史上最年少上場を実現した起業家の素顔は「冷蔵庫を持たずパーチーを敬遠する非リアな男」

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本日、マザースにリブセンスが上場しました。今回の上場は特に代表の村上氏による「25歳という史上最年少での上場の達成」という点が話題を集めています。初日は公募価格990円に対し2,200円まで上昇。まずまずの出だしではないでしょうか。

あまりメディアには露出しない村上氏ですが、確かな関係筋からの情報を元に村上氏の素顔とリブセンスの今後に迫りたいと思います。

村上氏はストイックな「自称非リア」

史上最年少上場社長となる村上氏の素顔を伺うと、IT社長にちょっとありがちな奢りや傲慢さは全く感じず、素朴(なふりをしているだけかもしれない)な若者、という印象を受ける。会社と家で使用しているとデスクとチェアは全く同じものを使用。同じものを利用することによりパフォーマンスを維持したい。とのこと。

村上:「家には冷蔵庫がないんですよ。料理しませんしね」

奇遇なのかリブセンス経営陣には「冷蔵庫を自宅に所持しない人」が複数存在するようである。料理する暇があれば仕事しろ。という経営メッセージなのかもしれない。

村上:「BBQ(彼はこれをビービーキュウと読む)とかParty(同様にパーチーと読む)とか苦手なんですよね」

彼は刹那的で浅はかな交流を好まないらしい。この辺は奇遇なことに著者と趣味が合いそうである。いいですね、ストイックですね。

プライベートでこのような特徴的なエピソードを豊富に持つ村上氏。相当な効率主義者のようであり、その効率っぷりが各方面でエクセレントと讃えられるリブセンスのオペレーションに反映されているようである。

趣味はネットサーフィン。ネットサービスのことになると目を輝かせて語り出す。いつまでも。本当にネットが好きで、ビジネスが好きらしいですね。

リア充を好まず、非リアを自称する村上氏。

上場するといい気になって豪遊してビジネスを凋落させてしまう経営者もいるらしい一方で、ネットとビジネスをこよなく愛する村上氏はそういった間違いはまずなさそうな経営者なのではないでしょうか。上場記念パーチーを開くことなどもきっとないことでしょう。

リブセンスの今後:低コスト構造の高収益体質で文化となるWebサービスを手掛け続ける

ブレイクのきっかけとなった「ジョブセンス」は、アルバイトの採用が決まった求職者に「お祝い金」を渡し、かつ企業側は掲載無料で成約課金という革新的なモデルで 業界を震撼させました。ジョブセンスを核とした人材事業がリブセンスの収益のメインとなっていますが、それだけでは成長角度が鈍化することもあり、複数の新規事業の立ち上げを考えているようです。実際に住宅、中古車、転職市場と幅広い分野のビジネスを立ち上げています。

手掛けているビジネスモデルを見てみると結果的には、「リクルートが手掛けるジャンルで成果報酬モデルで参入している」ように見え、「プチ・リクルートのようだ」という印象を私は持ちました。しかし村上氏曰く、ベンチマークしているのは「カカクコム」だそうで、カカクコムのような手堅いモデルを好まれるようです。

ジャンルはリクルートが手掛けるジャンルが多いのですが、リクルートと異なるのは営業マンがほとんどいないという点。今風の言葉でいうと「インバウンドマーケティング」が上手く機能しているといえるでしょう。「営業マンが不要か否か」によりコスト構造が大きく異なり、結果としてリブセンスは高い収益率を誇る構造を築き上げているといえます。
*一方で村上氏が非リアなのでリア充が多そうなリクルートの社風を好まないのでは。とも考えられる。

コスト構造的には高収益体質のモデルを作り上げ、サービス内容的には「文化となるwebサービスをつくる」をミッションに掲げており、革新的なインフラとなるプラットフォームサービスを今後も手掛けていくでしょう。たしかに目標に掲げるカカクコムは価格.comや食べログなどで、ユーザーの新しい習慣をデザインし、文化を作ってきた企業であるといえるでしょう。

徹底したローコストオペレーション×文化となるような新しいマーケットを切り拓く。umekiアナリストのファンダメンタル分析からすると、数年後を見据えた時に「buy」といえるような、高いポテンシャルを持つ希有な企業といえそうます。

2009年以前に起業した起業家と2010年以降に起業した起業家の違い

これは私が様々な起業家にお会いして感じていることですが、昨今はスマホの浸透もあり、アプリで一発当てよう的な起業家が多いように見受けられます。今後のトレンドになるので悪いことではないとは思いますが、本当にこれは収益を生み出せるのか?と疑問を抱かざるを得ないサービスが圧倒的に多い気がします。

一方で2009年以前起業組は、比較すると足下が堅いというか、堅実に稼げるビジネスモデルでのサービスを展開しているところが多いように見受けられます。

人と会うたびに「いいと思うスタートアップやベンチャー、ありますか?」と聞かれるのですが、ユーザーとしてヘビーに利用するアプリを挙げる一方で、このアプリはどうやってマネタイズするのか。。。あまい稼げる匂いがしないなと思うことも少なくない。実際に収益を上げてある程度の規模までスケールできそうだなという点においては、アプリ系サービスではなくweb系のプラットフォーム志向のサービスが良いのではと。

昨今のスタートアップ界隈ではもはや禁句になっている風潮すらある、マネタイズ。ユーザー数が集まってから考えればいいとしている人が圧倒的多数と見受けられ、その風潮に違和感を覚えるのは私だけでしょうか。

今後も2009年以前起業組 からWebプラットフォーム系の良いサービスがどんどん出てくると思います。2009年以前組が展開するWebが主軸のサービスと2010年以降組のアプリが主軸のサービス。比較すると面白いでしょう。

村上氏率いるリブセンスには堅実なWeb企業として、収益を積み上げていって欲しいですね。



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