どうすればビジネスで「異常値」を出せるようになるか

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*以前Umeki Salonでスレッドにした議題を要約してお送りします。

サロンには多数の上場企業経営者や巨額で売却した起業家に参加いただいています。彼らはある種「異常値」を出している人材なわけで、「異常値」の出し方に再現性はあるのか?と疑問に思い、議題としました。そのコメント欄がかなり勉強になったため、一部を匿名化・抜粋してお届けします。

まず私が考えた仮説はこの3つでした。

1:試行錯誤の量が多い
2:ルーティンに陥らない
3:度胸ある決断ができる

これ自体は間違ってはいないと思いますがの、粒度が粗いです。

サロン内のコメント欄で印象に残ったものをピックアップし、整理してみました。

異常

☆1:試行錯誤の量(≒日頃の準備)

・他業界から学び、構造的に優れたビジネスモデルを探求する
・興味の深さ、広さ、自分独自の理解(好奇心・理解力・応用力)が大切
・次にくる大波を見定めて徹底的に勉強し、その分野で誰よりも人脈を作り、誰よりも知識をつける

僕が提示した「試行錯誤の量」ですが単純にPDCAが多いだけではなく、上記のような試行・思考の形跡があるのではないかと。

他業界から学び、自社のビジネスに応用する。幅広い関心を持つことで、そこから自分が取り組むビジネスの着想を得る。大波を予測してその分野について勉強しておく。波の予測と勉強に関しては、國光さんが上手そうな気がします。

☆2:度胸ある決断には、必ず理由がある

・常に調べていて、ここぞという時に深掘りし、他の人が異常に思える時にマーケットインして突き放してしまう
・タイミングを見極める嗅覚とタイミングが来た瞬間にブチ込む胆力

度胸ある決断が異常値を出すためには大事で、「度胸ある決断」って分解するとどういうことなのかと。簡単に言い換えると「普通の人が決断できないこと」が「度胸ある決断」なのかなと。え?それだけお金突っ込んじゃうの?え?今それやっちゃうの?みたいな。まあ、普通じゃないよねという。

しかし、一見普通の人が違和感を感じる決断でも、当事者にとっては自分なりにきちんと調べて考え尽くして、機が熟したと思って、決断してることが多いのだなと、この議論からは感じました。決断する当事者は日頃の活動からきちんと準備ができていた上で決断するだけで、彼らにとっては「普通のこと」なんですよね。

大して考えていない一般人から「え?なにその決断?」と思われることは至極当然のことなのかもしれません。異常値を出す決断ができる人は、その決断に至るまでの準備が違うということです。

「運の良さが異常値につながる」という意見もありましたが、「日頃の準備に基づいた胆力のある決断」の上に、運を引き寄せることがあるのだと思います。異常値的な成功した人が「いやぁ、運が良かっただけです」と言ったのをみて「あ、そうなのね」と思ってはいけません。運を引き寄せるロジックが必ず存在するのです。

☆3:突き抜けた人格

・表裏一体の突き抜け力
・自分の中の異常な部分があるはずで、その異常な部分を開放する

最後に人格的な面を。「突き抜け力」とは、変にバランスを取らず、どこかの方向に尖っていることを指すようです。調和を重んじて空気を読むような人に、異常値は出せないということでしょう。尖ったエッジから異常値は生まれる。エッジを失わないようにしましょうと。

自分の中の異常な部分という話は、これは人によって個体差があり、さほど異常な部分がない人もいれば、隠すことが困難な異常性がある人もいる(サロン内ではそれを「アレな人」と呼び、僕も「アレな人」認定となった)。

興味深かったのが、「アレな部分が出ちゃった人」と「アレを頑張って出そうとしている人」が存在するということです。

異能を認めるというか、アレな部分をどう活かすかを考えたほうが良いでしょうしね。オペレーションはできないけど、ものすごく面白い文章が書けるとか。短所には目を瞑って、長所を活かそうと。

強引に方程式化すると

精度の高い試行錯誤の量(日頃の準備)
×思考を元にした思い切りの良い決断
×異常な人格
=異常値

といえるかもしれません。

再現性がないから「異常だ」という話もあるわけですが、再現性がないのは「異常な人格」だけであり、市場を見極めて考えに考えてタイミング良くマーケットインするというのは、再現性がないとは言い切れません。

なので、異常値を出したい人々は、その点を留意しておくと良いのではないかと思います。



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