GQが好きです。雑誌よりWEBの方をよく見ます。月間100PVくらいは貢献している気が。メディア研究の一環でGQを調査しました。
こんな読者層。ちなみに読者平均年収は736万。高級誌のわりには低い気がした。
GQ:月間120万UU、530万PV、5万5千人FBファン
媒体資料にある定量的なデータをいくつか。
ここから読み取れることはGQはUUとFacebookファン数は多いものの、UU/PVが4.5程度でWEBネイティブといえるOPENERSやハニカムに負けている。ハニカムのUU/PVが27くらいなのは異常値だな。僕はハニカムは全く頭に入ってこないけど、一部のコアな読者に愛されているのがデータでわかる。GQの課題は回遊率の低さにある。
蛇足ですがPENのPVは50万程度なんですね。イケダさんの方がPVあるな。
Facebookファン数は約4倍の伸びだが、twitterは1.5倍程度。twitter自体のメディアパワーが国内ではやはり落ちていると思う。
僕もスマホでよく見る。メディアのトラフィックはスマホ>PCとなってないとこは、スマホシフトで遅れててヤバいんじゃないかと言われることもある。先日のグノシーチャンネルランキングで漏れていましたがGQの購読者は68,892人。スマートニュースにもチャンネル提供していますが、こちらはVOGUE/GQ/WIREDというコンデナスト連合のチャンネルとなっています。僕はVOGUEは読みませんので、チャンネルを一緒にするのかはユーザーフレンドリーではないと思いますよスマートニュースさん。
GQの数字の内訳は知りませんが、大手メディア各社の話を耳にすると、キュレーションメディア経由のトラフィック率はかなりの割合に上っているようで、各メディアはキュレーションメディア対策は抜かりなく必要かと。いつもの4大キュレーションメディアに次ぐ新しい大きなメディアが出てきてくれないかなと個人的に思っている。LINE NEWSとかじゃなくてね。
「ウーマン」「ラブアンドセックス」をフックに回遊させる
メディア全体の概要は媒体資料から掴めました。コンテンツの内訳を見ていきましょう。
■GQウェブカテゴリー別内訳(本数は月間想定)
ファッション:60本前後(ニュースが1日2本前後)
ウォッチ :5本程度
カー :10本程度
ライフ :40本前後(レストランバーが多い)
エンタメ :10本程度
コラム :5本程度(雑誌転載多い)
ウーマン :2本程度
モア :ビジネス20本、ラブアンドセックス10本程度
カテゴリーは8つ持っていますが、事実上「ファッション」「ライフ」「モア(ビジネスとラブアンドセックス)で回っているようなもので「カー」「ウォッチ」は広告主対策としてわざとカテゴリーで持ったのかなと推測。
「メンズファッション&ライフスタイル誌」を標榜していることもあり、案外ファッションの比率が高い。全体の4割くらいという印象。純粋なファッションメディアとしては上記の競合でいうとメンズクラブと当たるんでしょうが、GQのセレクトには品があるんですよね。メンクラは一歩間違えるとゲイナーになりかねない危うさ(安っぽさ)がある。
「ライフ」はトレンドとも言い換えられそうで、新しいレストランやサード・ウェイブコーヒー的なカッコつけたコンテンツを紹介。
ちなみにサード・ウェイブコーヒーの記事は6,600いいね!を獲得し、SEOでも1位と思われる。
サード・ウェイブコーヒーの記事をシェアする時、深層心理に絶対「俺わかってるぜ感」があると思うんですよね。ビットコインと並んで、「俺わかってるだぞ」ブランディングに必須なのがサード・ウェイブコーヒーだと見ている。
キラーコンテンツになっていると思われるのが「ウーマン」。記事本数は少ないが、本誌の情報の転載で作られることが多いこのコンテンツは、SNSで拡散されにくいもののPVは取れているようだ。
現にPVランキングを見ると上位5位のうちウーマンカテゴリーの記事が3本を占める。ウーマンカテゴリーの記事自体は圧倒的に少ないのに、男性の欲望は数字に正直に反映されている。
ぶっちゃけ、GQにおける「ウーマン」はハフポにおける「猫」の役割を果たしているバイラルコンテンツです。「ウーマン」ネタはシェアされにくいが、CTRは高い。そこを入口に読者が回遊していく構造。
お色気ネタといえば「モア」という「その他」に強引に括ったと思われるカテゴリーの小カテゴリーに「ラブアンドセックス」があり、ここのコラムを僕は結構スマホで読んでしまいます。
ちょっとHなお悩み相談室というコラムですが、ここにはメンズノンノなどにあった白黒ページ的な楽しみがあります。実は男性誌におけるこういうちょっとHネタは読者の定着率を上げるのに有効なグロースハックネタだと思います(我ながら強引なまとめだなw)
連載がフックで読者が定期的にメディアを再訪する。そして回遊していくという構造ができる。
コンテンツ全体を見ると雑誌転載、内製、寄稿、他媒体からの転載の4パターンでポートフォリオ組んでいる模様。寄稿は定期的なコラム。他媒体からの転載は主にWIRELESS NEWSから。雑誌からの転載がそこまで多いわけでもなく、半分以上はWEB編集部の内製コンテンツと思われます。
Facebookページの地道な運用でバイラル体質を高める
いずれの記事にもそれなりの数のいいね!(100以上)が付いている確率が高いのですが、その所以はFacebookページの運用を地道に頑張っていることが挙げられると思います。
Facebookページのファン数はもうすぐ6万に到達しますが、目視で確認したところ、Facebookページへの1日あたりの投稿数は10〜20回に上ります。これは一見ウザすぎないだろうか?と運営者であれば誰しもが躊躇したことがあると思いますが、1投稿あたりのリーチ率(ウォールに上位表示される率)に制限がある以上、露出が限られてきます。
めちゃくちゃ単純な話ではありますが、投稿回数が多ければ目に触れやすく、コンテンツ力があれば見てもらえる確率も上がる。GQのFacebookページは広告を打って伸ばしていったのではなく、投稿数を増やしたことでユーザーからのいいね!やシェアを伸ばし、自然流入を伸ばしたのではないかというのが僕の仮説です。
Facebookページで6万もファンがいれば0.5%の反応で「300いいね!」取れるわけです。グノシーやスマートニュース経由の流入率が上がっているんでしょうが、各流入チャネルを最適化していくことが、数字にダイレクトに跳ね返ってくるんだと思う。いい記事を出せば勝手に数字が付いてくるというのは傲慢な考え、いい記事を作るのは最低限の仕事。流入チャネルの最適化も努力すれば結果が出てくる。
GQから学ぶ3つのメディア運用のポイント
以上、夏休みのGQ研究でした。UU/PVの回遊率上昇がGQの課題と思われますが、UIは決して良くないですよね。特にPCが回遊しにくいというか、すごいクリックしにくい感じで1記事をページ分割しまくっている時がある。クリックする気にならず、離脱してしまうんですよね。
今回の研究から学べたことを振り返りましょう。
■GQから学ぶメディア運用のポイント♬
1:流入チャネルを最適化する(FBは運用努力で成果が大きく変動)
2:バイラルコンテンツ(PV取りやすい)を決め打ちで持っておく
3:雑誌初のメディアでもオリジナルコンテンツ頑張る
そんなとこでしょうか。雑誌連動女性メディアも研究したいのですが、お勧めメディアがあれば教えてください。
The Startupの読者であれば高確率でおそらくGQも読んでいると思います。そんな方はなぜGQを読んでいるのか。GQのどのコンテンツが面白いと思ったかなど、SNSで感想コメントをシェアしてもらえると嬉しいです。
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