スマホ時代では隙間時間の定義が変わる。
そんな話を耳にしたことがあるだろう。しかしその隙間時間の具体的な話はあまり聞いたことがないのではないか。LINEなどのリアクションが必要なコミュニケーションサービスを隙間時間に利用することに変わりはないだろうが、リアクションを必ずしも要求されない受け身型コンテンツを我々はどんな隙間時間でどのように消費しているだろう。隙間時間のシチュエーション別に考えると傾向が見えてくる。
①:信号待ちやレジでの5秒:タイムライン型とスワイプ型
プレ・スマホ時代ではおそらく隙間時間と定義されなかったのがこの時間。信号待ちやコンビニのレジで並ぶ間にスマホを見る人は多い。おそらくガラケー時代ではメールチェックくらいしかなかったはずだが、主にタイムラインを要するサービスのチェックは5-10秒程度の隙間時間でも十分可能。
■タイムライン型のサービス
Facebook、twitter、instagram、NewsPicks
■スワイプ型のサービス
Tinder
5-10秒の隙間時間を制するサービスは下記の2つの条件を満たす必要があると考えます。
①:クリックしてページ遷移せずに楽しめる
②:ページの読み込みが速度が早い
まずタイムライン型の解説から。twitter、instagramだと5-10秒で咀嚼できるのが5-10ツイートや写真3枚くらい。Facebookはテキストも写真も動画もあることからその中間くらいで、スクロールして気になったものがあれば目を留めるくらい。ざーっとスクロールするだけでも情報ってあたまに少しは入ります。
全く違うのはNewsPicksで、あくまで記事を読むキュレーションメディアなのですが、記事の読み込みがクソ遅いことはユーザーであれば知っているはずで、記事を読むために使いません。コメントは一覧でざーっと読めるので、僕は自分の記事にコメントがついている時は5-10秒程度の隙間時間で確認します。NewsPicksで自分の記事に付くコメントは基本全て目を通します。だからクソなコメントは非表示にしたいのですが。
もう1つスワイプ型のサービスも上げてみました。Tinderが代表的ですが、異性の顔の好みを判断するのは1枚につき1秒あれば判断できるでしょう。信号の待ち時間で5枚くらいスワイプしていた気がします。今は全然やっていませんが(Tinder全然マッチングしないのは僕がモテないから?)。Tinder型といえば英単語学習のmikanはここに分類できるでしょう。
5-10秒程度ではクリックしてページ遷移してたら終わってしまいます。よってページ遷移しないタイムライン型かスワイプ型のコンテンツを僕らは楽しんでいます。そして時には0.5秒程度で済む「いいね!」というアクションをします。記事は読んでいないけど、記事に「いいね!」だけしているということは、言えないけどよくありがちなことであろう。
②:エレベーターの中や歩きながら30-60秒:①の延長と?
よほど短い記事や動画であれば30-60秒でも消費できますが、基本的にエレベーターや歩きながらは①のタイムラインかスワイプの消費で終わるでしょう。しかし、この時間で一つ思い当たるものがありました。それはオンラインサロンのコンテンツです。
僕自身が発信者である一方で、メンバーの皆さんからコメントをいただきます。オンラインサロンのコンテンツにフォーマットはなく、僕の場合長文を投稿する場合もあれば、FYI的な短いコンテンツを投稿する場合もあります(例:イトクロが今年上場するらしいですねー云々ザッツオール)。
それに対するコメントを読む長さとして30-60秒くらいが適切で、その場で返信することはできませんが、けっこう楽しめます。ユーザーに聞いても、記事を読むほどの時間はないが、サロンで要約されている話は重宝しているという方がいました。
大事なことなので強調します。
記事を読むほどの時間(3分)はないが、サロンのコンテンツを読む時間(30-60秒)はある。
この30-60秒に適したコンテンツは記事でも動画でもまだあまりない気がします。TVCMは15-30秒が多いですから、動画はそのうち1分以内にアジャストしてくるでしょうが、テキストは1分以内で読める記事形式より、Facebookに少し長文をポストする程度の方がコンテンツフォーマットに合う気がする。ここはまだスイートスポットだなと個人的には思います。ミディアムが取りたいスペースってここなのかもとも。
③:電車での1駅分の移動2-3分:記事や動画の閲覧
1駅分移動する2-3分の時間があればようやく記事を1本ゆっくり読めたり、動画を1本視聴する時間ができる。しかし、スマホ時代の隙間時間の定義では僕は3分以上は隙間時間とはいえないと感じています。ゆえに、咀嚼するのに3分以上かかるコンテンツはスマホとは相性が良いとはいえない。
理想は2分までといったところでしょうか。僕はユーザーとして動画を見ていて1分以上になると耐えきれず離脱することが多いです。音楽は別で、YouTubeで音楽を聞きなら移動することは多いですが。記事、動画の閲覧経路は下記のパターン。
■タイムライン経由で間接流入
ソーシャルメディア(Facebook、twitter)
キュレーションメディア(グノシー、スマートニュース、NewsPicks)■アプリ経由で直接流入
YouTube、cakesなど
日常的にユーザーが利用するアプリの平均数が8個であるということを考えると、多くの人がソーシャルメディアやキュレーションメディアをいくつか利用していることを考えると、残りの枠を争うのは競争率が高い。
参考までに僕の場合で考えるとソーシャルメディアはFacebookとtwitter、キュレーションメディアはNewsPicksとグノシー。これで4つ。毎日開くアプリ数を8と仮定すると残りは4枠。
基本的にはソーシャルメディアやキュレーションメディアを回遊し、それでも時間があまれば他のアプリに飛びダイレクトにコンテンツを消費する。それが僕にとってはYouTubeでありcakes(たまにホイチョイ)ということになる。CGM型であればRettyもここに入る。
以上自らのユーザー行動を振り返って仮説を立ててみた。事業者側は自分たちのサービスやコンテンツは具体的にユーザーのどの隙間時間で消費されるのかをより詳細に想定した上で最適化を図ると良いだろう。
そして30-60秒が今であればスイートスポットだ。
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内容の参考:ネットの未来を予測するには歴史を学ぼう、動画分科会を始めてみた
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