テリヤキにヒントを得て新しいグルメサイトを妄想してみた

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実験的に「事業妄想」という新コーナーを。堀江さんプロデュースによるグルメサイトの構想を前から耳にしていましたが、テリヤキというアプリのようですね。昨日知りました。僕もセンスは置いておいて、外食は好きなので様々なルートから情報を集めています。

旧くは東京カレンダーや大人の週末という雑誌から、食べログ、昔手伝ったRetty、今年に入ってから少し手伝ったポケットコンシェルジュなどのグルメサイト、そして唯一月額課金しているサービスであるホイチョイの東京いい店やれる店。主にこの6つの情報ソースと知人に直接聞くというのが僕の情報収集の仕方。しかし、レストラン探しのアプローチはまだ他にもあると思います。本稿ではこんなグルメサイトがあり得るんじゃないかということを妄想します。

テリヤキはキュレーション型サービス

まずは、テリヤキがどんなサービスなのかという話から。堀江さんのプレジデントのインタビューにグルメサイトの構想が掲載されています。ざっくりまとめると…

1:ハイレベルなキュレーター10人による情報提供
2:ライバルはミシュラン
3:キュレーターによる動画やウンチクもある?

このアプローチは東京いい店やれる店の拡大版とも考えられると思います。ホイチョイ(馬場さん?)が10人いるようなものです。販売部数や月額課金ユーザー数はわかりませんが、いい店やれる店のコンテンツはホイチョイプロダクションズが食っていけるくらいには余裕で稼げているはずです。特にアプリは月額課金が大きい。315円でも1万人いれば月300万。

堀江さんが10人くらいのグルメキュレーターと組めば、月額1,000円で1万人とか余裕で獲得できると思います。食べログのような有料会員数25万人(2013年9月現在)まではスケールするとは思いませんが、個人の集合体が稼ぐレベルとしては十分採算が取れるでしょう。

妄想①:キュレーターが回答するレストランのQ&Aサイト

ここからが僕の妄想です。これはテリヤキにアドオンされる機能として十分に考えられますが、キュレーターがレストランに関する質問に回答していくというのはユーザーに価値があると思います。

最近実験で何度かやってみたのですが、僕がFBに「美味しい中華が食べられる店を教えて下さい」「白金で上級者相手でも通用するレストランを教えてください」と質問を投げます。それに対して4-5人から回答があり(Rettyではないグルメサイト運営者に方も含む)僕が上記の情報ルートを駆使しても引っ掛からなかった店や、気になっていた店を選択する際の理由を補強してくれます(この人が勧めるなら間違いないだろうと)。

特定の人にたいしてではなく、フリーで質問を投げかけて気が向いた人が回答する。僕が感じた回答者のモチベーションは下記のような感じ。(実際、僕は友人にお勧めの店を聞かれることも多く、自分の体感値でもある)

1:本当に気に入っている店を勧めたい
2:店に関する情報交換を楽しみたい
⇒これはそれなりの情報を保有している同士だと楽しい

よって金銭的なインセンティブとかなくても、お勧めのレストランをグルメな方々は質問したら「ある程度」は喜んで答えてくれると思う。僕は聞かれすぎるとうざくなりますが…。回答者を100人くらい選抜しておいて、ユーザーからの質問に対してフリーで回答していく。質問に対する回答が多く集まるコメント欄が価値になる。

質問者や閲覧者となるユーザーからの月額課金と、(金銭的なインセンティブは上記で入らないと書いたけど、事業として回すのであれば)回答者は回答数や役立ち具合に応じて、金銭で還元される。cakesの月額課金⇒著者に原稿料、というモデルに近いですが、そういう事業構造が成り立つのではないかと思います。回答者群がどういう人か次第ですが、僕は月額315円なら課金しちゃうかもしれません。ホイチョイに月額課金しているくらいですから。

妄想②:コミュニティをベースに食事相手を探すサイト

これはRettyにアドオンできそう、というか昔実験でやったことがあります。Rettyの投稿は通常は「行った店」を投稿するのが普通の使い方。しかし、フォロワー数が一定以上いるとそこそこ投稿を見られている可能性が上がるため、「このレストランに行ってみたいんですが、誰か行きませんか?」と投稿して、同行者が釣れるのではないかと思いました。この発想に至ったロジックを、ステップごとに解説しましょう。

■Rettyで趣向が近しいが知らない人をオフラインに連れ出すサイクル

1:Rettyはtwitterと似た仕様であり、古い言葉でいえばフォローでテイストグラフを形成できる

2:自分のフォロワーは自分と似た趣向である確率が高い、ないしは自分の趣向に興味を持っている

3:「いいね!」や「行きたい」のアクションを頻繁にするユーザーは少なくとも見ている(視聴率の仮説が立てられる。例:フォロワー1,000人に対してアクション数が50程度あれば、最低5%の視聴率)

4:アクションする人は投稿のみならず、投稿している人自身にも少なからず興味がある可能性がある

5:興味がある人が興味がある店に行く人を募集していれば、条件次第で乗ってくる可能性が高い

ちなみにこの使い方は「本来の主旨と異なる」とRetty(いや、武田さん)に禁止されました…。が、仮説は当たり、複数人の方と食事に行く機会がありました。この手のサービスは下記のような課題を解決できます。

■レストランに行く同行者がいないという課題(例)

1:フレンチに行きたいが、男同士だと行きにくい。しかし、フレンチに誘える関係の女性はいない
2:突発的に美味いものを食べに行きたいが、一人では心細い
3:食を共にすることで有意義な交友関係を拡げたい

いいレストランも、一人で行くのは寂しいものです。折角なら誰かと(できれば素敵だなと思えたり、趣味が合う人)と一緒に行けた方が良い。しかし、これが上手く機能するには前提条件があると思います。

■食事相手を探すサイトのマッチング精度を高める前提条件

1:相手の食のテイストがわかるデータベースがある
2:相手の自分に対する興味がわかる(フォローしてるか否か、投稿に対するアクションの有無など)

前提条件が双方のFBしかない肉会がそれなりにマッチングしてるんじゃないかというツッコミもありそうですが、肉会はグルメと見せかけた強欲な男女のマッチングサイトだと思いますので、焼肉を楽しむというのは建前に過ぎません。あくまでこのサイトの提供価値は、出会い目的のグルメではなく、グルメ目的で出会いもあれば尚良し、という程度。umeki用語でいう「グルメカップ」の対戦相手探しのサイトです。肉会では相手のグルメ度などはあまりわかりません(焼き肉屋の記載で「金龍山」とか書いてあったら、なるほど。などとは思いますが)

蛇足ですが、男女間のグルメカップの開催難易度は非常に高いです。デートならまだしも、2on2や3on3でそれなりのレストランで女性に(全額)ご馳走するほど経済力があって気前の良い男子は僕の周りには多くないですね。皆さん、非常にシビアです。一方で、グルメカップ可能な男性陣もいますが、そのハイレベルさゆえに女性陣もハイレベルであることを暗黙的に要求されます。これはこれでマッチング難易度が高いという問題があるのです。

以上、新コーナー「事業妄想」でした。この2つはさほどスケーラブルではないでしょうが、個人が稼ぐレベルではいけると思いますね。最近ファンドの新規設立が相次ぎ、投資サイドが加熱していますが、個人的にはExitを狙わない持続可能なビジネスを個人が手掛けていく時代にもっとなっていっていいのではないかと思います。今の僕は完全にその趣向ですね。

自分でやるかは別として、最近スタートアップを追いかけてもピンと来るネタが少ないので、友達とお茶しながら事業を妄想して楽しもうと思います。そういうイベントでも立てようかな。事業妄想相手は随時募集しますので、識者の方々、お気軽にお声掛け下さい。

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