今日はスタートアップのメンバー構成の話を。本誌の読者には採用にお悩みのスタートアップ経営者も多いでしょう。
新卒でいきなり参画するケースはまだまだレアで、スタートアップに参画するメンバーの多くは、どこかしらの企業を経た中途です。立ち上げ時のスタートアップは中途メンバーの寄せ集めなわけです。
インターネット系スタートアップに参画するメンバーの出身元を見ると、一番多いのは同業である大手インターネット企業でしょう。サイバーエージェント、DeNA、GREE、楽天、Yahoo!の5大企業が主となります。そこにリクルートのネット部門の人とか、Googleが加わるイメージ。同業界なので、わりと違和感なくスタートアップに溶け込める気がします。楽天やYahoo!はちょっとスピード感が遅い人が多いイメージがありますが。最近はGREEショック?によりGREE出身者へのスタートアップへの転職が非常に多い。
非インターネット業界でスタートアップへの参画が多いのは、実は外銀と戦略コンサル出身者ではないでしょうか。商社はRettyの奥田CFO、広告代理店はPairyの高橋CEOくらいが僕とほぼ同年代にあたりますが、福利厚生マンセーで保守的な日系大手からのスタートアップへの転職や起業はまだまだ少ないですね。メーカーからの参画も少ない。日系は言わずもがな、P&Gからスタートアップを起業というのもレアケースに見えます。
今回はタイトルにある通り、戦略コンサル出身者がスタートアップで働くことについて少し考えたいと思います。僕自身、いくつかのスタートアップで戦略コンサル出身者と働いた経験もありますし、外から見聞きしたこともあります。
結論、スタートアップ特に初期フェーズにおいては、戦略コンサル出身者はいらない。ないしはいても1人までが望ましいと思いました。プレIPOステージとかだと少し事情は異なるかもしれませんが。今回の記事タイトルは戦略コンサルの代名詞である「マッキンゼー出身者はいらない」としてみたわけです。理由を以下に。
■1:スタートアップ初期において戦略を考えるメンバーは最低限でいい
スタートアップ初期では、議論よりも実行に価値があります。戦略性がないのもよろしくないですが、考え過ぎても事業が進まないのでダメだと思います。戦略を考えるのは極論CEO1人で良くて、CEOが戦略家ではない実行にめっぽう強い人物であれば、側近に戦略家を置くとかが望ましいかと。
2人以上いると議論ばかりで前に進まない可能性が高まる。
■2:バックグラウンドが良い=成功する、とは限らない
僕が若かりし頃に少しだけVCをやった時に、今振り返ると自分はアホすぎるなと思ったことがあります。パブロフの犬の如く、経営陣のバックグラウンドがピカピカな企業はイケるんじゃないか。と思ったことです。
極端な例を挙げると「スタンフォードMBA?カッケー!絶対成功しますよ、投資しましょう!」という感じです。ちなみにそのベンチャーは現在はゾンビ化している気がします。逆にピカピカバックグラウンドの人たちばかりが集まっているスタートアップだと1に挙げた「議論ばかりで進まない」状態に陥り、事業推進が停滞するのではないかと思います。
ざっくり述べるとこんな感じ。もちろんマッキンゼー出身で成功している起業家の方も多くいらっしゃいますし、スタートアップに参画して活躍されている方もいるでしょう。しかし、スタートアップ1社にマッキンゼー出身者は大勢はいらない。むしろ2人以上いると弊害になるのではないか?(給与も高そうだし)という主張でした。
実際にスタートアップの経営者とランチしていて「戦略コンサル出身者、採用したいと思う?」と聞くと「いらないですねー、頭でっかちで使いにくそうです」という回答もありました。
僕は全くいらないとは思わないのですが、スタートアップ初期において戦略コンサル出身者の存在は事業推進の足枷になるリスクがある。少なくとも2人以上は採用しない方が良いのではないか。と思います。
この主張に対して、皆さんどう思われますでしょうか?
マッキンゼー出身者の方が大変優秀な皆様で僕もたまに議論相手となると答えに窮することもあります、気づきも多いので話していて楽しいことは事実。しかし、スタートアップには必要なんでしょうか?ぜひ元マッキンゼーや戦略コンサルの方々からのご意見や反論をお聞かせいただきたいですね。
今回の話に限らず、スタートアップでどんな人材を採用すれば機能するのか。どんな人材要件を作成すべきなのかというトピックには、スタートアップ経営者からの需要がありそうなので、今後掘り下げたいですね。
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