2017年3月のB Dash Campのセッションレポートです。
セッション名:インターネットビジネス、次に何が来る?
パネラー(敬称略)
佐藤裕介 フリークアウト
木村新司 AnyPay
國光宏尚 gumi
モデレータ
渡辺洋行 B Dash Ventures
全員Umeki Salonメンバーですね。(すいませんスマホで撮るとあまり綺麗に取れず…)
全ては紹介できないので、私が気になった点をいくつかピックアップします。
市場ができる3年前には仕込め!次のデバイスはVR
まずはgumi國光氏の話
VRは2017年現在は工場で使われるようなユースケースしかないが、今後C向けにUI/UXが最適化されていくはず。VR空間で完結するUI/UXの未来が前提になるので、VRは2017年の現在が仕込み時。
その市場が立ち上がる3年前に仕込みのが重要。たとえば動画は2014年ごろからgumiでは張って、投資先も3ミニッツやKURASHIRUなど結果が出てきている
國光氏曰く、インターネットビジネスでは下記の3要件が重要とのこと。
1.どういうデータを取れるか
2.どうやってデータを集めるか
3.どうやってデータを活用するか
PC、スマホ、VRの各デバイスで上記3つをうまく組み合わせることでビジネスを創出出来る。
個人をエンパワーメントするものが来る(情報流通の変化)
続いてPaymo木村氏の見通し。
デバイスの歴史的背景を振り返ると、iPhoneは2007-2009年にあまり使われていなかったが、アドサーバーを見ると2010年によく使われ始めて、スマホアドネットワークのアトランティスを始めた。
スマホにまだいろんなものが入っていなかったのでデバイスバブルが起きて、いろんなスタートアップが出てきて、勝ちやすかった時代(2013年〜)に取り組んだのが、グノシー。2017年はもうある程度のアプリが出揃ったので、勝ちにくくなってきている。
情報流通の歴史的背景を振り返ると、Google検索から、Facebookのソーシャル経由にトラフィックのシフトが起こり、トラフィックバブルが起きた。また、LINEを中心に、見えていない口コミネットワークの力も増してきている。
今までは大企業が持っていたツールを個人でも活用できるようになり、個人をエンパワーメントする事業が求められると考えている。
この話から見ると、流通の変化で大企業から個人へ徐々にパワーシフトが起きており、その文脈もあって木村氏はPaymoを立ち上げたと考えられる。
「デバイス」と「流通」という2輪の変化がある。スマホが完全に定着した2017年、國光氏のように「次のデバイスの変化」に賭けるプレイヤーもいれば、木村氏は「流通の変化」にPaymoで賭けた。
2017年はアーリーステージで仕込むならスマホはもう遅いが、ビッグビジネスになる領域は流通の変化と掛け合わさる分野であればまだまだあり、個人間決済はその一つということであろう。
WeWorkの事例を挙げ、広告でユーザー獲得するものから、オフラインのチャットや口コミでバイラルしてユーザー獲得していくマーケティングの変化の話にも触れていた。
今までではロジカルに考えてビジネスで勝てる時代だったが、最近は口コミが重要になってきていると感じています。感覚的には(ソーシャルなどで)見えているものの10倍以上の口コミがあるのではないか。共感されるか否かがとても大切になっていている(そしてそこでビジネスが伸びている)
この話を受けてのBDV渡辺氏は広告投下ビジネスが通じる時代ではなくなってきていると指摘。本当に良いプロダクトを作らないと、バイラルして伸びていかなくなってきているという見解を示した。
本当に良いプロダクトは口コミで伸びていくので、広告が効かなくなってきている。「共感」でいうと、木村氏がPaymo Tシャツで登壇されているあたりからも、本当に共感されることが重要であると考えているのだと思う。本来のキャラクター的には、サービスのロゴTシャツとか着ない方だと思いますのでw
大企業がやっているビジネスを個人に落とすというのが良いのではないかというのが、木村氏の見解だ。
顕在需要を満たすのではなく、需要を創出するサービス
最後にフリークアウト佐藤氏の見通し。
技術革新による消費行動の変化に着目しています。
インターネット黎明期ではERPで消費の手前部分が効率化した。2010年代は広告がテクノロジーで変わった。顕在需要に対して、「こちらをどうぞ」というもの(供給)ができるようになった。
今後は需要創出できるサービスの時代ではないかと。PCは比較検討するデバイス。スマホは比較検討が困難受動的なデバイスで、情報を提案して欲しいという姿勢に変わってきている。
需要を自分の外側の世界から創り出して欲しい。人間が次に何を欲するのか。人間が消費するもの、需要を創出する技術の時代になっていくと考えている。
この話はこのセッションの中では個人的には最大の発見。近日Umeki Salonで議論を深掘りしたいと思う。
需要創造サービスの一例として、佐藤氏曰く、とある月額課金性の海外メディアは、無料お試しもないが、既存会員がシェアした記事は、無料で読める。こういったユーザー獲得のコスト構造の違いはなかなか面白い。NewsPicksとか全く同じグロース戦略を採用すると良さそう。(無料お試しはあってもよいけど)
全ては紹介できませんでしたが、木村氏佐藤氏が指摘した変化は、これからインターネットサービスを作っていく上での、大きな潮流になっていくと思います。
なお、B Dash Camp中には、Paymo木村氏がPaymoで木村氏に請求すれば◯万円まで支払ってくれるというキャンペーンを実施するとのこと。