2本目は働き方の話題です。今回のブロガソン参加者は5名全員がフリーランスという、一般社会からみるとはぐれ者たちでお届けしています。
ソーシャル界隈でも「ノマド」とか「フリーランス」という言葉がよく炎上しているのを見かけます。
つい先日、過去ログに追記した、同年代のIT系サラリーマンへ:〜まず「The Salaryman」からはじめよ〜 に後編の「日本社会の課題はATM化したサラリーマンにある」編を追記したよ という非常に長ったらしいタイトルの記事を出しましたが、ソーシャルで見る限りだと、それなりの同意と、一部の批判を得られたようです。
本稿では先日の記事の続編のような感じで、起業やフリーランスという働き方について思うところを綴ります。
■会社に依存することほど危険なことはない
多くの国内電機メーカーが1,000億単位の赤字を出し、大量にリストラを敢行していたりします。数年前のリーマンショックは、米大手投資銀行リーマンブラザーズの破綻はおろか、国内の不動産企業も多数倒産が相次ぐなど、「大企業神話」がまた一つ崩れた象徴的な出来事でした。
ちょうどリーマンショックにあたる時期に就職活動をしていた私は、リーマンおよび同業他社から内定切りされる知人たちをみて、「サラリーマンの儚さ、弱さ」を思い知りました。私自身も間接的な影響かと思いますが、リーマンショックの影響からか会社の方針で所属していた投資部門を縮小され、部署移動させられた後に、エロマンガの検閲をするという仕事に従事した過去を持ち、軽く鬱に陥った経験があります。
この時の自らの経験を元に、「会社に依存することは危険だな」と思いました。私は若かったから良かったものの、40代で会社都合でリストラなどされたらどうするのでしょうか。景気も悪く、その人に市場価値もないと見なされれば、ホームレスの道が見えてくるでしょう。
■起業やフリーランスこそが安定への近道である
短期的には、成功リスクを鑑みると、起業やフリーランスはリスクが高いと思われるのですが、中長期的には最も安定するのが起業やフリーランスであると思います。
自分が経営者であれば会社都合でリストラされることはまずありませんし、フリーランスでも自分でサービスをやっている場合はおろか(堀江氏のようなメルマガモデルなど)、クライアントビジネスであっても、複数社のクライアントがいれば5社中5社からいきなり取引停止を喰らうリスクは、会社員としてリストラされるリスクより低いはずです。
最も安定しやすいロールモデルは中小企業の社長だと思います。それも家族経営とかの。上場していないので、給料をどれだけ取っても誰かに指摘されにくいですし、家賃や食費を経費計上できます。そういう中小企業経営者の話を聞いたことがあり、これがサステイナブルにできれば美味しいモデルだな!と感銘を受けたことを覚えています。
■でも誰しもにお勧めできることではないよ
ただ、この道は誰しもに推奨できる道ではなく、むしろほとんどの人にはお勧めできないでしょう。ビジネスの立ち上げが得意か、個人をブランド化して売るスキルに長けた人でないと、継続することは難しいと思われます。私自身も来年の今頃はどうなっているかわかりませんw
万人にお勧めできる働き方ではないのですが、一生サラリーマンとして雇われの身でいるのはどうなのでしょう?上記のスキルがないための消極的な判断といえるのではないでしょうか?
大企業のエース的なエリートサラリーマンもいるでしょうが、大企業でエースになれるくらいの人材であれば、自分で何かやった方が稼げるし楽しいんじゃないでしょうか?所属する会社に愛があり、会社の未来を背負いたいぜ!その事業で世界を席巻したいんだ!というほどでしたら、素晴らしいとは思うのですが。
■市場に振り回されるのではなく、市場を創る方が勝つ
ビジネスは仕組みを創った方が勝つ仕組みになっており、「仕組みに乗る側」にいると、市場に晒される立場になり、なかなかそこから抜け出せません。よって「市場価値」とかに振り回されるのではなく、「自ら市場を創る」方が最初は上手くいかずリスクも高いでしょうが、中長期的には安定するでしょう。
私自身は敢えて市場が形成されていないものにチャレンジする機会が多いです。失敗もあるでしょうが、市場価値という抜けられないボックスにハマらないように気をつけています。シナリオプランニングすると、たしかにホームレスになるリスクはありますが、「ある日突然会社からリストラされて転職もできない」という最悪のリスクは回避できるのでは。
■こんな話はトレンドでもなんでもなく、昔からある話
私自身は学生時代から起業やフリーランスを志向していました。(いつかそうなるんだろうな。程度でしたが)時代性が後押ししたという面は否定はできませんが、起業やフリーランスなど「自営業」「士業」として昔から普通にある働き方です。農家は自営業ですし、弁護士や会計士などは士業です。こういう働き方は珍しくも何ともありません。
それが「ノマド」という多義的な解釈ができる言葉が一人歩きし、自分を不遇に思うサラリーマンの琴線に触れ、炎上することが多いのではないでしょうか。自分を不遇に思わないサラリーマンはこういう言葉に反応すらしないでしょう。
働き方は人それぞれですが、起業やフリーランスなど歴史的に見ると何も珍しくない普通のことですよ。目新しい職種っぽいものが生まれてきているだけで。一人歩きする言葉に惑わされず、自分の頭で考えたいですね。