けんすうさんのコミュニティマネージャー職を作ったよという話に触発されて。
実は昨日4月18日でUmeki Salonも丸3年経って今日から4年目の運営だったりします。コミュニティービジネスとして自分一人が食べられる規模に育ち、メディアの新たなマネタイズ手法として最近は注目されるようになりましたが、僕が開設した2012年当時は「何それ?そんなの成り立つの?」と田端さんにあしらわれたことを覚えております。
けんすうさんの記事の「コミュニケーション」と「コミュニティ」の違いは興味深い話でした。
コミュニケーション:線(2人で成り立つ)
コミュニティ:場(3人以上いる)
コミュニティを成立させるためには、コミュニティマネージャーが存在した方がいいこともあります(なくても成立することもある)。実は僕はサロン運営をやる前からコミュニティ的なものには興味があったので、そこで学んだことをいくつか紹介します。
複数のキーマンの存在がコミュニティ活性化に必要
もはや読者の方のほとんどが知らない情報でしょうが、僕はソーシャルアパートメントというシェアハウス(厳密にはシェアハウスではなく「ソーシャルアパートメント」というカテゴリーと主張していた)のマーケターを務めていました。2010年から2011年のことです。その仕事をしていた際に、The Startupも立ち上げたんですね。このメディアを立ち上げたとき、僕は不動産屋だったんですよw
僕はいちユーザーとしてソーシャルアパートメントシリーズの物件に引越し、「シェアハウスで形成されるコミュニティってどんな感じなんだろうか」と興味があったんですね。その後恵比寿の物件を担当し、「月9より月9っぽいライフスタイルが送れる」というコンセプトを勝手に掲げて、それっぽい入居者を増やしていきました。
既にオープンしていた物件を途中で引き継ぎ、空いた部屋に新規のお客さんを入れていく。シェアハウスなので、部屋や家賃のスペックを重視するのではなく、「いかに楽しそうな雰囲気」を作り、そこでの生活をイメージさせることに僕は重きを置きました。そこで大きく痛感したのは、コミュニティというのは複数のキーマンがいないと成り立たないということです。
コミュニティマネージャーというのは文字通りコミュニティを先導する存在なのですが、このコミュニティマネージャーがジャイアン的なリーダーシップを発揮する存在だとワークしなかったりします。「何かやろうぜ!」的なリーダーシップを取ることも大事ですが、極力多くの人と分け隔てなく仲良くやりつつ、適切な距離を取れる人が向いている気がします。良い意味で他のコミュニティメンバーを差別しないフラットさが求められます。
こうしたバランス感覚の優れたコミュニティマネージャーがいた方が、コミュニティ形成の初速はワークします。シェアハウスに喩えるならば、オープニング時はそういうキャラの人がお客さんにいると重宝しますし、そういうキャラの人は既に出来上がったコミュニティに入るより、自分でコミュニティを作る方が好きな場合が多いです。
しかし、一人のコミュニティマネージャーだけではコミュニティの継続的な活性化は難しいのです。そこでキーマンを複数立てることが「コミュニティの賞味期限」を伸ばすコツになります。僕の体験で振り返ると、シェアハウスには可愛い女性の入居者を増やすことにより、物件コミュニティが活性化したという事例がありました。
バランス感覚のあるコミュニティマネージャーを軸に、キーマンを複数配置する。これがコミュニティが継続的にワークするコツであり、Umeki Salonで実際にやっていることです。たまたまですが、けんすうさんとかがキーマン的な役割を担ってくださっていたりしたわけです。
そして多くのコミュニティにいえることですが、コミュニティには賞味期限があり、同じメンバーで継続していくと1年くらいが盛り上がりますが、それ以降は飽きてくるというのがあります。これ実はUmeki Salonの最近の課題であり、そろそろまた起爆剤を入れないと飽きられるなと思っています。コミュニティ運営は結構大変なんですよ。イケダさんのサロンとかは最近始めたばかりですから、賞味期限がまだまだ長そうです。
ファシリテーション力がコミュニティーマネージャーに必須
コミュニティーマネージャーの仕事はコミュニティーという場を創ることですが、場を引っ張ること以上に、ファシリテーション力が重要だと思います。けんすうさんは「場にいる人たちに対する強烈な興味と愛情がないと無理です」と言っていますが、こうした感情をベースにファシリテーションや交流を促す力が求められるのだと思います。
何かトピックがあって、人に話を振り、話題を膨らませる力。これはイベントでのファシリテーションであったり、合コンでの幹事的なスキルであったり、グループディスカッションでKYな発言を繰り返すだけでなく「あなたはどう思いますか?」と他の人から意見を引き出す力であったりします。
たしかに、相手に話を振って膨らませるには、相手に対する興味や最低限の知識がないと難しいのかもしれません。この点で僕はコミュニティーマネージャーとして際どいラインにあると思っており、興味がある人とない人けっこう分かれますし、その興味も「強烈な興味」というほどではなく「興味本位」程度の興味なんですね。コミュニティに参加している人にとっては、当然興味を持たれた方が心地良いわけで、誰も自分に興味を持ってくれないなんて、そこに存在する意味ないじゃんと思ったりもするわけです。
なのでコミュニティマネージャーは場にいる人に強烈な興味や愛情があったほうがベターなのですが、一定以上のファシリテーション力があればなんとか成り立つのではないかというのが僕の見解です。Umeki Salonは実際そうなんですよ。
コミュニティーマネージャーって育成できるの?
場にいる人たちに興味と愛情を持ち、バランス良くみんなと仲良くして場をファシリテーターできる。これが僕が考えるコミュニティーマネージャー(の素養)です。
けんすうさんは、こういったコミュニティーマネージャー的な人とはほとんど出会ったことがないと言っていますが、そんなに市場にいないものなのでしょうか。超わかりやすくいうと、学級委員長とかクラスに1人いたはずで、学級委員長経験者がみんなできるわけでは当然ないんですが、そういった人はそういうことができる素養が少しはあるはずなので、そういう人をwebコミュニティーサービスに最適化すればいいんじゃないかなと思ったりしました。
サロンを上手く運営するためにも、僕もコミュニティーマネージャー的スキルをもう少し磨きたいものです。みなさんからのコミュニティーマネージャー論をお聞きしたいですね。
Umeki Salonでは今月は「サロン内の人から紹介を受けると4月は無料」というキャンペーンをやっていますので、ご興味ある方はぜひ。