夏休みのメディア研究①:Tech Waveでバズる記事5パターン from 2012年上半期人気記事100本より分類

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最近、記事の質を上げるにはどうすれば良いのか?と考えており、他のメディアを研究しております。本誌は立ち上げ当初から国内の2大TechメディアであるTech CrunchとTech Waveを意識しておりました。そこで今回はTech Waveの2012年上半期で「100like」かつ「100tweet」以上シェアされている記事を抜粋し、そのパターンを分析してみました。

バズっていれば良いのか?バズっていても記事に対して肯定と否定両方あるであろうが、「何かしらのソーシャルアクションをさせている」という側面においては、ソーシャルバズ数の多い記事にはそれなりの意味や理由があるのであろう。最後に後述しますが、メディアを構成する要素として「コモディティ記事」と「コアコンピタンス記事」に分類され、「コアコンピタンス記事」が強いメディアにファンは付きやすいと思います。

2012年上半期のTech Waveは記事数約350本、上記の「100like」かつ「100tweet」以上シェアされた記事はそのうち約100本となります。
参照元:Tech Wave(目視で確認しました)

1:メイントレンドパターン

今回ここに位置づけたのは「LINE」と「Facebook」です。このほとんどはTech Waveに限らない「コモディティ記事」です。ユーザー数や新機能のリリースネタです。LINEは7本、Facebookは11本となりました。この中でコモディティではなく独自の視点で面白いなと思った記事は下記。

時代の読み方:Facebookの次の覇者としてLINE、Weixinが有望な理由
Weixinなどとの比較が良い
急成長「LINE」の真実、一周年記念独占インタビュー
「LINE史」が一覧で見れる点が良い
InstagramがFacebookによる買収を受け入れた理
instagram vs アジアのアプリの構図が面白い

LINEやFBネタを「シェアする心理」は上記で紹介したような記事は「興味深い」「おもしろい」などでシェアされるのでしょうが、多くは「業界のトレンドに私はついていってますよ」というアピールみたいなものが多いのかなと。ちなみに私はこの種の記事はほぼシェアしません。他の誰かが確実にシェアすると踏んでいるので。

2:湯川氏の社会トレンド予測パターン

これはTech Waveでしか読めない「コア・コンピタンス」記事です。このパターンのヒット記事は8本でした。中でも2,000share以上の大ヒットとなったのがこの記事。
インフルエンサーより「仲のいい少人数グループ重視」の時代へ 書評「Grouped」

「目新しい内容ではない」と前提を置きつつも、時流にマッチしていたのがよく読まれた要因ではないか。これに近い内容としては本誌でも2013年には若い女性のFacebook離れが深刻化する?:4つのコミュニケーションツールの今後の使われ方という記事で展開している。

また、こういう先端事例の紹介も価値が高くて良いと思います。ソーシャル広告世界最先端 mixi Xmas、NikeiDを成功させたバスキュールが見る未来の広告とは

他にもノマドトレンドに合わせたノマドになりたい人が増えた今だからこそ「フリーエージェント社会の到来」を読み返してみる①、今話題の評価経済に触れた「評価経済社会」への移行期における併存する価値観と、議論することの不毛さなどもある。

このようなマクロトレンド予測や先端事例の詳細な紹介記事を量産することは難しいですが、価値が高いことは明らかだと思います。

3:スタートアップニュース&考察パターン

ここはボリュームゾーンで20本ほど。ただし、コモディティニュースが多いことと、取り上げているサービスが必ずしも上手くいっているわけではないこと(そして上手くいっていない率が低くない気がする)が気になる。この辺にTech Waveの目利き力を垣間見ることができるであろう。

■サービス紹介記事:16本

下記を見るとTech Wave上で話題となったサービスが一覧でわかります。私も知っているサービスから知らないサービスまで幅広くあり、「新サービスの紹介」という点では意義はあると思います。

ただ、下記の中でも何度か取り上げられているサービスもあり、そういうサービスだと「Tech Waveが押したいのだな」という印象を強く受けます。The Startupでも私が押すサービスは手を変え品を変え何度も記事に登場してきますが、押すサービスが転けるとカッコ悪く、メディアとしてのレピュテーションリスクへと繋がると考えています。メディアが祭り上げたという構図で捉えられても致し方ないかなと。

我々も人間なので、お気に入りのサービスや人に力を入れてしまう気持ちはよくわかるのですが、社会的影響力がありそれを自認するメディアは特定のサービスを取り上げすぎることには気をつけた方が良いのかもしれません。(The Startupの場合は個人メディアでもあるので好き勝手やります。自由さが最大の競争優位性)ちなみに下記でThe Startupでも取り上げたことのあるサービスは「my365」「Trippiece」「クラウドワークス」の3つですね。

My365:開発の学生チームがサイバーエージェント子会社へ

Trippiece:ソーシャル旅行事業 6か月で2000万/月、増資ネタ
Peppermeet:10Km以内なら誰でもチャットOKのご近所アプリ
U-NOTE:大盛況のアプリ博で見つけたおもしろアプリ
Pitapat:SXSW2012日本のスタートアップによる出会い系サービス3選
Board:ソーシャルメディアの母艦となるか? 
クラウドワークス:日本中のエンジニアと1時間単位で受発注
Studynote:あらゆる教科教材に対応→仲間と共に楽しく学べる
ドットインストール:3分動画で学ぶプログラミング学習サイト
CodeStudy:プログラミング言語学習サイト
miil:世界展開へ、2億4000万円の第三者割当増資を実施 
Pittaa:TLに埋もれた “話題” を逃がさない秀逸Twitterクライアント
パジャコレ:リクルートMTLとアプリ開発をキックオフ 
Papelook:モデルやショップスタッフの間で流行する写真アプリ
Mooklet:HTML5フォトブックを書き出せるiPhone4アプリ
MoSo:動画編集・発信アプリがStartup Asia Jakartaで優勝 

【インタビュー記事:5本】

インタビュー記事はけっこうクオリティーが高く、面白いなと思います。かなり執筆に時間をかけていそうな感じです。この辺を参考にし、私も勉強させていただきます。

slidrop:DECOLOG運営社のタテヨコに動く写真アルバムサービス
ウィズグループ・奥田浩美インタビュー
Satisfaction Guaranteed 佐藤俊介氏インタビュー
宅麺:ラーメンは世界に通じるコンテンツ -急成長の背景と今後の展開 
Talknote:企業向けSNS登録企業数2000社突破の軌跡

サービス紹介、インタビュー記事、いずれもよくシェアされる理由は、「当事者の周辺の人がよく反応する」のが一番の要因かと思います。なので「当事者のソーシャルパワー(FBフレンド数やtwitterフォロワー数)」との相関関係が高いと予測します。よって相対的に「湯川パターン」と比較して「良記事であるので」シェアされているというわけではないかと。バズった数字のどこまでが身内で、どこまでが身内外の人なのか。後者は記事にバリューを感じたているはずで、後者に受けが良い記事が良い記事であるといえるでしょう。

4:大企業ニュースパターン

こちらは14本ほど。ほぼコモディティニュースといえ、Apple、Googleが3本ずつ、Amazon(kindle絡み)が2本ずつ、その他もろもろとなっています。考察記事としてはこのあたりでしょうか。いつもより「蛇足:俺はこう思う」が長くなっています。

ソフトバンクがスマホ決済サービスでPayPalと合弁 孫正義氏にしかできないと思う理由

5:イベント告知パターン

最後に一応入れておきましたが、SXSWやアプリ博を中心に10本ほどヒット記事がありました。これは告知協力のシェアや、SXSWの場合は物珍くて面白いから。などのシェアの心理が考えられます。

蛇足:俺はこう思う

「ブログメディア」Tech Waveを構成する記事を要素分解するとこのような感じになりました。海外ネタはFacebookやAppleなどの鉄板ネタでしかほぼバズらず、Pinterestネタとかもあまりなかった点はTech Crunchとの大きな違いではないでしょうか。

右上にいくに連れて模倣困難性が高まり、記事のバリューは上がるのではないでしょうか。個人的には湯川さんのトレンドネタみたいなのが好きなのですが、量産できるものではないため、ある程度記事の本数を確保するにはやはりコモディティで数を増やすしかないのではないかと感じました。今後Tech Waveがどういう展開をしていくのか、読者として楽しみに読ませて頂きます。

「夏休みのメディア研究」シリーズはTech WaveとTech Crunchの2本立てでお送りする予定ですが、Tech Crunchの分量が多いので、記事をまともに書けるか自信がないのですが、世間的な夏休みが終わる前にはリリースしたいと思います。



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