2015年は本格的にサロンブームが到来するかもしれない。元サッカー日本代表岡田監督のサロン開設も控える中、各主宰者はどのようにサロンを運営しているのか。老舗サロンであるちゅうもえサロンを運営するはあちゅうさんと村上萌さんにサロン運営について聞いた。
ちゅうもえサロンは、ファンクラブではなく「サークル」
最近、開設2周年を迎えたそうですね。
そうなんです。運営している私たちは気づいていなかったのですが、2周年を迎えた日にちゅうもえサロンのメンバーの皆さんが100人くらい色紙に2周年おめでとうというメッセージを書いてくださっていて、それをサプライズで知らされて知りました(村上さん)
私、サロンを始めて人って温かいんだなって思えたんですよね。
(はあちゅうさん)
お二人は知名度も高いし、カリスマ性もあります。外から見るとファンクラブなのかと思えなくもないのですが、その辺はいかがでしょう?
サロンを始めてすぐに、ファンクラブにならないように気をつけなくちゃと思いました。ファンクラブだと私たち自身がコンテンツとなってしまい、私たちが飽きられてしまうと、場としての魅力がなくなってしまう。
ファンクラブのようにファン対アイドルではなく、フラットに対等に意見交換するサークルのような形態の方が機能する。私たちはそのサークルの真ん中にいるだけなんですよ(はあちゅうさん)
入会してくださっている方は情報を得ることが目的というよりも、ちゅうもえサロンというコミュニティに属すことに居心地の良さを感じてくれている方が多いと感じています。
ちゅうもえサロンはサークルなので会社と違って上下関係もありません。そういう場にニーズがあったのかもしれません(村上さん)
サロンで何が行われているか:ハッシュタグや活発な分科会
サロンの中では何が行われているのでしょうか?僕もサロンを運営していますが、コンテンツ内容はサロンごとに全然異なると思います。
定期的なモノと不定期なモノがあって、私は月曜日に今週の予定を書き込みます。萌ちゃんは週の終わりにこんな一週間だったと振り返りを書き込みます。日曜日にはお悩み相談というコーナーもありますし、ブログには投稿していない裏投稿のようなコンテンツもあります(はあちゅうさん)
インスタグラムで「#ちゅうもえ」というハッシュタグを付けて、どんな週末を過ごしたかを皆さんに投稿してもらうこともあります。(村上さん)
「分科会」というものもあるんですよね?僕のサロンにはないので、詳しくお聞きしたいです。
分科会はサロンメンバーの方が主宰する、ちゅうもえサロンメンバー限定の別グループです。
始まりは私が神戸に拠点があったこともあり、関西でオフ会をしようということで、数百人いるグループの中でイベントを立てるのではなく、別でグループを立ててそこに集まってもらうようにしたんです。
すると結構集まって、それがそのまま分科会になりました。「ちゅうもえ関西」という風に(村上さん)
ちゅうもえサロンに属している人は感性が似ている人が多いと思う。より小さな単位で趣味を共有したり、同じエリア同士で繋がるとか。
私たちはちゅうもえサロンを回すことが優先なので、分科会には入らないようにしていて、実際にどれくらい数があるかも把握していないくらい。ちゅうもえサロンで横の繋がりが増えていくことは、嬉しいことです(はあちゅうさん)
はあちゅうと村上萌って一体何者?
少し話が逸れますが、はあちゅうさんと村上萌さんってどんなお仕事をしているのでしょう?
私はトレンダーズを9月に退社してから主に執筆活動をしています。
30歳になるまでに小説家になりたかったのですが、まだなれていなくて。実は新人賞にこっそり応募したりしています。
今までは文章が上手くなるにはとりあえず量を積むことが大事だと思って書いてきました。
しかし、月の〆切原稿が28本ある月もあり、量を生産するだけではなくもっと熟成させたモノを書いていきたい思うようになり、今は連載を減らしていっています。職業としては「ブロガー/作家」ですね(はあちゅうさん)
私はライフスタイルプロデューサーという職業を名乗って、メディア型のプロデュースチームを持っています。WEBではNEXTWEEKENDというメディアを展開し、企業タイアップイベントも実施しています。週末をちょっと楽しくしたい、ライフスタイルの向上心が高い女性向けのメディアです。最近では動画制作もやっています(村上さん)
繊細で人間らしい人が、サロン運営には向いている?
はあちゅうさんはサロンを1,000人規模にしたいという話をどこかでされていたと思います。僕のサロンでは機密情報ちっくなことも扱うため、規模のスケールに躊躇いがちなのですが、規模を追うことについてどうお考えなのでしょうか。
現在ちゅうもえサロンは900人弱ですが、まずは1,000人突破を目指したい。twitterを始めてフォロワーが1万人を越えてから別の視界が開けたんです。1,000人もサロンにいれば何かあれば何かしらに通じている人がいる確率が高いわけで、それって面白いことだと思うんです。
影響力を付けたいとかそういうのではなく、サロンのメンバーとともに成長していくような感覚を味わっていきたいんです(はあちゅうさん)
今までお二人でサロンを運営されてきて、運営のコツというかどんな人がサロン運営に向くと思われますか?
小さなことにクヨクヨできる人が向いていると思います。人間っぽいというか、繊細で気にしいな人。たとえば、あの人のコメントには「いいね!」してて、他の人のコメントには「いいね!」できてないとかを、気にかけることができるような人(村上さん)
芸能事務所からもサロン運営について聞かれることがありますが、ドメジャーな人は他で露出が多いこともあり、向かないかも。サロンにする意味がない。それよりも知る人ぞ知る人や、一緒に何かプロジェクトをやるような動き続ける人、自営業的な人の方がサロン運営には向くと思います。あとはソーシャルメディアを自分自身の感覚で使いこなせているかも重要じゃないかなと(はあちゅうさん)
誰のサロンなら入ってみたいか?という振りに対しては、あまり回答がなかった中で、Umeki Salonでも僕がこの人のサロンなら成立しそうと思った、「高城剛サロン」はお二人とも一致で、たしかに入ってみたい。とおっしゃっていた。
ちゅうもえサロンの特徴はサークル的なコミュニティ運営とその拡張性にあると取材を通して感じた。Umeki Salonはシリアルアントレプレナーなどの神々を頂点としたピラミッド構造型にしたし、それでいいとは思っているのだが、あまりにも正反対のサロン運営手法は参考になる点が多かった。主宰者のキャラクターが反映されることは間違いないだろう(僕は排他的..)。
「コミュニティ」という居場所としての捉え方はサロン運営者はもっと考え抜く必要がありそうだ。有料メルマガのような一方通行的な情報受信に留まらない拡張性が、サロンにはある。
Groupedの理論ではないが、グループの人数がスケールするとそれはそれで限界があるため、そこから更に分科会のようにより小単位で細分化していくオペレーションは、理に適っていると感じた。
ということでUmeki Salonでも早速分科会を始めました。僕のところではまず僕が自分で立ち上げていきます。動画周りを研究する「動画ゼミ」を30名限定で立ち上げ、動画ネタで既にけっこう盛り上がっている。グループを分割していくと活発になるという仮説はその通りだなとさっそく思いました。
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500名突破のUmeki Salon30人限定の分科会「動画ゼミ」を始めました。
内容の参考:GCP、EXITへの圧力がキツい?
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