ケーススタディーの習慣は、経営力に直結する

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こんにちは、Umekingです。

経営者も含めた多くのビジネスマンは「ケーススタディー力が低いのではないか」と最近気づいた。

ケーススタディーと日常業務は一見関係ないように思え、日々の優先順位も低いであろう。MBAではケーススタディーを死ぬほどやらされることも多いようだが、MBAホルダーであっても日々の生活にケーススタディーの習慣がある人はどれほどいるのだろうか。

いうまでもないが、ケーススタディーとは妄想、無料である。

自分がザッカーバーグなら今何をするか、InstagramのCEOであれば動画をどれくらい優先するか、GoogleのCEOであればyoutubeのうざい15秒広告の効果が悪いと判断して6秒広告の導入を決めるのか。

こういうことを妄想しても、誰にも迷惑はかけない。

ケース経営とはざっくりいってしまうと、打ち手を考えることだと思う。一見、日頃制約条件が多いように思えて、実はそうでもない。

自社の経営のみならず、他社の経営について「この状態であれば自分はこうする」と15分くらい考えてみる時間を持つ。その後、その企業に関するニュースを追っていき、自分の仮説の通りになったのか、違った結果になったのかを検証していく。間違っていれば、何か間違っていたのかを考える。

こういう思考を積み重ねることで、いざ自社の打ち手を打つ時の引き出しが増えていく。知人の経営者と食事しながら、「いや、俺が君の会社のCEOならこれをやるな」とか、「君がうちの会社のCEOだったら今何をするか?」という議論をするのも有益だと思う。他社のCEOの助言は、思わぬ自社の資産を気づかせてくれることもある。

たとえば、SpotlightはDeNAに売却すればいいと思うのね。という話など、私が日頃勝手にサイバーエージェントの経営を妄想しているから、すんなりと「こうした方がよくないか」と出てくる打ち手です。サイバーエージェントは既存事業の売却が上手いので(FX事業のヤフーへの売却など)、十分あり得ると思います。買い手がDeNA以外にあるか否かが最大の論点となるでしょうが。

経営者のケーススタディー力は、その企業の浮沈を決定づける大きな要因の一つになる気がします。昨日の時価総額3倍以上の差に逆転!オプトとセプテーニの業績を比較してみたの記事も、実際の各社経営陣のケーススタディー力はわかりかねますが、実際の打ち手が良かったのは明らかにセプテーニであり、その打ち手の前段階のは打ち手のシナリオを描くという作業が大抵はあるはずです。

打ち手のたしからしさやタイミングといった判断力と、その打ち手を導き出すための引き出しがあり、その引き出しとは「日頃考えていること」であり、日頃考えていることの一つに、他社のCEOだったら何をするかなどの、ケーススタディーというのはあると思います。

私が日頃経営者や投資家と接するなかで、無意識的にケーススタディー力を見ていたのかもしれないと、再認識しました。勝手な印象ですが、M&Aや新規領域を常日頃から考えている経営者が相対的にケーススタディー力が高い傾向にあり、それはじげんの平尾CEOやgumiの國光CEOに当たると感じました。

ほな、お前、インスタの経営者だったら、今何する?(上を見上げながら質問する國光氏)

と、國光CEOは唐突に人に聞いたりするようです。私が中国や米国の目がベンチャーのケーススタディーまではできていないのですが、國光CEOのウィールをみているとアリババやアリペイへの関心や、自身が取り組んでいるVR領域への関心が高いことが読み取れます。そして、記事を読んで短い時間でもケーススタディーをしているんだろうなという形跡を感じ取ることができる。

こういった習慣があるCEOがいる会社は、業績が低迷しても、再び何かで一発当ててくる確率が相対的に高いと思います。逆に自社の調子が良いからといって、それに驕り引き出しの中に打ち手を蓄積する作業を怠るCEOが率いる会社は、ピークアウトの後、再浮上するのは難しくなるでしょう。

現時点での結果は、過去の判断や実行の延長線上であり、現時点での結果に舞い上がって日頃の努力を忘れてはならない。

ケーススタディー力のある経営者はケーススタディーを努力など思っておらず、うんこしながらとか寝る前とか移動中とかにそういうことを考えていて、習慣化しているのだと思う。

もう一歩踏み込むと、ケーススタディーにおいては、まだ公開情報となっていないような打ち手を、一つは捻り出してみる。「うーん、難しいっすな」だけでは、意味がない。

例えば、自分がスナップチャットのCEOだったら、この低すぎる収益性を改善するために、どんなマネタイズプランを考えるか。現時点はとにかくユーザーグロースさせれば良いというのは猿でもわかる。スナップチャットのマネタイズを考えるに当たって参考になるのはFacebookの歴史である。それならば、FacebookはどのようにしてARPUを上げてきたのか調べてみよう。

こういうことを、日頃脳内でやっているかという話である。

本誌の読者の皆さんには、ぜひケーススタディーの習慣を身につけてほしい。最大のポイントは、他人からお題を出されるのではなく、自分でお題を見つけることかもしれない。

「考える」という作業は属人的すぎるので、もっと要素分解して見た方が良いであろう。

以上、Umekingがお届けしました(Umekingという呼び名を定着させよというお題が来ております)



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