メディアの価値は従来はPVという単一的な尺度で測られてきた。昨今では滞在時間という指標も重視される気運が高まっているが、僕は感覚値としてPV=影響力とは捉えていない。例えばTech Crunch JapanがThe Startupの20倍のPVがあったと仮定して、その影響力はそのまま20倍なのか。必ずしもそうは言えないと思う。
僕自身、日々様々なメディアに読者として接触しているが、例えばグノシーで見る東スポWEBの記事はたしかにクリックして見てしまうのだが、東スポWEBが僕の日々の生活にすごく影響を与えているわけではない。癒されることはあるけど。
PVを稼ぐゴシップメディア以外のメディアの価値。それは読者に下記のようなユーザー体験を提供できているか否かが一つの指標になるかもしれない。
■メディアが読者に与える影響パターン
1:読者はメディアを通して新しい情報を得る。それを元に行動に移したり、思考するきっかけとなる(情報咀嚼完結型)
2:メディアで得た情報を媒介に他者とコミュニケーションする(コミュニケーションのネタ型)
3:メディアで得た情報を元に他者と議論することで新たな発見を得る(メディア起点コンテンツ生成型)
一般的なメディアの記事やメディアの存在は1と2で終わってしまうことが多い気がします。ニュースとは1の「新しい情報を得る」ことと、2の「その情報を元に他者とコミュニケーションする」ものであると思う。
例えば天気の話とかは2で使われる一般的なネタですが「今日は雨ですね」「いや、午後からは晴れると聞きましたよ」「そんな馬鹿な、僕は今日は一日雨と聞きましたよ!」などと議論を深めても特に学びはないでしょう。こうした深堀りする余地の少ないファクトだけ流していたのでは、メディアが発したコンテンツが読者間を流れることはあまりない。
一方で、「こんなニュースがありました。それについて僕はこう思いましたがどう思いますか?」という記事に対してはそれに対する同意や反対などの意見が出やすく、それがオフラインでも読者間のネタになり、その場での読者間の議論により、その記事を通して思考を深めることができる。そういう情報を発信するメディアがストレートニュースのみを扱うメディアより、読者に影響力与える可能性が高いのだと思う。
ただ単に記事を出してPVを追っているだけでは見えてこないものもあるはずで、読者にどういった読まれ方をしているのか。その点をメディア運営者はもっと考えて、様々な種類のコンテンツに挑戦していくことでしか進化はないと思う。
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