先日、コンセプト段階のスタートアップの方に助言を求められ、お会いしてみました。私自身もターゲットユーザーになり得そうなサービスでしたが、そもそも使わなくないか?マーケットも小さくないか?など、滅多切りにしてしまいました。私はお世辞を言うこともなければ、遠慮もしません。帰国子女でもないのに、「umekiはアメリカにでも行った方がいい」とか学生時代に言われていたことをふと思い出しました…
この日のこのアポを迷って受けてしまったことに対して、自分の目利き力を疑うというか、直感的に微妙だと思った(迷いがある時点で微妙)らそれは正しいのだと再認識。ランチの1時間だったので、その中から学びを得ようと振り返っていました。
晒してしまうと、この日相談を受けたサービスは「シェアハウスやコワーキング、大学や職場での共同購入」というコンセプトのサービスでした。私はシェアハウスのマーケターをしていたこともありますし、住人としてユーザーだったこともあります。今の職場もコワーキングです。たしかに雑誌とかを共同購入したいねとか、そういう話題になったことは何度かありました。
まず定期的に共同購入したいものはさほど多くはなく、書籍や新聞くらいがパッと目につくところ。それだけの用途のためにこのシステム(サービス)を使わないだろう。おそらくそのコミュニティに馴染んだSNSの追加機能くらいで良いのだろうと感じました。
帰りに自転車に乗りながらこう思いました。そんなにたくさんwebサービスやアプリがあっても人々は使わないんだよな。現に人が実際に使っているwebサービスの数には限りがある。多くの人に「どんなアプリを使っている?」と質問してきたが、せいぜい5個前後だ。
人々が使うサービスは、少数に収斂されていく。
だからこそマーケットサイズは重要であり、最速か最高のサービスが勝ち残りやすい構造になっている。
ただ、収斂されすぎていくと、細分化という逆の流れのニーズが強まる。良い例がFacebookだ。
過渡期にあるFacebookのコンテンツの細分化
2013年4月段階でFacebookは少なくとも首都圏の人々の大きな生活インフラになっている。とりわけネット業界においては、名刺交換すればフレンド申請が飛んでくるし、私のようにメディアを運営している人は、一方的なスパムフレンド申請を喰らいまくることになる。ビジネス上のPRや、今日もBBQです私はリア充でございます的な演出の応酬となっているのが現状のFacebookはそろそろピークアウトの時期が差し掛かってきている。私の昨年の予言は、現実味を帯びてきている。
2013年には若い女性のFacebook離れが深刻化する?:4つのコミュニケーションツールの今後の使われ方
最近のFacebookの使われ方を見ていて、このような傾向から細分化の流れが加速することが予測される。
①:フレンドが増えすぎて、どうでもいい投稿をしにくい
②:友達ではない「知り合い」のプライベート投稿はゴミに等しい
③:親にタグ付けされる子供が出現してきている
特に③がエポックメイキングで、これは米国では既に象徴的なようだが、プライベートSNSであったはずのFacebookで親と学校の友達とも繋がった状態で、友達と普段しているような会話など出来るはずがない。米国ではティーンエイジャーが親の監視下にあるFacebookではなく、instagramやSnapchatを利用しているという話には納得できる。
Facebookに魅力を感じない若者たち–その理由を探る(Cnet)
これと同様の流れが今後日本でも起きていくであろうし、既に一部では起きているだろう。
①の真逆として「少数のフレンドの中でどうでもいいことを投稿する」のはpathかもしれない。
小さい市場を選定すると、「人々が使うサービスは少数に収斂されていくの法則」により、その収斂されていきサービスに飲み込まれる。逆に、収斂されすぎたサービスにはその細分化という次の市場が見える。
マーケットへのアプローチを考える際に、対Facebookという指標を持ち
①:Facebookにマージされ得るサービス
②:Facebookを細分化し得るサービス
③:Facebookとは無関係でいられるサービス
この3つの何れかであることを意識しても良いかもしれない。
冒頭で紹介したサービスは①であり、Facebookというよりもyammerにマージされ得るイメージであろう。
マーケットの捉え方について、また一つ引き出しが増えた。気がしました。
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■About this media & Yuhei Umeki
私とお会いしたい方はこちらをご覧の上、適切なアプローチをして下さい。一方的なFacebookフレンド申請などに困っておりますので、そういうことはやめて下さい。
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