次の買収はここだ!キュレーション・バイラルメディア5選

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DeNAによるiemo&mery買収に続いたエニグモによる4meee!買収。スタートアップ界隈ではキュレーションメディアの買収はもうないという説もあるが、本誌ではまだまだあり得ると予測する。

そこで、次の買収ターゲットとなるであろうキュレーション・バイラルメディアを本稿で5つ紹介する。事業会社のM&A担当者はぜひ目を通していただきたい。

M&A curation

注:全て各小見出しの画像から各サイトにリンクを貼っているので飛べます

1:あこがれのライフスタイル提案メディア「Locari」

スクリーンショット 2015-03-02 13.48.32まずはLocari(ロカリ)。ライフスタイル提案というコンセプトを標榜しているが、女性向け恋愛ファッション領域という観点では幅広くいうとmeryや4meee!と競合する。「あこがれのライフスタイル提案」という意味ではちょっと高飛車な女性が好みそうということもあり、サイバーエージェントのby.Sが最も近しい領域であろう。少しだけカカクコムのキナリノにも近接する。

スクリーンショット 2015-03-02 13.50.49ちなみにここ数ヶ月で結構伸びているが、SimilarWebによるとリンク元で強いのがクラウドワークスとランサーズとなっており(今はランサーズの比率が下がっている)クラウドソーシングサイトで量産していると思われる。それを鑑みると、模倣困難性が低いという判断もでき、M&Aを検討する際に「自社でやるからいいわ」と判断されかねない。しかし、時間を買うM&Aという観点ではアリである。

運営元のWonderShakeはかつてスタートアップ界隈で「俺のwonderがshakeしている!」という下ネタがバズったような気がしないでもないが、本誌では回収不能銘柄と見ていた。公式リリースはないが2014年中にアドウェイズから1億円を調達したという説もあり、その場合はバリュエーションは最低3-5億円となっているであろう。奇跡のEXITなるかに期待したい。

2:おいしい毎日が、暮らしを豊かにする「マカロニ」

スクリーンショット 2015-03-02 13.56.40続いてはグルメ系のマカロニ。外食内食どちらに特化するわけでもないですが、やや内食比率が高い印象。B級グルメや季節感あるコンテンツの打ち出し方がうまいですね。案外、スマートニュースで見かけますが、SImirarWebによるとグノシー経由のトラフィックが一番強いみたい。

スクリーンショット 2015-03-02 13.57.57遷移先のTOPは食べログ。食べログやクックパッドと相性が良いでしょうが(食べログまとめっていうのも始まりましたしね)食べログやクックパッドってこういうサイトを買収するってことはやらない気がするんですよね。

一番近い競合はDeNAのCAFYになる感じでしょうか。食べログとクックパッドに買収されるならDeNAに買収されるか、CAFY対抗でGREEによる買収があるかも。運営元のトラストリッジは資金調達をしたという話は聞きません。独自運営っぽいから売却しないのかもな。数億円台前半〜中盤で買えそうなイメージですが。

3:とっておきの旅行情報「Find Travel」

スクリーンショット 2015-03-02 14.06.23続いては旅行系。旅行系はいくつかあって、SimilarWebの順以上ではトリッピースのReTripの方が強いんですが、メディア特化ということでFind Travelを紹介。

スクリーンショット 2015-03-02 14.07.22ReTripの場合はトラフィックの一部がトリッピースに流れてくれ的な広義のメディアコマースといえます。Find Travelは現状サイト内で予約できるとかあまりないので、マネタイズポイントをどう内包できるかがポイントですが、楽天トラベルやじゃらん、フォートラベルに買収されてそこの集客エンジンと化すのが最適なはずです。FindTravelの運営元はHPを見る限りは資金調達情報は載っていませんね。

旅行系のメディアといえば、メディアではないのですがreluxのFacebook運用が非常に上手いイメージで、reluxにとってはFacebookがメディアの役割を果たし、定常的に集客できていると予測します。ペーズファン数は22万。

4:世界とつながるネクストマガジン「TABI LABO」

スクリーンショット 2015-03-02 14.17.194つも5つ目はあのバイラルメディアたちを。運営者自身はもうバイラルメディアとは言っていないかと思いますが、世間的にはバズニュースの派手な炎上により類似銘柄と捉えられています。

スクリーンショット 2015-03-02 14.18.49TABI LABOはやはり2014夏のバイラルメディア炎上祭りの直後はだいぶPVが下がりましたが、以前の水準近くまで復活してきています。世論的に一度良くないイメージが付いたバイラルメディアとはいえ、数字はちゃんとあるのです。FBのファン数も18万近くあり、トラフィックの大半はFB経由。

実はバズフィードが日本上陸の際にTABI LABOを買収すると本誌では大胆予測も出しています。資金調達の発表は過去にありません。こっそりしているのか、ネイティブアドで生計を立てているのか。

◆参考記事:バズフィードへの売却から逆算するバイラルメディア勝利の方程式

5:より良い暇つぶしを届けるメディア「CuRAZY」

スクリーンショット 2015-03-02 14.25.39なんかロゴがショッカーっぽいですが。トリはCuRAZYとしました。「笑うメディア」を標榜していましたが、夏のバイラルメディア祭りで笑えないメディアとなってしまいました。ですが、TABI LABO同様そこまで数字は落ちていない印象。

スクリーンショット 2015-03-02 14.27.11最近はCuRAZY内で3分ほどのオリジナルドラマ動画をやっているのを見ました。バイラルメディアは転載とかで最初にトラフィックを集めて認知を上げ、その後オリジナルコンテンツでユーザーを定着させるっていう手法はありそう。

CAVやDeNAから1億円資金調達しており、本誌ではその際のバリュエーションは4-5億と予測します。数億円台中盤〜後半でなら買えそう。

キュレーション・バイラルメディアの成長サイクル

2014年に新規参入が相次いだキュレーション・バイラルメディアですが、その運営手法にはいくつかのパターンが見られます。下記のような循環が多そうです。

①:とにかく記事本数を増やす!
②:記事本数が増えれば固定読者が定着しやすくなる
③:Facebookに広告費をぶっこみまくる
(FindTravel以外の4つはFBファン数10万を越えている)
④:FBなどの流通チャネルを最大化しつつコンテンツを流す
⑤:PVが増えていく

FBのファン数ですが昔のソーシャルメディアマーケティング全盛期と異なるのは、おそらくインドネシアとかで1円で買ってくることはせず、ちゃんと日本のユーザーをターゲティングしてファン化していると予測される点。

コンテンツの勘所をおさえたプロデューサーがいて記事を量産できる体制を作れれば、FB広告に投下する予算がある方が有利なビジネスです。

■求められているコンテンツは、ユーザーが決める

キュレーションメディアやバイラルメディアのコンテンツがゴミだ論争もありましたが、コンテンツがゴミかを決めるのはユーザー次第です。そしてマスのユーザーが好むのはNewsPicksのようなビジネスマンから見た質の高いコンテンツではなく「お持ち帰りできる4つの方法」的なゴミコンテンツの方を好み、結果的には多くの読者に読まれます。

本誌の「ファンドリターン予測」とか頑張って書いても、大抵の女性読者にとってはゴミコンテンツなわけです。ゆえにローコストオペレーションで大衆向けにゴミコンテンツを量産するビジネスが十分成り立つんだと思う。

■既存メディアにとっては嫉妬交じりの脅威(と実感する)

ローコストオペレーションで記事数を確保して、PVをガンガン上げていく手法は、東京カレンダーのようなオールドメディアのWEB最適化を進めていく上で、事業者としては脅威に感じるようになりました。画像の著作権云々の問題はありますが、半分はたしかに著作権違反してるからというのと、半分は嫉妬でキレているんじゃないかと思います。

キュレーション・バイラルメディアはPVの観点でみればニュースメディア勃興期の次のトレンドのようなものです。ただ、記事本数とPVを追うのは消耗戦に陥りやすいので、既存資産を生かしたメディアのWEB最適化において、僕は月額課金路線に振ったわけです。

ということで、キュレーション・バイラルメディアの存在感はオールドメディアにとってみれば嫉妬も交えてガヤガヤ言っているだけで、実は大変な脅威であります。ダサイという人もまだまだ多いけど、僕は脅威に感じます。

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