初期ユーザーにとって1つのlikeほど重要なものはない。投稿モチベーションを考察する。

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新年一発目。微力ながら今年も週1程度更新予定です。CGMサービスに携わる機会が多いのですが、自分の中で少し棚卸しを。今回のCGMは「主には口コミサイト系」(主なものだと2chや食べログ系)と定義します。

CGMはユーザーの自然投稿によるコンテンツが命である

今更いうまでもないのですが、特に立ち上げフェーズで「どうやって投稿を集めてくるのか?」というのは事業上の最重要課題と言っても過言ではないでしょう。

そこで具体的なオペレーションとしては「投稿の集め方」として「How」を 考えるわけですが、投稿を集めることに頭が行き過ぎているケースは少なくないなと思います。

そこで「ユーザーの投稿モチベーション」は何か。これを徹底的に突き詰めて、そのモチベーションを満たすようなサイト設計だったりプロモーション施策として考えることが大切だと思い、今回は「投稿モチベーション」の考察に絞って展開します。

ライフログを残したい(もしくは実利を得たい)

ライフログとしての楽しみ方としては「後で振り返って楽しみたい」「思い出として残しておきたい」などがあるようで、ブログはたしかに理解できるのですが食べログなどでもライフログ欲求に基づく投稿をするユーザーはいるようです。

実利を得たい場合はオークションサイトなどが相当すると思います。オークションの場合などは出品がめんどくさいけど利益を得たい!という明確なモチベーションがある。後述するポイントとはちょっと違うと思っていて、売却益が主目的。

どちらもtakeしたいからコンテンツをgiveする感覚かな。ライフログの場合は「投稿する過程も楽しくてそれがモチベーションになる」とかもありそう。

誰かの役に立ちたい(コミュニケーション欲求)

このモチベーションを持つ投稿ユーザーは「何かしらの反応」あることを期待して投稿していて、他のユーザーから何かしらの反応やフィードバックがあると嬉しく思い、それが繰り返されると病みつきになってより投稿してくれるようになる。(FBに投稿されるコンテンツは「いいね!」狙いが多いと見ていて思います)

純粋にライフログとして楽しみたいんだけど、結果的に誰かの役に立てれば嬉しい。それに反応があるとますます嬉しい。投稿ユーザーの承認欲求を満たすようなフィードバックサイクルを描くこと。ランキングやいいね!とかはわかりやすいフィードバックサイクルですね。

本当に誰かの役に立てるという実利的なもの(飲食店情報とか)もあれば
ただ単にじゃれ合ったり感情を動かすもの(この写真綺麗!とか)もある。giveした結果コミュニケーションのtakeがあれば嬉しいという感じ。

ポイントが主なモチベーションとなるサービス設計は長続きしない

CGMサイトではキャンペーンなどのスポットや恒常的に現金や現金相当のものと交換できるポイント施策で投稿を集めることをやることもありますが、これが主な施策となってしまう場合に続くのはポイントサイトくらいではないかと思います。あくまで①や②が主なモチベーションでありそれを後押しするサブのモチベーションでしょう。

①と②のユーザーモチベーションを満たすサイト設計が出来ていないにもかかわらず、いきなりポイントあげるから投稿してよ!というのは本質的ではない付け焼き刃な戦術であり、サービス生命を短くする危険性すらあると思います。

極力こういう馬に対する人参のようなモチベーションの持たせ方は控え、キャンペーンでワンショットで試すくらいがいいかと思います。

初期ユーザーにとっての1つのlikeほど重要なものはない

基本的には①と②のモチベーションのどちらかだけでユーザーは動いているではなく①と②の比重がユーザーによって異なるのだと思います。(どちらかだけという場合もある)私が特に着目したいのは②の承認欲求のモチベーションです。

投稿ユーザーのサイト内での体験として「投稿する」だけでなく「何かしらの反応をもらう」ということろまでを投稿の1つのサイクルだとすると(帰るまでが遠足ですよ的な感じ)この「何かしらの反応」をもらうことで1つの小さなユーザー体験が完成し、また投稿してみようかなという気になる場合が少なくないと思うのです。

これをすごくわかりやすく言うと「like」であり投稿したユーザーにとってそのサイトではじめてもらうlikeはそのサイトをリピートする鍵になるほど大きなユーザー体験だと思うのです。

この「投稿ユーザーにとっての小さな成功体験」がユーザーがそのサイトをリピートしようかなと半ば無意識的に感じ心が1cmくらいは動いているはずだと思うのです。(ログ欲求の比率が高いもしくはそれが100%のユーザーには適用されませんが)

なのでサイト提供者は、ユーザーのはじめての投稿にできるだけ反応してあげる仕組みを作る。最悪それはサービス提供者による手動のlikeでもいいと思うのです。その1つのlikeがリピーターを生みアクティブ率を高める。やりすぎてもスパムと思われるので「適度に」がポイントですね。

この重要性に気づいていながらも、実際のオペレーションまで落とし込めているサービスは、そんなにないかもしれません。実際にこのことを私が学んだのはmy365のメンバーたちからのlikeでした。本質を突いた「ザッポスばりの攻めのユーザーサポート」みたいなものです。笑。ありがとうございます。

ということでユーザー心理をもっともっと勉強していきたいと思う2012年のはじまりでした。



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