前にスタートアップのプロモーション手段として
テック系メディアや個人ブロガーの記事をフックに認知を上げるという手法があり
時に効果的なプロモーションにとなるというお話をしたことがありました。
本ブログですら依頼があることもあるくらいですので
スタートアップ界隈でメディアリレーションのニーズは相当高いと感じています。
以前、このイベントのまとめをどっかで見かけました。
[StartupDating vol.12] 9月22日「スタートアップとメディアーIT系記者に聞く”刺さる”リリースの書き方」
私はIT系記者ではないですし、「近々こういう内容をリリースするので何か書いて下さい」と頼れても
簡単に「あ、いっすよ」とはならない質です。
*ただし、実験的に記事タイアップ広告をやってみたいので、ご興味のある方はお問い合わせ下さい。
周りの親しくしているブロガーたちも自分なりのポリシーがあるので
「スタートアップなら何でも書いてやるぜ!カムカム!」というわけではないと思います。
そこで1つ気づいたことがありまして
私や私の周りの人が反応しやすい概念がいくつかあるなと感じ
それを「キラーワード」として紹介してみたいと思います。
スタートアップのサービス提供者の方々はサービスをメディア受けするように変える必要はありませんが
「言語化」してサービスをわかりやすく説明をする際の手段の一つとしてお役に立つかもしれないと思いました。
案外「言語化」し切れていないサービスが多く、どんな価値提供ができるのは伝わらない場面は多い気がします。
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■スタートアップ関連ブロガーに取り上げられやすいキラーワード5選
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①:ソーシャル
②:クラウド
③:アプリ
④:テイストグラフ
⑤: meet up
嘘です。冗談です。
これらの概念は今後のベースとなるものであり
これらのワードだけでは質の高い個人ブロガーは反応しないでしょう。
これらのワードには慣れ親しみすぎて空気としか感じていないでしょう。
では今度こそ真面目にいきます。
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■①:シェア
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最初に持ってきたのが「シェア」。
これも個人ブロガーたちは空気のように慣れ親しんだワードであり
冗談のキラーワードの中に組み込もうか迷いましたが
まだまだ個人ブロガーたちが反応しやすいワードであることは間違いないでしょう。
今年は多くのサービスが「シェア」という概念を起点にして生まれましたし
「ソーシャル」や「クラウド」「テイストグラフ」「meet up」などは
なんらかにおいての「シェア」の要素を多分に含んでいます。
昨年末には「シェア」という本が出ていますが
昨年末以降「シェア 」は特に日本のスタートアップ界隈においては
最大のトレンドであったということもできうワードだったといえるでしょう。
本ブログでも別途特集を組むことを検討していますが
年末から年明けにかけては「オフィスシェア」である
「コワーキング」がシェアサービスの台風の目となることが予想されます。
海外での事例は多くあるようですが日本に本格的にコワーキングの波がこれから来そうです。
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■②:コミュニティ
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2つ目はコミュニティです。
これもSNSなどの旧来のコミュニティサイトがある中で
なぜ2011年秋の文脈で「コミュニティ」というワードが刺さりやすいのでしょうか。
背景として考えられることはtwitter/FBの普及により
「人と人との線」が以前より増え「繋がりを実感できる」機会は増えました。
私は正直、twitter/FBを単に使っているだけでは「コミュニティ」と感じることはないのですが
ツールとして上手く使いこなせばFBグループなどによる「可視化されたコミュニティ」が
築かれたりすることもあり、コミュニティへの敷居が低くなっている環境があります。
ただ単に繋がっているだけではなく「何らかの共通点をもとに繋がりたい」と思うほうが自然であり
このニーズに対するソリューションの1つが
昨今の流行りのテイストグラフの一部のサービスになると感じています。
今後、コミュニティ要素のあるサービスを使う人が増えることによって
オンラインサービスを起点とした何らかのコミュニティに属する機会は増えていくでしょう。
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■③:共感/ストーリー
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ソーシャルの時代において重要視されているのが「共感」という概念です。
とりわけブログなどでソーシャルバズが爆発するコンテンツの背後には
「人々の共感」という要素があることが往々にあります。
ただ単に一言いって共感を得られる場合もありますが
その多くがそれなりの分量になるストーリー性を帯びたものである場合が多いです。
これはスタートアップのサービスを考える際にとても大切なことであり
「ああ、こういうサービス欲しかったのよね!」と「誰に」共感してもらえるサービスなのか
ツールとしてサービスを伝えるための魅力的なストーリーがあれば尚良しです。
*起業家のノンフィクションストーリーがサービスと相性が良くダイレクトに刺さる場合もあれば
そうでない場合もありますが。後者の方が多いかな。
別の言葉で言い換えると「ビジョン」というワードで表現することもできます。
*ただ、「ビジョン」より「共感」や「ストーリー」の方が個人ブロガーには刺さる気がする。
そのプロダクトを通して実現したい世界はどういう世界なのかを
魅力的なストーリーで伝えることのできる経営者はそう多くはないのかなと感じています。
「ストーリー」というツールをフックに「共感」してもらうことで
コンバージョンは劇的に上がっていくのではないかというのが私の仮説です。
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■④:キュレーション
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出ましたね、私が好きなワードw
ソーシャルの時代となり情報洪水状態であることは誰の目にも明らかです。
私はキュレーション好きと公言しているだけあり
自分に入ってくる情報量を適切にコントロールし
インプット⇒アウトプットのROIを最大化を無意識に心掛けていますが
世の中には整理整頓が苦手で情報洪水に溺れてしまう人の方が多いのではないでしょうか。
キュレーションサービスはいくつか出てはいますがまだ決定的といえるものはなく
個人ブロガーも人によっては情報洪水に溺れていて助けて欲しいという人もいるはずです。
ループスの加藤さんのようなweb関連情報のキュレーターにも注目が集まっている昨今
より多くのキュレーターやキュレーションサービスのニーズがあると思われますし
われわれ個人ブロガーも一種のキュレーターであることが求められる時代になるかと思います。
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■⑤:O2O/パブリック
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最後に持ってきたのがO2O(Online to Offline)。
O2Oには2つのフェーズがあると私は考えており
O2O1.0ではネットサービスがリアルな行動に影響を与える。
簡単にいうと、カカクコムで家電の値段を比較して安いところに買いにいくというもの。
O2O2.0はFBの実名性を担保にオンラインサービスで相手の存在を認知し
オフラインで会ったりして知り合いになる。
meet upとの関連性が非常に強いです。
すでにtwitter/FBによってダイレクトにアポを入れて知り合いになるという人も増えていますが
それ以外のサービスでも「FB連携をしていること」が信頼性の担保となり
オンライン起点で人と会うことに抵抗がある人が少なくなってくるのではないかと思います。
O2Oでのmeet upを加速させるサービスとしてテイストグラフがあり
テイストグラフ系サービスでO2Oを起点にコミュニティを作り
トラフィックを増大させるという方程式が自分の中では見えてきています。
この流れを加速させる根底の概念がFBに代表される「実名社会」、いわゆる「パブリック」です。
誰しもが実名で自分が何を考えていて何をしていて誰と知り合いか
ということを今まで以上に人々がオンラインで発するようになれば
O2Oが活発になり人々の流動性が高まり
より面白い社会になるのではないかなと思っています。
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■おわり
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紹介した5つの概念は相互作用がすごく働いたりする場合もある
これからの社会を担う押さえておきたい概念ではないかと思います。
思い返してみれば「ゲーミフィケーション」なども
最近はキラーワードになっている気がしますが
次点ということで。
おそらく多くのスタートアップサービスには、ここに紹介した概念が最低一つは入っているかと思います。
その概念をベースにサービスを言語化してわかりやすくサービスを説明できれば
個人ブロガーに限らずより多くの人に今まで以上に興味を持ってもらえるのではないでしょうか。
とりわけ個人ブロガーはこの5つのワードがきっと好物ですので
個人ブロガーとリレーションを築く際には意図的に使うといいかと思いますw
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