人は悲しいくらい忘れていく生き物。スマニューで読んだ記事もグノシーの記事も。

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webではウンコピペ記事が横行しているという言い得て妙な表現な記事を見かけました。これはキュレーションメディアやバイラルメディアがこぞって同じネタを取り上げたり、Aというサイトの記事をBというサイトが(ほぼ)コピペで作るという話です。

webメディアの今後について少々考えたい。

「一次取材は偉い」は小学生のような幻想に過ぎない

実際に、キュレーションメディアはオールドメディア(一次メディア)出身の人たちにこうした「ウンコピペ記事」を粗悪乱造するので嫌われますが(LINEの田端さんは「バイラルメディアはダサい」と言っています)、それなりの読者が付いているということは一定の規模の読者が支持しているということでもあります。

「紙で培った力が〜」「一次取材が〜」みたいな話は一理あるとはいえ、幻想な側面もあるとも思っています。取材記事>取材していない記事とも必ずしもいえないわけで、取材しない方が良い内容になることも全然あります(取材対象者の妙な検閲が入らずに済む)。

TheStartupでは滅多に取材をしないわけですが(むしろ趣味程度)オピニオン記事は取材をすることで逆にオピニオンが歪むリスクもあります。スタートアップビジネスに関しては「我が社はグロースしている!前年比3倍だ!(その前年の数字がクソみたいな数字なので3倍でも大したことはない)」ということは往々にしてあります。

「一次取材 VS コピペ編集」という論点が上述の「ウンコピペ記事論争」のセッションであったそうですが、必ずしも一次取材が偉いとは思えません。もちろん、コピペ編集には辟易とするわけですが、「一次取材」が偉い!みたいな説は「時間かけたから認めてよ!」と言っているだけな気がして、自分が書いた記事が数字にダイレクトに表れない、紙らしい発想だなと思います。「頑張ったから認めろよ!」は小学生的発想ですよね。

PV戦争からいち早く抜け出すにはやはり「ブランド化」か

実際に、webメディアではコピペの応酬でPV戦争という消耗戦の側面が元々あったのですが、キュレーションメディアなどの登場がこうした傾向に拍車をかけていきました。

そして人々のwebメディアでの接触傾向の多様化から「分散型メディア」という考え方が2015年に入ってから国内でもよく聞くようになりました。分散型メディアではもはやメディアは従来の記事をベースとした形のHPを持つ必要がなく、各チャネルに最適化したコンテンツを投稿していけば良いという極論まであります。

メディアの本質的な価値はなにかということを捉えると、ブランド力だ!という話になってきており、「これからのメディアはブランド力を付けることが大事だ!」という風潮になっています。

従来の考えではキュレーションメディアは新興勢力なのでブランド力がないという風に思われています。meryとCamCanではまだ後者のブランド力の方が強いでしょうが、webでの接触頻度で考えるとCamCanはもう読まない。mery読むわ。というユーザーも増えていると思われます。キュレーションメディアでも突き抜ければその辺までいけると思いますが、そのレベルに到達できるプレイヤーはごく僅かでしょう。

一方で冒頭で紹介した記事の中にあった、NewsPicksはPVを捨てているそうで、いかに課金に繋がるかというところをKPIにしており、コンテンツを外出しすることを意図的に避けているようです。はてなと化したNewsPicksにはユーザーとしては嫌気が差して、僕はもうあまり見なくなりましたが、ブランド価値を上げるメディア戦略としては正しいアプローチだと感じました。

meryのようなキュレーションメディアのアプローチとしてはブランドがないのでまずはPV戦争を勝ち抜き、その後ブランド化を図るのが最適なアプローチ。NewsPicksはニッチ領域でブランド力を高めながら、最初からPVを捨てた戦い方をしている。

「月に30分」から「1日1分」へメディアの可処分時間

メディア価値の指標として「滞在時間」が上げられることもしばしばある。雑誌であれば購入ないしは立ち読みで、1度あたり30分くらい(あくまで感覚値)そのメディアのコンテンツにまとめて触れる機会があった。

しかし、スマホ時代においては「30分かけて」そのメディアを熟読することはあまりない。「接触頻度」が高ければユーザーにそのメディアは想起されやすくなり(ブランド力が高いといえる)同じ30分であっても「1日1分」程度接触されるメディアが強いのではないか。

より高頻度でユーザーに接触してもらうにはどうすればいいか。

記事本数を増やしたり、各チャネルの最適化をしっかりやるというのが地道なことなのであろう。これを「PVのため」ではなく「ブランド力を高めるため」にやるのがポイントである。

PV戦争で一喜一憂するのではなく、PVに紐づいてブランド力がしっかり上がっているのか。スマニュー経由の10万PVよりも、ダイレクト訪問の1万PVの方がブランド価値という観点では高いのではないか。

ブランド力を高めるには何をすべきか。もっと考えられることがあるように思える。最後にキュレーションメディアの風刺歌をお届けして終わりにしよう。

人は悲しいくらい忘れていく生き物
スマニューで読んだ記事も グノシーの記事も

これが全てを物語っていると思う。

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Tomorrow never knows

Tomorrow never knows 〜webメディア編〜

とどまることを知らないwebの中でいくつもの
コピペされる記事を眺めていた
売れなすぎて消えた帰らぬ雑誌の面影を
キュレーションメディアに重ねたりして

無邪気に記事をコピペできるほど
とにかくPV欲しがっていた
分かり合えた友(他のメディア)が作った記事でさえも

グロースすることできずに今日も痛みを抱き
夢中でPV集めるけれど まだブランドはできず
調達も撤退もないままコピペなレースは続いてく

人は悲しいくらい忘れていく生き物
スマニューで読んだ記事も グノシーの記事も

今よりPV稼ぐためには
コピペを避けて通れない
そんな風にしてwebメディアは今日も回り続けてる

果てしない闇のコピペにoh oh手を伸ばそう
誰かのために取材してもoh oh PV never knows
コピペのまま僕はゆくのさ 誰も知ることのないメディアへ

コピペだけじゃ生きられない
ブランド選んだ人もいる
再び僕らは出会うだろう
この広いネットの世界で

果てしない闇のコピペにoh oh手を伸ばそう
伸びることないメディアなら いっそコピペして
少しぐらいコピペされたっていいさ oh oh ブランドがある?
誰かのために取材してもoh oh PV never knows
コピペのまま僕はゆくのさ 誰も知ることのないメディアへ



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