最近、未来について考えることが増えました。実は昔から、遠い未来のことを考えることが苦手で、ゆえに自分はビジョナリーな人間ではきっとないのだろうと思ってきました。
今から10年前の2007年。私は大学3年生でしたが、22歳の当時から、32歳に至るまで、決して順風満帆ではなかったものの、当初描いた想像以上の結果にはなっている気がする。
正直にいうと、22歳の頃にそこまでリアルな未来を描けていなかったのだと思う。
ちなみに2017年はiPhone発売10周年らしい。私がiPhoneを初めて買ったのは2009年のことで「アプリってなんですか?」な状態だった。
大学生は就職活動の時にざっくりとした将来設計を描く機会がある。
しかし、社会人になってからは大抵の人が再び将来設計を描く機会はあるだろうか。それは結婚する時くらいな気がしている。
32歳くらいだと社会に出て約10年。その約10年を振り返りつつ、今後10年の社会予測を元に自らの将来設計を描くのは、非常に意義深い活動に思える。だから恥を忍んで、拙い想像力で描いてみようと思う。
社会:時間の使い方が変わる。フリーランス社会本格到来
2027年、どんな社会になっているのでしょうか。
デバイスは國光さんの言う通り、本当にVR・AR・MRにシフトしているのでしょうか。
私が説明するまでもない大きな流れとしては、AIの浸透でホワイトカラーの生産性向上が実現し、栽培サラリーマンたちが本格的に淘汰されていることでしょう。ブルーワーカーのみならず、銀行員とか会計士とかのコモディティワークであるホワイトカラーの職種も存在しないか、相当数が減っていると思われます。
コモディティにならない、クリエイティブな仕事をしている人のみがまともな報酬を得られ、そういう人たちと栽培マンの経済格差は相当開いていくでしょう。
サラリーマンでいることのリスクがどんどん高まっていき、サラリーマンの平均年収は右肩下がりになるでしょう。米国では既に1/3がフリーランスと聞いたこともありますが、様々な仕事をクリエイティブにこなせる人に富が集中していく社会構造になっていきます。
人類の総労働時間が減っていくと仮定して、浮いた時間は細切れの時間も含めて余暇となり、余暇を制するものが2020年代のキングになると思われます。2017年現在もすでにそういった予兆があり、ゆえにFacebookなどのコミュニケーションサービスに高い時価総額がついている(利用時間が長く、結果的に広告収益が上がる)のだと思います。
そのような社会状況の中では「遊ぶこと」が仕事になっていくのだと思います。以前「家にお客さんがやってきた!」という記事を見かけたことがあり、それは「お客さん」という商売が成り立つという話でした。「お客さん」が家に遊びに来て、一緒にご飯食べて、話して、帰っていく。それでお客さんは3万円くらい?とかもらう。
今でいう「ギャラ飲み」の延長線上にある世界です。出張ラウンジ嬢サービスが一般に普及するということで、美女じゃなくとも、「一緒にご飯を食べて遊ぶ」という仕事が、より成立しやすくなります。そういった意味では、銀行員よりも港区女子の方が将来的には競争優位性があると感じます。一見ギャグなようですが、港区女子はクリエイティブワーカーなのです。
10年後はIoTの浸透もあり、あらゆるものがネットに接続され、「インターネット業界」なるものの存在感は薄れていくと思われます。大抵の事業領域がインターネット化されていき、ゆえに2017年現在でインターネット業界にいる我々は、非インターネット領域のインターネット化に携わる事業機会に今後恵まれていくことでしょう。
その事業機会を見極め、タイミングよく参入し、効率的にオペレーションを回すことで、持続的イノベーションを起こしやすい時代になってゆく。破壊的イノベーションももちろんあると思いますが、持続的イノベーションの比率が高い時代になっているように思えます。
仕事:プロのプロデューサーを目指したい
たびたび、「梅木さんは今後の方向性はどうされるのですか?」という、非常に厄介な質問を受けます(笑)
前から理解していたことではあるのですが、私はきっとお金より自由が好きです。24時間制約されての10億より、自由な時間で1億の方が好きな気がします。きちんとした起業をしてM&Aを目指すスタートアップでもやろうかと悩んだこともあるのですが、自分の性格には合ってないかなと。
今後取り組んでいきたい仕事としては、事業のプロデュースです。非インターネット領域に関心があります。2017年現在は東京カレンダーに次ぎ、デーティングアプリを買収しそれをプロデュースするという業務も担っていますが、様々な領域のプロデュース業を手掛けていきたいと思っています。いわば、プロのプロデューサーを目指したい、といったところでしょうか。
ホテルやチョコレートとか、そういうプロダクトのプロデュースにも昨今関心があります。プロデュース業を1年に1件ずつくらい増やしていきたい。そのためには日々アンテナを張り続けていたいですね。基本的にはC向けのサービスで、人々の生活を心理的に豊かにするものを手がけたいです。
一方で、自己資金でスタートアップにエンジェル出資をしていきたいとも考えています。リターンがあれば嬉しいのですが、なくとも「この人は!」という人に投資をして、投資家としてのラーニングを得ていきたい。
ファンドをやればいいんじゃないかと言っていただいたこともありますが、私には荷が重いのとすでに多数のプレイヤーがいる中で、事業環境的に旨味を感じません。そうであれば、自己資金で毎年1-3社くらいに投資していきたい。
あと引き続きM&A仲介なども継続していき、毎年1-2件はM&A仲介を成功させていきたい。そのためにも情報収集やバイサイドとの関係構築は抜かりなく取り組んでいきたいところです。
一つの職種に縛られるのではなく、多様な顔を持っていたい。10種類くらいの仕事を同時並行で手がけたいですね、欲張りですかね。
売上は毎年コンスタントに年商1億円は出せるようになりたいです。事業構造上はほぼ粗利ですが。今年はその大台に乗せたいですね。周りはEXITモデルの方ばかりですが、自分の特性としては、コツコツ毎年収益を上げていくモデルが合っていると思っています。とはいえ、数字だけを追っても仕方ないと思っており、「価値」を追っていきたい。
10年後、42歳になる頃には、「あいつに任せればなんか事業立ち上がったりブランディング上手くいったりするよね」という存在になれればなと思います。現在は社会的には賛否があるらしいですけどね。たまには一切批判されない手法で成功してみたいものです(笑)
プライベート:物質的ではない豊かさを
私は大学自体から「豊かなライフスタイル」への関心が高く、ライフスタイル雑誌を読み漁っていた。
「衣食住」という言葉のその順序には意味があり、人は成熟の過程で、衣食住の順でこだわるようになる場合が多いのだと思う。
特に20代前半〜半ばはファッションに関心を持つが、収入が上がっていくと制約がなくなり、「相当悩んで服を買う」という経験が減ってくる。躊躇なくジョンロブを購入するようになった今、僅かながらの寂しさもある。いや、今日悩んだ挙句HUBLOT買ったな…。まだ悩みはありますね。
次に食。20代後半以降はデート相手から選定するレストランで値踏みされることもあり、デートに誘うと「メニューによります」と言われることもある。(私の実体験です)28歳から31歳で急激に色んなレストランに足を運び、レストランの相場感や、自分なりのお店の選び方の基準ができた。アラカルトで美味い店を好むようになってきた。
最後に住。最近引っ越しましたが、部屋を充実させることで心を整える作用があったり、友人を招いてアットホームな雰囲気で気兼ねなく語らえる空間を持つことの意義を感じつつある。
しかし10年経った今、おそらく当時の想像に近い生活を送っていると思われるが、この衣食住の物質的に「だけ」満たされた生活では、心は満たされないことを学んだ。
今後10年で考えていきたいこととしては、より多くの人と有機的で有意義な関係を築いていくこと。有意義な人たちに認められるためには、自身が有意義と思われる人物になる必要がある。
有意義な人物なる要素を分解すると、仕事力の高さや、教養の深さ、相手の役に立ちたいと思う奉仕心などがあるのだと思う。
自分自身に余裕を持つことで、周囲の人々に貢献する。そういう思考にシフトしていきたいと思う。
10年後は42歳。結婚はしているのだろうか。仮に結婚していたら、グローブナープレイス神園町あたりに住みたいなと思う(笑)あれは、一人暮らしには寂しすぎますからね。。しかし私は「結婚ゴール」の発想はないので、気長に考えたいなと思う。
独身者が肩身の狭い思いをしなくて済む社会の風潮になっていることを願いたいと思いつつ、自らもメディアの端くれの人間として、結婚以外の幸せのかたちがあることを示していきたい。
より多くの人に価値を提供できる人物になる、という高みを目指しつつも、未熟な人間力を磨いていきたいと思う次第です。
あれ、なんか優等生すぎる感じになってしまいましたかね。。
書いてみてなのですが、自身の想像力の低さに結構凹みましたね。10年後の社会と自分について、いろんな起業家に聞いていくと面白いのではないかと思い、まずは自分で考えて書いてみようと思った次第でありました。
皆さんもぜひ、#10年後2027年の社会と自分 を考えて書いてみていただけると。あえて#つけましたが、誰にも拾われなさそうで寂しい。。