ビジネスSNSのintelyが一刻も早く撤退すべき理由

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イケダハヤト氏NAVARまとめ職人鳴海氏に続く、勝手にintely三部作。

ざっくりいうと…

・ビジネスSNSのintelyは競合がFacebookであり、相手が悪かった
・意識の高いことを投稿する習慣や文化がないため、継続性に疑問
・よって一刻も早く撤退しましょう

intelyは意識の高いビジネス系SNS。実は僕はなぜか「ピックアップユーザー」に選ばれており、フォロワーが2,000人超いました。今日、半年ぶりにログインしたのですが、半年前からあまりフォロワー数は変わっていないような。リリース当初からintelyには懐疑的だったのですが、ピックアップユーザーになってしまったので、まあ損はないだろうしいいか。と静観してしまい、筆を取る機会を失してしまいました。

*今回は図がたっぷり入った、ヘビーな記事となっております。

競合はFacebookであり、スイッチングコストが高すぎた

まずは日米のSNSポジショニングマップの比較です。日米では明確にFacebookのポジションが異なります。

スクリーンショット 2013-05-16 18.40.45 スクリーンショット 2013-05-16 18.40.53■Facebookは日本ではビジネスSNS

ネット業界にいる皆さんは日々Facebook上でビジネスのPR合戦を目にしているはずです。日本ではFacebookは事実上ビジネスSNSです。Facebookは教室にいる感覚がするとい記事を見かけましたが、まさにその通り。

「先生!仕事頑張りました!(いいねして♪)」
「先生!週末にBBQしました!楽しかったです!(いいねして♪)」

ビジネスでのPR+リア充な方々のプライベートという投稿が、日本におけるFacebookの投稿比率(特にネット系では)のかなりの割合を占めるはず。ビジネスPRの場はFBで十分。

■強すぎる先行者であるFBに対し、Linkedinは日本で勝てるわけなかった

米国ではFBはプライベート、Linedinはビジネスと棲み分けがきっちりできている印象。本国TechCrunchの記事のシェア数がFBよりLinkedinが多いこともあるのが、ビジネスSNSとして機能している証拠。

しかし日本では特にネット業界ではFBがビジネスSNSの役割を果たしており、FB以上の価値といえば履歴書がフルオープンで公開されるくらいしかないLinkedinはヘッドハンターのアタックリストとなる程度の価値しか2013年5月現在はないでしょう。LinedinのTLなんてなぜかtwitter連携させてるやつもいて、少なくとも僕のTLは無価値です。数ヶ月見てないが。

Linkedinを流行らせようとした方々もいらっしゃったと思いますが、何を根拠に流行ると思ったのかをお伺いしたいところです。私には「Facebook活用本」的なビジネスで一発当てたいようにしか見えませんでした。アジテーターは流行らなければ忘れ去られますが、識者は見ています。私も気をつけたいところ。Linkedinに関しては国内のニールセン調査からはとっとと外した方が良いでしょう。

■強いSNSに対しては、異なる軸で価値提供しないとスイッチできない

日本国内では、ビジネスSNSはFacebookがしばらくは強いはず。ド競合となる分野にintelyは参入しちゃったわけで、既に外部ネットワーク性が効いているFBからユーザーをリプレイスするのは至難の業。

一方、LINEやPathへFBやtwitterから着実にユーザーは可処分時間を移してきている。先日社会人1年目の女の子にヒアリングしたところ、「twitterは人事に見られているので、社会人になった途端に同期が一斉にPathに移行した」と聞いて、私が昔想定した通りのユーザー行動の変化の波がきていることを実感しました。

■LINEとPathの提供価値=「感情共有」

FBやtwitter上では事実報告や優等生的な発言しか許されない空気があるため、「感情共有」の必要性が顕在化され、それが許される空気があるLINEやPathにユーザーが流れる。

「教室」であるFBで、日常的な感情をシェアすることに多くのユーザーは躊躇っています。そういう「日常的な感情」をシェアするのがLINEやPathであり、FBとは異なる提供価値があります。だからユーザーはシフトするし、アクティブ率もそれなりに上がるはずなのです。

intelyは「ビジネス情報に特化」という観点で、FBと異なる価値を提供できると思ったつもりが、FBも既にそれなりにビジネス情報に特化されているという点で、提供価値がほとんど変わらなかった。という点が最大の失敗だったように思えます。ポジショニングミスです。

意識高い投稿は「新しい文化」であるがゆえ、継続が難しい

対Facebookのような競合を一旦無視して、intely的なサービスには本当に需要があったのか。

スクリーンショット 2013-05-16 19.16.54■「意識の高い投稿」は習慣にはならず、継続性が低い

感情共有は女子会をはじめ、日常茶飯事だ。Pathは女子会をオンライン化している可能性もあり、アクティブユーザーのDAUは高いと推測する。一方で「意識の高い投稿」は「意識の高い」という枕詞に全てが集約されるが、毎日必要とされるものでもない。毎日意識高いと疲れるだろ。毎日意識高いのは新卒の5月くらいまでだ。

よってintelyのようなサービスはPathと比べてどうしてもDAUが下がりやすいだろう。投稿モチベーションの維持も難しい。「彼氏と喧嘩したの!プンプン!」という投稿は日常茶飯事だが、「今日○○さんと会食してこんな学びが〜」的な投稿は、いくら意識が高くて毎日はできない。必要性も中毒性も低いポジショニングだ。この「既存の習慣vs新しい習慣」は別の分かりやすい事例がある。

スクリーンショット 2013-05-16 19.25.08■肉会は「合コンの代替」という明確な提供価値がある

肉会は明確に合コンという既存の文化の代替であるといえ、私の周りでもコンバージョン事例をよく聞く。(私は残念ながら一度もやったことがない)一方でソーシャルランチやコーヒーミーティングは「新しい人と出会う新しい文化」の創出というポジションであり、アーリーアダプターにはウケたが、レイトマジョリティはどうだったであろうか。コーヒーミーティングに関しては未だに登録したらガンガンお茶申請きますが。1on1というところが、ソーシャルランチより気軽なんでしょう。

■新しい文化の創出より、既存の文化や習慣の代替の方が成功確度高い

新しい文化を創出することは非常に価値が高く、twitterのつぶやく文化とか、Googleの検索する文化とかはそれに当たると思う。しかし、勝てる確率を上げるためには、既存の文化や習慣を代替するようなサービスに取り組んだ方が良い。

結論、intelyは一刻も早く撤退すべき

冒頭の「ざっくりいうと」にもありますが、復習すると

・ビジネスSNSは日本ではFacebookが競合、提供価値が被っていた
・「意識の高い投稿」は習慣も文化も薄いため、継続しない

intely三部作の著者の方々の結びを見ると

イケダさん:今後Intelyがどういった展開になるのか楽しみです
鳴海さん:UIを改善したintelyに期待。オワコンとは限りません

優しいのか否か、濁して終わりたくなる気持ちはわかりますが、私はこう締めておきます。

梅木:スケールする望みは限りなく低いので、赤字幅を拡大しないためにも、即撤退すべき

The Startupではダメだと思ったサービスに関して触れない方針を取ってきました。わざわざ事業者に嫌われてまで、やらなくてもいいだろうと思っていたのが正直なところです。しかし、とあるメディアの方と話していてこう思いました。

ダメだと思ったサービスについても意見を述べてこそ、メディアとして読者に価値提供できるのではないか

サービスを褒め称える記事を書くのは簡単なことです。しかし、The Startupはスタートアップサービスの広報誌ではありません。とあるサイプロなどが支持を得ているのは、カヤックの赤字に代表されるように、企業にとって不利だと思う情報でも掲載し、結果としてそれが読者にとって価値があると思われているからでしょう。

私は本誌での口調に反し、実態は多分優しい人間です。斬る記事を書くのに躊躇することがある程度には。しかしメディアを突き詰めるためには、いいと思ったことばかりではなく、ダメだと思ったことも発信していこうと思います。まあ、私もロジックが甘ければ他メディアや影で切られまくっているわけですから、お互い様ですね。切られることは悪いことだと思わないので、失敗を糧に突っ込まれにくい記事を提供できるように質を上げるのみ。

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■About this media & Yuhei Umeki

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