど、フィードバックというのは無自覚な人も多いかと思いますが、案外動機としては大きいものです。

本稿のタイトルを僕「たち」としたのは他の方の意見も聞いてみたいからです。この記事を読んでいるかわかりませんが、イケダさんやはあちゅうにも「なぜ書き続けるのか」を聞いてみたいですね。



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